響「………………え?」
貴音「……」
響「……」
貴音「動物園に」
響「や、聞こえてるけどさ」
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響「なんで?」
貴音「はて。なんで、とは」
響「いや……動物だったらうちにもいっぱいいるじゃん」
貴音「確かにその通りですね。……しかし」
貴音「さぁばるきゃっとはいません」
響「……」
貴音「さぁば」
響「聞こえてる」
響「貴音」
貴音「はい」
響「見たんだな?」
貴音「なんのことだか」
響「うそつけ絶対見たぞ」
貴音「なぜ見る必要などあるのですか!!」
響「こないだあんなこと言っておいて……」
貴音「な、なんのことだか」
……
響『うぇるかむとぅよーこそふんふふふー♪』
貴音『響? なにを見ているのですか?』
響『あ、貴音。これすっごいんだぞ! 動物の動きがよく再現されてて……』
貴音『んふっ』
響『』
響『……貴音?』
貴音『響、そのような幼児向けのものに熱中するとは……やはりお子様ですね』
響『ちょっ、ち、違うぞ! 確かに子供から大人までたーのしー!内容だけど! べつに小さい子向けじゃっ』
TV<ウィーヒヒヒ! ンフフッ ワッ アーハー! カリゴッコダネ!
貴音『……』
響『……』
貴音『んふっ』
響『貴音ェ!!』
貴音『なんですかこの狂気すら感じる演技は』
響『そ、それは……まぁ、自分も初見はあぜんとしたけど……』
貴音『それに、耳が四つもあるなど……面妖な』
響『フレンズによっては獣耳のない子もいるし、全部のフレンズが人間の声でコミュニケーションがとれるように、可聴域をそろえてるんだぞ』
貴音『はいはい、響はかしこいですね』ナデナデ
響『うがー!! もう! バカにしないでよー!!』
TV<タ、タヴェナイデクダサ~イ! タベナイヨー!
……
響「……あんなに自分のことを子供扱いしといて……アニメにハマったあげく動物園に行きたいだなんて! 貴音の方がよっぽどお子ちゃまじゃないかぁ!」
貴音「な、なにを言うのですかっ!? こ、これは……そう! 響のためなのです! 響が行きたいだろうなーでも自分から言い出すのは恥ずかしいだろうなーと察したわたくしのこの粋なはからいが」
響「はいはい、分かったさー」
貴音「なっ」
響「貴音がそんなに動物園に行きたいって言うなら、しょーーがないから、自分も付き合ってあげるよ。貴音が、どーーーしても、行きたいって言うなら」ウンウン
貴音「」
ギュム
響「いひゃいぞ」
貴音「はい」
ガタンゴトン……ガタンゴトン……
貴音「……だいたい、響は最近、休みの日はいつも家でごろごろだらだらと……もっと体を動かすべきです」
響「そんなこと言ったって、仕事やレッスンでさんざん体は張ってるぞ? むしろ鍛えられちゃって筋肉がつきすぎてないか気になるくらいなのに……」
貴音「たまの休みの行楽は、それとは別ですよ、響」
響「そうかなー」
貴音「そうです。……ほら、着きましたよ」
響「はーい。……ふぁあ、ぁふ」
貴音「ふふ、まるで美希ですね」
響「貴音が朝早くに連れ出すからだぞ……」
……
ワーワー キャッキャ
響「おー、けっこう人がいるなぁ」
貴音「これも、こらぼの効果……なのでしょうか」
響「っていうかさ、貴音」
貴音「はい」
響「ここサーバルキャットいないぞ」
貴音「」
貴音「なんと……」
響「誘っておいて下調べ不足だぞ……」
貴音「いえ、問題はありません。それはそれで、また別の機会に会いに行けばよいのです。……本日はここにいる動物たちをしかと堪能しましょう」
響「ん。そーだなー、そうするさー。……で、まずは?」
貴音「まずは」
貴音「缶ばっちの購入を」
響「おい」
響「これが目当てだったのか……」
貴音「……響はいらないのですか?」
響「いや…………買うけど」
響「コツメカワウソちゃんかわいいなぁー……」
貴音「アミメキリン嬢もまこと、美しいですね。……さぁ! はやく実物を見に行きますよ! さぁ!」タタタッ
響「あっ、貴音! 急いじゃだめだってばぁ! ちょっと!!」タタタタッ……
貴音「あぁ! これがあらいぐまですか? あらぁーいさーん!」
響「レッサーパンダだぞ」
貴音「」
貴音「なんと」
響「パネル立ってるでしょ!? 見て! なんのためのコラボなの!!」
貴音「……かんがるう殿は、まこと……ぐうたらしていますね」
響「そうだな……まるで休みの日の」
貴音「響のよう」
響「貴音みたい」
貴音「えっ」
響「えっ」
貴音「あぁ、キリンがいましたよ! 響、響!」
響「おぉー、美人さんだなぁ」
貴音「ぱねるも設置されていますね……」
響「アイキャッチの解説と同じ位置か~、やるなぁ」
貴音「なかなかにくうるな立ち姿……まこと、美しいですね」
響「貴音はアミメキリンが気に入ったのか?」
貴音「えぇ、なぜだか自分自身でも、分からないのですが」
響「……」
貴音「これは!! 今度こそ! 今度こそあらいぐ」
響「たぬきな」
貴音「」
貴音「おや、これは」
貴音「なめくj」
響「シマウマな」
貴音「ばくがぱねるをかじっています」
響「うん」
貴音「ばくばくと」
響「うん。……うん?」
貴音「おいしいのでしょうか……」
響「やめて」
貴音「……もう騙されません。あらいぐまを騙る不届き者めっ!! 正体を現しなさい!!! はくびしんなのでしょう!!?」
響「これはアライグマであってるぞ」
貴音「…………」
響「……」
貴音「はやぁ」
響「アライグマかわいいなぁ」
<エサヤリノジカンデース、ココニハニシュルイノペンギンガイマスガー
<コノペンギン、ナマエワカルヒトー
貴音「響! なにぺんぎんが言うのです!」
響「えっ!? ふ、ふんぼるとぺんぎーん」
<スゴーイ、ソノトオリデスネ、チッチャイオネーチャンアリガトー
ワーワー スゴーイ ワー
響「……貴音、これめっちゃ恥ずかしいんだけど」
貴音「乗ったのは響ではありませんか」
響「……にしても」
貴音「えぇ」
響「ほんとに動かないな」
貴音「そうですね……食事の時間にも動じないとは……」
響「ほんとに見入ってるなぁ……求愛してる姿もあったって言うし。不思議だなぁ……パネルは動かないから飼育員さんだと思ってるわけじゃないだろうし……」
貴音「なにも不思議などではありませんよ、響」
響「えっ?」
貴音「人とて、空に浮かぶ月に恋焦がれるもの……」
響「……確かに」
響「PPPはアイドルだもんな……フルルも貴音みたいに、きっとファンの心を優しく照らしてるんだよね」
貴音「えぇ……きっと。……ところで響」
貴音「…………実際のところどうなのか、直接たずねてみては」
響「おい」
響「ふんいき。むーど」
貴音「だって……気になるではありませんか……」
響「そりゃそうだけど……うーん、ちょっと遠くて会話はできないかな……」
貴音「では近くに来た他のぺんぎんに、あのぐれえぷ殿のことをうかがってみては」
響「……まぁ、それならなんとか」
~? ダゾ?
クエー クエー
貴音「……」ドキドキ
響「聞いてきたぞー」
貴音「ど、どうでしたか?」
響「うーん」
響「『おれは響ちゃんのが好みだぜ』って」
貴音「」
響「もてる女はつらいさー」
貴音「」
貴音「響! うそを! またそうやって!! うそをついて!! わたくしに分からないからと!!」
響「いやほんとだってば」
貴音「ちゃんと全てのぺんぎんに聞いてみてください。絶対にわたくしの方が人気があるはずです」
響「目的変わってるぞ……」
貴音「……おや、これは」
響「おぉ、こんなところにもアライさんのパネルが。一緒にいるのはホワイトタイガーと」
貴音「あ、レz」
響「やめろぉ!!」
貴音「ふぇねっく嬢には親近感を覚えます」
響「へぇ」
貴音「『響、またやってしまいましたね』……みたいな」
響(……今日やらかしてるのは確実に貴音の方だけどな……)
響「ふー、いろいろ見たなー」
貴音「えぇ、では……」
貴音「そろそろ、観覧車に乗りましょう」
響「ん。そうだね」
……キィ……
ユラユラ……
響「……」
貴音「……響」
響「なぁに、貴音」
貴音「楽しかったですか?」
響「そりゃあね。今更だけど、やっぱり動物は好きだし」
貴音「……だからこそ、気になってしまったのです」
響「貴音……?」
貴音「他の者よりも動物と密に意思の疎通が行えるからこそ……こうして檻に入った動物たちを見るのは…………もしや、好きではなかったのでは、と……わたくしが無理強いしたせいで」
響「あぁー、いやいや」
響「そんなことないぞ」
貴音「まことですか?」
響「もちろんさー。……そりゃ、不満を持ってる子もいるし、たくさんの人に見られるのがストレスになる子もいるけど、……でも、専門の飼育員さんがいる環境は、決して悪いものじゃないし」
貴音「……住めば都。というわけですか」
響「まぁね。どこで生きていたって、一長一短。これも共存のカタチの一つだと思うぞ。……自分たちアイドルだって、ここの子たちと似たようなものだしね」
貴音「ふふっ……確かに。そうかもしれませんね」
響「こうして、いろんなきっかけで動物園に人が来て、……動物に興味を持ってくれて」
響「動物たちのこと……少しでも考えてくれる人が増えて」
響「お互いにうまく付き合っていけるように、みんなでやっていけたら嬉しいさー」
貴音「そうですね……」
響「…………あっ」
貴音「? 響、どうかしましたか……? あ……」
響「おーい! サーバルちゃーん! あはは! あんなとこにいたぞ! たーのしー!」
貴音「……これからも、良き友人でありたいものですね。この星の皆(みな)と……」
…………
……
響「ふー、なんだかんだ、かなり満喫しちゃったぞ」
貴音「そうですね。おなかもぺこぺこです」
響「じゃあ今日の晩ごはんは」
貴音「やはりらぁめ」
響「うどんで」
貴音「」
貴音「なにゆえ……?」
響「うどんだぞ」
貴音「ひ、響?」
静香「うどんですね」
貴音「!?」
アライさん「うどんなのだ!」
貴音「!!??!?!?!」
貴音「あああああああああああああああああああ!!!!」ガバッ
響「うるさっ」
貴音「…………夢?」
響「ちょっと貴音! まだ電車の中なんだから、いきなり奇声あげないでよ……」
貴音「わたくしは……疲れから、電車内で寝てしまったのですか……」
響「まったく、貴音ってば。……帰り、せっかくだから外で食べて帰るよね? なんにする? やっぱりらぁ」
貴音「うどんで」
響「…………え?」
貴音「うどんで」
響「…………」
おうどん。
明日から缶バッチが販売再開されるそうですね
みなさんもマナーを守って動物園を楽しみましょう
アライさん「アラフェネねっちょりレズ本……?」
貴音「すいっちを押すのです……」
もよろしく
では
乙由実
しかしこのふぇありーこんび、アプリ版をどこまで知ってるのやら
伏せる必要あるのか…?
どのフレンズだったかは忘れたが
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