名を春日未来と言い、天真爛漫を体現したかのような明るい女の子だ
しかし彼女は自覚していない恐ろしい力を持っていた
これは彼女のそんな恐ろしい力の凄まじさを記した日誌である
未来「静香ちゃーん!」
静香「きゃっ、未来、いきなり飛び付いたら危ないでしょ?」
未来「でへへ~」
静香「もう」
未来は人に抱きつく癖がある
生来の甘えたがりなのだ
抱きつかれた少女…同じく765プロのアイドルである最上静香も抱きつかれて満更でもなさそうだった
静香「どうしたの?」
未来「今日ね、志保とお揃いの髪留めを買ったの!ほら、これ!」
そういって未来が紙袋から髪留めを取り出す
静香「へ、へえ~」
未来「すごく可愛いよね、これ!」
静香「そ、そうね」
微妙に引き攣った顔の静香に気付かないまま、未来はもう一つの紙袋からまた別の髪留めを取り出した
静香「それは?」
未来「志保がね、これは私に似合いそうだからって買ってくれたの!でへへ~可愛いよね!」
静香「…そうね」
静香「未来」
未来「どうしたの?」
静香「明日休みだし、髪留めでも見に行かない?」
静香「もっとよく似合う髪留め買ってあげるから」
未来「うん!」
目に闘志を燃やしながら静香が事務所のパソコンを起動した
一方未来はこちらに小走りで駆け寄ってくると
未来「プロデューサーさん!」
P「どうした?」
未来「この髪留め、着けてもらっていいですか?」
P「もちろん、ほら、こっちおいで」
未来「やったー!プロデューサーさんありがとうございまーす!」
P「うん、よく似合ってて可愛いぞ!」
未来「でへへ~、可愛いって言われちゃった」
満足そうに鼻歌を歌いながらソファに寝転がる未来
足をぱたぱたしているのでスカートの中が見えそうだが敢えて口にはしない
何故なら
未来「プロデューサーさんに買って貰ったスパッツ履いてるから大丈夫!」
静香「そういう問題じゃないの」
静香がちゃんと未来のために動いてくれるからだ
未来「あ、そうだ静香ちゃん、明日どこ行く?」
静香「そうね…時間はあるし、ゆっくり色々見てから決めましょ?」
未来「うん!」
その後も騒がしい二人を見ながら、俺は書類整理の続きをするのだった
しかしこの二人も最初から仲が良かったわけではない
未来が積極的に静香と交流し、今の関係を築いたのだ
時間が無いと焦る静香をあっという間に籠絡し、早期に父親との話の決着が着いたのは未来の活躍無しに語れないだろう
しかし最近は静香の父親が未来のファンになったらしく、しきりに静香に未来を家に呼べと言ってくるらしい
春日未来の恐ろしさはこれだけではない
他にもこんなことがあった
志保「…」
難しい顔をして事務所の机で課題と向き合っている少女…765プロのアイドル、北沢志保だ
少し難しい課題でも出ているのか、さっきから全く手が動いていなかった
一応課題の内容は俺のいる場所からも確認出来ており、簡単な引っ掛け問題なのだがそこに気付いていないようだ
未来「おはようございまーす!」
扉を開け、観察対象の未来が事務所に入ってきた
P「おはよう、未来」
志保「おはよう」
未来「あ、プロデューサーさん!志保!おはよう!」
へにゃっとした笑顔で挨拶する未来
可愛い
志保「課題よ、アイドルで忙しくたって学業を疎かに出来ないから」
未来「そっかー、志保は偉いね!」
志保「べ、別にこれくらいは普通だから」
未来「課題かー、そういえば私も宿題出てたっけ?」
志保「私に聞かれても知らないわよ…でも、もし宿題が出てるならやっておいた方が良いと思うけど」
未来「うん!じゃあ私も宿題やろーっと!」
志保「あんまり騒がしくしないなら」
未来「うん!」
そしてノートを開くと
未来「志保~」
志保に泣き付いた
志保「はあ…で、どの問題がわからないのよ」
未来「でへへ~、全部!」
志保「…」
志保が眉間に手を当てて揉みほぐす
未来「うん!」
なんだかんだで世話焼きの志保は未来の宿題の手伝いをするようだ
志保「この問題はこうやって…」
未来「こう?」
志保「そう、次にこの公式を…」
微妙に回りくどい教え方をしている志保
本当はもっと簡単に解けるのだが、それには気付いていないらしい
もっとも微妙にずれているところが不器用沢志保の魅力でもある
ちなみに不器用沢というのは俺が心の中で勝手に着けた渾名である
本人に聞かれたら間違いなく怒られるだろうな
未来「これで合ってる?」
志保「…うん、合ってるわね」
未来「やったー!流石志保!」
志保「未来は飲み込みが早いんだから、普段から勉強すれば良いのに」
志保「これは…ちょっと時間をかけて…その…そう、じっくり解いてるだけよ」
未来「さっき教えてもらったやり方をちょっと変えたら…ほら!」
志保「え?…合ってる」
未来「でへへ~!解けて良かったね!」
志保「…そうね、ありがとう未来」
志保が微笑む
よく怖いだの言われている志保だがなんてことは無い、ただの不器用な女の子なのだ
そして未来はそんな志保を笑顔に出来る
俺は志保が課題を終えたら出そうと思っていたケーキを冷蔵庫から持ってくる
志保「プロデューサーさん、これは?」
P「二人が宿題頑張ってたからな、ご褒美だ」
未来「生クリーム!」
志保「もう…甘やかして…」
そう言いながらも嬉しそうな口調の志保
未来はというと
未来「プロデューサーさん!これ、美味しいです!」
P「そっか、それなら良かったよ」
未来の頭を撫でてやる
未来「でへへ~」
志保「ふふ、そうやってるとなんだか兄妹みたいですね」
P「はは、甘えん坊な妹の相手は大変だ」
P「志保も、甘えて良いんだからな?」
志保「…そうですね、覚えておきます」
一頻り未来を撫でた後、志保の頭も撫でる
抵抗は無かった
俺は仕事に戻りながらも二人の話に耳を傾ける
未来「美味しいね、志保!」
未来「?」
志保「口の周り、クリーム付いてる」
未来「え?どこどこ?」
志保「取ってあげるから…ティッシュは…無い」
志保「仕方ないわね」
志保が指で未来の頬についた生クリームを取る
志保「ほら、取れたわよ」
未来「ありがとう!でもその生クリーム勿体ないから」
パクッと未来が志保の指を咥えた
未来「美味しかった~」
狼狽する志保に対し、未来は何ともなかったかのようにケロッとしている
志保「全く…いきなり人の指を咥えるなんて…」
未来「でへへ~」
志保「はあ…なんだか未来の顔を見てると怒るのが馬鹿らしくなるわね」
志保が呆れたような、だけど優しい声を出す
未来を前にすると誰でも怒気や毒気が抜かれ、笑って許してしまうのだ
これもまた、未来の恐ろしい力の一つだろう
志保「…プロデューサーさん、亜利沙さん、さっきから撮ってる写真、後で消しますからね」
…何故バレたのか
しかし未来はとても良い子なので調子に乗ることも無く、ただ明るく皆と接していく
その明るさに触れれば悩みも吹っ飛んでしまうのだろう
実際志保はよく未来と一緒にいる事が増えた
性格的にストレスも溜まりやすいと思うのだが、そんな事は無く今も元気にアイドル活動をしている
最近は笑顔も増え、未来テラピー(命名亜利沙)の効果が如何に凄まじいものかがうかがえる
【Case3】
その日は雨が降っていた
朝から降っていたのではなく昼過ぎから降り始めたのだ
アイドル達が戻ってきたときのためにタオルを用意しておく
タオルの準備が完了した直後、事務所の扉が開いた
真「ただいま戻りましたー」
P「おかえり、真」
真「プロデューサー、ただいまです」
未来「でへへ~ただいま戻りましたー」
P「お?未来?」
未来「プロデューサーさん!おはようございます!」
P「未来、傘は?」
未来「でへへ~、忘れちゃいました!」
P「おいおい…濡れなかったか?」
真「たまたまボクが事務所に来るときに雨宿りしてる未来を見つけたので拾ってきたんです」
未来「真さんに傘一緒に入れて貰いました!」
P「そうか…ありがとうな、真」
真「いえいえこのくらいは当然ですよ」
P「雨降ってるし、真の現場は車で送るよ」
真「ほんとですか!へへ、やーりぃ!ボク、準備してきますね!」
P「ん、髪が濡れてるな」
未来「降り始めた時に濡れちゃったみたいです!」
P「早く乾かさないと風邪引くぞ?」
未来「あ、じゃあプロデューサーさん、私の髪拭いてください!」
P「俺が?」
未来「はい!」
両手を胸の前でギュッと握り、わくわくしている未来
ブンブン振られている尻尾が見えるようだ
未来の髪をタオルで拭いてやる
未来「でへへ~、プロデューサーさんに頭拭いて貰うの気持ち良いです!」
P「そっか」
わしゃわしゃと髪を拭くと、未来の髪がぐちゃぐちゃになった
P「髪の毛ぐちゃぐちゃになったな」
未来「じゃあじゃあプロデューサーさんが」
P「はいはい」
櫛を取り出して未来の髪を梳く
P「未来の髪は綺麗だな」
P「おう、照れろ照れろ」
未来「♪」
鼻歌を歌う未来の髪を梳き終わったころ、真が戻ってきた
真「プロデューサー、準備できました!」
P「了解」
未来の髪を整えてから立ち上がる
未来「?」
P「そこの棚におやつが入ってるから好きに食べて良いぞ」
未来「ほんとですか!やったー!」
P「あと帰るときに雨降ってたら送ってやるから」
未来「ありがとうございまーす!」
P「それじゃあ真、車回してくるから待っててくれ」
真「はい!」
真を送り届けた後、事務所で少しだけ未来とゲームをしてから家に送り届けた
…違う、おかわりじゃないから、やめろ美奈…
未来はその甘えん坊っぷりを遺憾なく発揮することで誰もが未来を甘やかしたくなる不思議な力を持っているのだ
うちのアイドル、伊吹翼も甘え上手ではあるのだが、未来の甘え上手とは種類が違う
翼が年上に甘えることに特化しているのに対し未来は同年代や年下にも甘えることが出来るのだ
理由として未来はとても庇護欲をそそる性格をしているのが関係していると思われる
逆に手で隠してるときはパンツなんだろうか....
http://i.imgur.com/mYK4J9g.jpg
一旦乙です
>>2
春日未来(14) Vo
http://i.imgur.com/aQyOApp.jpg
http://i.imgur.com/f0PSVeO.jpg
最上静香(14) Vo
http://i.imgur.com/7O1s1qQ.jpg
http://i.imgur.com/CfNZjkM.jpg
>>9
北沢志保(14) Vi
http://i.imgur.com/CEu31ZI.jpg
http://i.imgur.com/SOfcYG2.jpg
>>21
菊地真(17) Da
http://i.imgur.com/UwOGx27.jpg
http://i.imgur.com/GpEGtS2.jpg
そう思わせるのだ
一方で未来と一緒にいるとみんな気が付くと笑顔になっている
未来テラピーの効果なのだろう
みんなから愛され、みんなを笑顔にする
これこそが春日未来の持つもっとも恐ろしい力だ
その凶悪なまでの愛され力により765プロのメンバーは俺も含め骨抜きにされている
そしてみんな、未来を見ると暖かい気持ちでいっぱいになるのだ
P「ん?ああ、業務日誌だよ。未来、業務日誌って何かわかるか?」
未来「ぎょーむの…日誌?」
P「正解!未来は賢いなぁ」
未来の頭を撫でてやる
未来「でへへ~…私、プロデューサーさんに頭を撫でられるの大好きです!」
P「そうか~、俺も未来の頭を撫でるの大好きだぞ~」
未来「両想いですね!」
P「そうだな」
P「おっとそうだった」
未来「ほらほら、一緒に行きましょう!」
未来が俺の手を引っ張る
P「ちょっとだけ待っててな」
俺は未来の観察日誌に研究結果を一文だけ書き足した
P「よし、それじゃあ行くか」
未来「はい!お団子お団子~♪」
未来と一緒に事務所を出る
外は良い天気で、これからの未来を現しているような素晴らしい青空だった
未来「はい!」
P「ありがとうな?」
未来「?良くわかんないですけど、どういたしまして!」
P「よし、それじゃあゆっくり歩いて行くか!」
未来「はい!でへへ~、なんだかデートみたい」
P「そうだな~それもありだな」
俺達は二人で
…いや、53人で、未来へと歩いて行こう
そこにはこう記されていた
観察結果
春日未来は可愛い
53人はミリオンスターズ+P+小鳥+そらさんかな?
乙です
キミィ…
牙の抜けた志保もかわいいなぁ
未来とロコのどちらが犬度高いか調べてみたい
未来ちゃ可愛い
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