真「おはようございまーっす!」
雪歩「! おはよう、真ちゃん」
真「おはよう雪歩! 他のみんなはまだ来てないの?」
雪歩「うん。だからちょっとだけ退屈してたんだ。
真ちゃんが来てくれて良かった……えへへ」
真「あははっ、大げさだなぁ。
でも実はボク、もうすぐにランニングに行こうと思ってて……あ、そうだ!
だったら、雪歩も一緒に来なよ! 走ってれば退屈なんて吹き飛んじゃうから!」
雪歩「ええっ? わ、私が真ちゃんと?」
真「大丈夫大丈夫、自分のペースで走ればいいんだからさ!」
雪歩「そ、そう? それじゃあ自分のペースで……。
で、でもできるだけ、真ちゃんについて行くようにするね!」
真「おっ、いいね! よーっし、ボクも雪歩に負けないように頑張るぞー!」
雪歩「ど、どこまで付いていけるかな……。
あ……でももし、置いていかれちゃったら……」
真「? 雪歩?」
穴掘って埋めちゃうおじさんが後ろを走ってたらどうしよう。
もしかしたら穴掘って埋めちゃうおじさんは、私が疲れるのを待ってるのかも知れない。
それできっと穴掘って埋めちゃうおじさんは、
私が真ちゃんに置いて行かれて一人になったら、隣に来て手を掴んで一緒に走り出すんだ……。
埋めちゃうおじさん「さぁさぁ、伴走するよ。こっちに行こうね」
そうやって私をお年寄りのウォーキングコースまで連れて行って、
私はそのすぐそばに穴掘って埋められちゃうんだ……。
埋めちゃうおじさん「走るのが遅い子は、ウォーキングコースに穴掘って埋めちゃおうね~」
・
・
・
雪歩「ひぃ~~~~~ん! もうダメですぅ~~~~~~~!」
真「居ないよそんな人!!」
春香「おはようございまーす!」
雪歩「あ、おはよう春香ちゃん」
春香「おはよう雪歩。今日も冷えるねー」
雪歩「あ、じゃあ私お茶入れるね! ちょっと待ってて」
春香「! それなら、お菓子と一緒に食べようよ!
私、今日クッキー作ってきたんだー。和風クッキーだから、きっと日本茶にも合うよ!」
雪歩「わあ、ありがとう春香ちゃん!」
雪歩「は、春香ちゃん大丈夫!?」
春香「いたたたた……またコケちゃった。ごめんね、心配かけて。
いつも通り怪我はないから大丈夫、大丈夫!」
雪歩「そ、そっか。でもすごいね、春香ちゃん。
いつもあんなに派手にこけてるのに怪我しないなんて……」
春香「あはは……まぁ、何回もこけてる内に、こけかたが上手になったのかも」
雪歩「そういうものなの……?
私なんてダンスレッスンの時はしょっちゅうこけて……あ、でもそれって……」
春香「? 雪歩?」
もしかしたら、小さな穴掘って埋めちゃうおじさんが、
私たちのことをこけさせてるのかも知れない……。
埋めちゃうおじさん「さぁ、どんどんこけさせちゃおうね~」
そうやって穴掘って埋めちゃうおじさんは、私たちにこける練習をさせてるんだ。
でも春香ちゃんみたいにこけ方が上手になった子はいいけど、
私みたいないつまでも下手くそな子は、きっと穴掘って埋められちゃうんだ……。
埋めちゃうおじさん「いつまでたってもこけ方が下手な子は、どんどん穴掘って埋めちゃおうね~」
・
・
・
雪歩「ひぃ~~~~~ん! もうダメですぅ~~~~~~!」
春香「そんな人居ないよ!!」
伊織「は~、疲れた。今日はなかなかハードだったわね」
雪歩「う、うん……。お疲れ様、伊織ちゃん。
でもすごいね……なんだかまだまだ余裕がありそうな感じで」
伊織「当然よ。私がこの程度でバテるはずないでしょ? にひひっ!
だけど、最近雪歩も結構体力ついてきたんじゃない?
昔のあんたならこれだけ動けばもっとバテバテになってたわよ」
雪歩「そ、そうかな? えへへ……だったらいいな」
伊織「この伊織ちゃんが言うんだから自信持ちなさいよね!」
そうだ! 伊織ちゃん喉渇いてるでしょ? 私、お茶入れようか?」
伊織「あら、気が利くじゃない。でも遠慮しておくわ。
もう下に迎えが来てるみたいなの。
だから悪いけど、私はここで失礼させてもらうわね」
雪歩「あ、そうなんだ……。迎えって、いつもの執事さん?」
伊織「ええ。もしこの後予定ないなら、あんたもついでに乗せていってあげましょうか?
どうせ急ぐ用事もないし、ちょっとくらいなら寄り道したって構わないわよ」
雪歩「ええっ!? い、いいの? あっ、でも……もしかしたら……」
伊織「? 雪歩?」
新堂「伊織お嬢様」
だけどもし私が乗った時に居たのが執事さんじゃなくて、
穴掘って埋めちゃうおじさんだったらどうしよう……。
埋めちゃうおじさん「伊織お嬢様」
穴掘って埋めちゃうおじさんは車を運転して、
私と伊織ちゃんをどこか知らない所に連れて行っちゃうんだ。
そこで私たちは二人一緒に、穴掘って埋められちゃうんだ……。
埋めちゃうおじさん「さぁ~、車に乗って帰る子はどんどん穴掘って埋めちゃうからね~」
・
・
・
雪歩「ひぃ~~~~ん! もうダメですぅ~~~~~~!」
伊織「居ないわよそんな奴!!」
響「はいさーい!」
雪歩「あ、おはよう響ちゃん」
響「うん、おはよう雪歩! 今日はまだ他に誰も来てないのか?」
雪歩「そうだね。スケジュールを見た感じだともうしばらくは誰も来ないみたい」
響「そっか。あ、それより聞いてよ雪歩!
自分昨日、久しぶりに家族全員で出かけたんだ! すごいでしょ!」
雪歩「家族全員って……ええ!? ペットの子たちみんなで!?」
ワニ子なんかは特に、普通に出かけるのは難しいし」
雪歩「そ、そうだよね。でも、みんな一緒に出かけたんだよね?
勝手にはぐれちゃったりする子は居なかったの?」
響「そんなのあるはずないぞ! みんなすっごくいい子なんだから!
まぁ、ケンカした時なんかは怒ってどっか行っちゃう時もあるけど……。
でも普段は仲良しだし、なんくるないさー!
昨日だって、自分が『整列ー!』って言ったらちゃんと一列に並んでくれたんだぞ!」
雪歩「へーっ、すごいね! ちょっと見てみたかったかも。
どんな感じなんだろ? 色んな動物が並んでるのって……。
あ……でもそこに私が居たらきっと……」
響「? 雪歩?」
私がちょっと離れてるところで見てたら、
きっとそこに穴掘って埋めちゃうおじさんがやって来るんだ……。
埋めちゃうおじさん「うんうん、可愛い動物たちだね~」
でも穴掘って埋めちゃうおじさんは、こっそり見てる私に気づいて……
埋めちゃうおじさん「おや? 動物じゃない子が混ざってるみたいだね。
動物じゃない子は、こっちに来ようね」
そうやって、私を連れて行っちゃうんだ。
それで私はそのまま穴掘って埋められちゃうんだ……。
埋めちゃうおじさん「さぁ~、動物じゃない子は、どんどん穴掘って埋めちゃおうね~」
・
・
・
雪歩「ひぃ~~~~~ん! もうダメですぅ~~~~~~~!」
響「そんな奴居ないさー!!」
律子「おはようございまーす」
雪歩「あ、律子さん。おはようございま……って、あれ? 律子さんその髪……」
律子「あら、気付いてくれた? ちょっと髪型を変えてみたの」
雪歩「き、気付きますよぅ。だって、今までと全然違うって言うか。
前のも可愛かったですけど、今回のはなんだか、すっごく綺麗って感じですぅ……」
律子「ふふっ、ありがとう。ちょっとした気分転換のつもりだったけど、
そうやって褒めてもらえるとやっぱり嬉しいわね」
だとするとイメージチェンジにも成功したってことかしら」
雪歩「イメージチェンジ、ですか?」
律子「ええ。あ、そうだわ。雪歩もやってみたらどう?」
雪歩「えっ? わ、私ですか? でも私、そういうのはよく分からないっていうか……」
律子「ちょっと髪を束ねてみたりするだけでも案外変わるものよ。
それにこれもアイドルの勉強だと思って、ね?」
雪歩「で、でも私が髪型を変えたりなんかしたら……もしかしたら……」
律子「? 雪歩?」
遠くから見たら髪型くらいでしか私だって気付いてもらえなくて……。
髪型を変えたりなんかしたら、違う人に間違われちゃうんだ。
だから、もしかしたら穴掘って埋めちゃうおじさんにも間違われちゃうかも知れない……。
埋めちゃうおじさん「あの髪型は、次に埋めちゃう予定の子だね~」
私は違うって何回も言うんだけど、
穴掘って埋めちゃうおじさんは全然聞いてくれないんだ。
私は勘違いされたまま、穴掘って埋められちゃうんだ……。
埋めちゃうおじさん「さぁさぁ、悪い子はどんどん穴掘って埋めちゃうからね~」
・
・
・
雪歩「ひぃ~~~~~ん! もうダメですぅ~~~~~~~~!」
律子「居ないわよそんな人!!」
雪歩「お日様がぽかぽかで気持ちいいなぁ。
こんな日はゆっくり縁側でお茶でも……って、あれ?」
亜美「ごろごろにゃ~ん、よーしよしよしよし……。と、ここでひっくり返す!」ゴロン
真美「おっ、この子は雌だね。いや~ん、せくちーポーズ!」
雪歩「ふ、二人とも何してるの……?」
亜美「あっ、ゆきぴょんだ!」
真美「やっほーゆきぴょん。元気ー?」
亜美「んっふっふ~。野良猫をひっくり返して雄か雌か確かめてたんだよ~」
雪歩「ああ……そう言えば昔よくやってたね。まだやってたんだ……」
真美「そりゃ~やりますとも! やらなきゃ野良猫に失礼だもんねー!」
亜美「ねー!」
雪歩「そんなことはないと思うけど……。
……でも、ひっくり返して確かめるって……もしかしたら……」
亜美真美「「? ゆきぴょん?」」
その子が埋める予定の子なのかそうじゃないのかを
夜な夜なひっくり返して確かめてるのかも知れない。
埋めちゃうおじさん「この子は埋めない子」ゴロン
埋めちゃうおじさん「この子も埋めない子」ゴロン
いつかきっと私の家にもやって来て、寝てる間に私もひっくり返されちゃうんだ。
それで……
埋めちゃうおじさん「この子は埋める子だね。さぁさぁ、どんどん穴掘って埋めちゃおうね~」
知らない間に、穴掘って埋められちゃうんだ……。
・
・
・
雪歩「ひぃ~~~~~ん! もうダメですぅ~~~~~~~!」
亜美真美「「そんな人居ないよ!!」」
千早「おはようございます」
雪歩「あ、千早ちゃん。おはよう」
千早「ええ、おはよう萩原さん」
雪歩「って、あれ……?
確か千早ちゃんのレッスンって午後からだったよね。事務所に何か用事?」
千早「いえ、そういうわけではないのだけど。
早めにレッスン場へ行って発声だけでもしておこうと思って」
千早「そんなことはないわ。発声なら毎朝やってることだし」
雪歩「ええっ、そうなの? 毎朝って、特に歌の仕事やレッスンがない時もだよね。
や、やっぱりすごいなぁ……」
千早「そういう萩原さんも、最近は体力をつけるためにジョギングをしているんでしょう?」
雪歩「そうだけど、ジョギングは千早ちゃんだってやってるし、毎朝発声なんて私には……。
でも千早ちゃんの発声練習って、それだけでも聞いてて気持ちいいんだろうなぁ。
あ、だけど……」
千早「? 萩原さん?」
もしかしたら穴掘って埋めちゃうおじさんたちがどんどん集まってくるのかも知れない……。
それで集まってきた穴掘って埋めちゃうおじさんたちは、千早ちゃんに合わせて合唱するんだ……。
埋めちゃうおじさん「埋めちゃおうね~♪」
「埋めちゃおうね~♪♪」
「埋めちゃおうね~♪♪♪」
埋めちゃうおじさんたち「「「埋めちゃおうね~~~~~~♪♪♪♪」」」
もしそこに私が通りがかったら、
たくさんの穴掘って埋めちゃうおじさんたちは私を運び出して……
埋めちゃうおじさんたち「「「「さぁ~、どんどん穴掘って埋めちゃおうね~~~~~♪」」」」
歌いながら穴掘って埋められちゃうんだ……。
・
・
・
雪歩「ひぃ~~~~~ん! もうダメですぅ~~~~~~~~!」
千早「そ、そんな人は居ないわ!」
やよい「うっうー! おはようございまーっす!」
雪歩「あ、おはようやよいちゃん」
やよい「雪歩さん! はい、おはようございまーす!」
雪歩「あはは、やよいちゃんは今日も元気だね。なんだかいつもより元気な気もするよ」
やよい「えへへっ、わかりますか~? 実は……じゃじゃーん! これ見てください!」
雪歩「わっ、すごく大きな袋! 中身は……ぜ、全部もやし!?」
もやしの大安売りをやってたんです!
だから今日は、とびきりのもやしパーティができますー!
いえ、これだけあれば明日も明後日もできちゃいます!」
雪歩「す、すごいね。でもよくそんなに大きな袋、持ってこられたね」
やよい「このくらいなら平気ですよー?
私、買い物袋を持って歩くのは慣れてますから!」
雪歩「私だったら途中で疲れるか、うっかり破っちゃいそう……。
……もし破っちゃったら……」
やよい「? 雪歩さん?」
ダメダメな私はもやしを入れてる袋をどこかに引っ掛けちゃうかも知れない。
そしたら袋が破れて、そこからどんどんもやしが落ちちゃって……
それを穴掘って埋めちゃうおじさんに見つかっちゃうんだ……。
埋めちゃうおじさん「この先に、もやしを落としていった子がいるね」
点々と続くもやしを目印に、
穴掘って埋めちゃうおじさんは私の家までやって来て……
埋めちゃうおじさん「もやしを落としちゃう子は、穴掘って埋めちゃおうね~」
たくさんのもやしと一緒に、穴掘って埋められちゃうんだ……。
・
・
・
雪歩「ひぃ~~~~~ん! もうダメですぅ~~~~~~~!」
やよい「そ、そんな人居ませんー!」
あずさ「おはようございます~」
雪歩「あずささん、おはようございますぅ」
あずさ「あら雪歩ちゃん、おはよう。今日はまだ雪歩ちゃん一人?」
雪歩「はい。あずささんは、伊織ちゃんと亜美ちゃんとは一緒じゃないんですか?
今日は確か三人でお仕事でしたよね?」
あずさ「えぇ、そうなんだけど。私ったらいつも迷子で遅くなっちゃうから、
今日はいつもより早く来てみたの~」
ほとんど毎日通ってる道ですよね……?」
あずさ「そうなのよね、そのはずなんだけど……不思議だわ~。
あ、でも毎回迷子になってるわけじゃないのよ?
時々は、ちゃんと迷わずに来られる時もあるの。うふふっ」
雪歩「そ、そうなんですか。大変ですね……」
あずさ「この前なんか伊織ちゃんに、
『そこまで来ると逆に今まで生きてこられたのがすごい』って褒められちゃって……。
あ、でもそれで喜んだら『褒めてない』って怒られちゃったんだったわ。
う~ん、難しいわね~。なぞなぞかしら~?」
雪歩「いやなぞなぞじゃないと思いますけど……。
でも、どうして同じ道なのに迷子になったりならなかったりするんでしょうか……?
……もしかしたら……」
あずさ「? 雪歩ちゃん?」
頭のアンテナから電波を飛ばして、それで事務所の場所を探してるのかも知れない……。
あずさ「あらあら~、あっちね~」ピピピピッ
でも時々、電波が私みたいな子にぶつかったりすると、
事務所の場所が見つからなくなっちゃうんだ。
あずさ「あらあら~、困ったわ~」ピピ…
そしたら電波の邪魔をした私のところに穴掘って埋めちゃうおじさんが来て、
私のことを穴掘って埋めちゃうんだ……。
埋めちゃうおじさん「さぁ~、電波を遮る子はどんどん穴掘って埋めちゃおうね~」
・
・
・
雪歩「ひぃ~~~~ん! もうダメですぅ~~~~~~!」
あずさ「あ、あらあら~……」
雪歩「お疲れ様でした、失礼しますぅ」
貴音「……」
雪歩「あれっ? あそこに立ってるのは……」
貴音「おや、雪歩……。今帰りですか? お疲れ様です」
雪歩「あっ、は、はい。お疲れ様ですぅ。
えっと、何かあったんですか? 空を見上げてたみたいですけど……」
雪歩「わあ、本当だ……。すごく綺麗な月ですね。うさぎさんも、あんなにはっきり……」
貴音「うさぎ、ですか……ふふっ。真、不思議なものですね。
何も知らずにあの影を見てもそうは見えないでしょうに、
うさぎが餅をついていると言われれば、確かにそう見えるのですから」
雪歩「確か外国では他にも色んな見え方があるんですよね?
その人たちにとっては、月に居るのはうさぎじゃなくて……。
あ……でも……」
貴音「? 雪歩?」
穴掘って埋めちゃうおじさんが穴を掘ってるところなのかも知れない。
月のクレーターは、穴掘って埋めちゃうおじさんが掘った穴なのかも知れない……。
埋めちゃうおじさん「さぁさぁ、どんどん掘っちゃおうね」
それで、きっとそのことに気付いた子は、
穴掘って埋めちゃうおじさんに月まで連れて行かれちゃうんだ……。
埋めちゃうおじさん「君は気付いてしまったね。さぁ、一緒に行こうね~」
そしたらそのまま、クレーターの中に埋められちゃうんだ。
地球の人たちはそうとも知らずに、
月の影はうさぎさんが餅をついてるんだと思い続けるんだ……。
埋めちゃうおじさん「さぁ~、気付いちゃった子はどんどん埋めちゃおうね~」
・
・
・
雪歩「ひぃ~~~~~ん! もうダメですぅ~~~~~~~~!」
貴音「面妖な……」
美希「おはようなのー」
雪歩「あ、おはよう美希ちゃん」
美希「おはよ、雪歩」
雪歩「あれ……? 美希ちゃん、その服もしかして新しく買った?
初めて見る気がするけど……」
美希「! へー、雪歩なかなか鋭いの!
そうだよ、昨日買ったばっかりなの。どう? 似合ってる?」
雪歩「うん、美希ちゃんらしくてすっごく可愛い!」
オシャレとかファッションとか、私はあんまり得意じゃないから……」
美希「あはっ☆ ありがとうなの! でも大変だったんだよ?
これ買ったお店の店員さん、全然ゆっくり選ばせてくれなかったの。
まだ考えてる途中なのにしつこく、これはどうですかこっちはどうですかーって」
雪歩「あ~……時々居るね、そういう店員さん。私もちょっと苦手かも……」
美希「だからミキ怒っちゃって、『見てるだけだからほっといて!』って言っちゃった。
まー、結局色々買ったんだけどね。あはっ☆」
雪歩「お、怒ったんだ。すごいなぁ……。
私は多分そういうのは無理だから……あ、でも……」
美希「? 雪歩?」
一人くらい穴掘って埋めちゃうおじさんが紛れ込んでるんだ……。
しつこい店員さん「何かお探しですか?」
しつこい店員さん「何かお探しですか?」
埋めちゃうおじさん「何かお探しですか?」
それで私みたいなはっきり断りきれない子は、そのままお店の外に連れて行かれちゃうんだ。
埋めちゃうおじさん「探してるものはこちらですからね~」
ずーっとずーっと遠くまで連れて行かれて、
誰もいないところまで来たら、穴掘って埋められちゃうんだ……。
埋めちゃうおじさん「さぁ~、はっきり断れない子は、どんどん穴掘って埋めちゃおうね~」
・
・
・
雪歩「ひぃ~~~~~~ん! もうダメですぅ~~~~~~~!」
美希「雪歩はどうしてそうなっちゃったの……?」
雪歩「おはようございますぅ」
小鳥「あ、おはよう雪歩ちゃん。今日は早いのね」
雪歩「はい、ちょっと早起きしちゃったから……。……」
小鳥「……? あの、雪歩ちゃん? どうして私の顔をじっと見て……はっ!
も、もしかして今朝食べたあんころ餅のあんこが口の周りに……!?」
雪歩「えっ? あ、い、いえ! 違いますぅ!
何も付いてないっていうか、強いて言えばホクロが付いてるっていうか……」
小鳥「え? ホクロ?」
口の斜め下にあるホクロは艶ボクロって言って、セクシーなホクロだって」
小鳥「あ、あぁ……なんだ、そうだったのね」
雪歩「でも……確かに小鳥さん、セクシーですよね。
事務所で一番お姉さんなのもありますけど、それだけじゃないっていうか……」
小鳥「や、やだ雪歩ちゃんったら。あんまり褒められるとお姉さん恥ずかしいわ」
雪歩「もし私にホクロがあったら、ちんちくりんな私もセクシーに……。
……ううん、でももしかしたら……」
小鳥「? 雪歩ちゃん?」
穴掘って埋めちゃうおじさんが生まれたばかりの赤ちゃんに付けて回ってるのかも知れない。
そうやって、セクシーな女の人にしようとしてるのかも知れない……。
埋めちゃうおじさん「セクシーになろうね。セクシーになろうね」ピトッ ピトッ
それで、セクシーに成長した赤ちゃんを見て、
穴掘って埋めちゃうおじさんは満足するんだ……。
だけどもし私みたいな子にホクロが付けられて、
セクシーじゃなくてちんちくりんな子に成長しちゃったら……
埋めちゃうおじさん「セクシーじゃない子には、ホクロはいらないね」ブチッ
ホクロをもぎ取られて、そのまま穴掘って埋められちゃうんだ……。
埋めちゃうおじさん「さぁ~、セクシーにならなかった子はどんどん穴掘って埋めちゃうからね~」
・
・
・
雪歩「ひぃ~~~~~ん! もうダメですぅ~~~~~~~!」
小鳥「雪歩ちゃんの妄想こわっ!!」
P「え? 穴掘って埋めちゃうおじさん?」
雪歩「そうですぅ……私みたいな子は、穴掘って埋められちゃうんですぅ……」
P「……雪歩のネガティブもここまで極まったか……」
雪歩「ひ、酷いですプロデューサー! そんな言い方あんまりですぅ!」
P「っと、悪い悪い……。でもな、雪歩。冷静に考えてみろ。
その穴掘って埋めちゃうおじさんとやらは、
今まで一度だって雪歩の前に現れたことがあったか?」
P「だろ? つまり穴掘って埋めちゃうおじさんなんてのは存在しないんだよ」
雪歩「……そっか、穴掘って埋めちゃうおじさんは居ないんですね……」
P「そうだ、わかってくれたか?
わかってくれたならそのスコップをしまいなさい。危ないから」
雪歩「……でも、居てもらわないとダメなんです……。
穴掘って埋めちゃうおじさんには、居てもらわないと困るんです」
P「え?」
雪歩「穴掘って埋めちゃうおじさんが居ないんだったら仕方ないですぅ……。
私が、穴掘って埋めちゃうおねえさんになりますぅ」
P「!? お、お前、何を……まさか……!」
雪歩「さぁ~、穴掘って埋めちゃうおじさんを信じない
ダメダメなプロデューサーは、穴掘って埋めちゃいましょうね~」
・
・
・
P「うわぁ~~~~~~! もうダメだぁ~~~~~~~~~!」
雪歩「私そんなんじゃないですぅ!!」
おしまい
さぁ、こんな意味不明なSSを書く>>1はどんどんしまっちゃおうね
無面白
穴掘って埋めちゃうおじさん…雪歩の実家…
いやまさかな
しまっちゃうおじさん好きだったなぁ
コンクリで足固めて海に沈めちゃうおじさんかな?
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