エロ要素は全くありません
「はい…え、このみさん、ですか?えっと…それは本人に聞いてみないと…あの?もしもし?」
電話は、用件だけを早口で告げて、プツンと切れてしまった。
「プロデューサー、どうしたの?」
「このみさん、仕事の依頼が来たんですけど、ファッションカタログの、モデルになってくれないかとのことなんですが」
「あら、いいじゃない。で、どこからの仕事なの?」
ファッションの仕事と聞いて、馬場このみは乗り気になって聞いてきた。
143cmの身長、卵のようなすべすべ肌、幼い顔立ちは、24歳というより、その半分以下の年齢と言われても何の違和感もない。
そのため、こういう仕事とは無縁だと思っていたところでの仕事の依頼は、このみのやる気を掻き立てた。
「はい、○×△というところなんですが…聞いたことあります?」
プロデューサーが首をかしげる。
このみも心当たりがないか、自身の記憶を確かめてみるが、見たことも聞いたことも無いブランドだった。
「うーん…なんか怪しい…でも、アイドルになったばかりで仕事の依頼が来たんだから、この機会を逃す訳にはいかないわね」
「そうですか、じゃあさっきのところに折り返し連絡しときます」
「ふふふっ、私のアダルティでセクシーな魅力を、世界に発揮するチャンスね」
このとき、この仕事がこのみにとってどうなるのかを、二人はまだ知らなかった。
このみは、カーナビの地図で示された場所にたどり着いた。
「そうみたいね」
依頼を受けたブランドについて調べてみたが、ネットには見つからず、結局謎のままであった。
しかし、もしこれが新規のブランドで、765プロの名前を売りに出すことができたら、他のシアター組にも仕事の依頼が来るかもしれない。
そう考え、他の仕事をおして、この日はプロデューサーも同伴してきたのだった。
スタジオに入ると、セットを組んでいる途中のようだった。
「おはようございます。765プロから参りました、Pです」
「おはようございます。同じく765プロ所属の、馬場このみです。本日はよろしくお願いします。」
挨拶をすると、カメラマンと打ち合わせをしていた、若い女性がこちらに来た。
「おはようございます。」
電話で聞きた声だった。
「先日は急いでいましたもので、急なオファーですみません。えっと、このみちゃんだよね?挨拶できてえらいね、今日はよろしくね!」
「こ、このみ…ちゃん…」
このみの顔がひきつった。
「今回の撮影は、まだ公に発表はされてないんですけど、なんと、大手会社のXXと、有名なファッションデザイナーの協力で新たなキッズブランドを立ち上げることに、なったんですよ!コンセプトは、キュートに、そしてカラフルに!」
このみは、呆然としてその担当者の話を聞いていた。
「まだ公にするわけにもいかない企画で、オーディションとかもできなくて…そんなときに、765プロさんのアイドルに適役な子がいて!」
なんとなく事情を察したプロデューサーは、おかしくて笑いをこらえるのに必死だった。
「じゃあこのみちゃん、控え室に、かわいい服があるから、お姉さんと一緒に着替えにいこっか」
「か、かわいい…」
そう言って、二人は控え室に向かっていった。
学習机、教科書、ベッド、パステルカラーに統一された内装、そして…赤いランドセル。
「…これは…」
「お待たせしましたー!」
着替えが終わり、二人がスタジオに戻ってきた。
着替え後のこのみを見て、プロデューサーは吹き出しそうになった。
パステルブルーの布地にラメの入った文字が印刷された、首もとが開いたシャツ。
首もとに覗かせてる白のキャミソールの紐。
フリルのついたピンクのミニスカートに、ニーハイソックス。
三つ編みだった髪は、ツインテールになっていて、誰から見てもせいぜい小学校高学年くらいの容姿だった。
ハイテンションな女性担当者と、顔を真っ赤にしてスカートの裾をぎゅっと握って震えていた。
「やっぱり、これ以上ないってくらいに似合ってますね!」
「は、はは…」
「うぅ…」
笑うしかないプロデューサーと、恥ずかしさやらなんやらで俯いて震えるしかないこのみであった。
「それじゃあ、撮影お願いします」
女性がカメラマンのところへ向かう。
「大丈夫ですか?」
プロデューサーが、こっそりとこのみに尋ねる。
「恥ずかしいけど…やるしかない、わね…」
観念したかのように、このみは撮影に臨んだ。
カメラのシャッター音が鳴る。
撮影中に何か愚痴を言うこともなく、カメラマンの指示にしたがっているのは、プロ意識からなのか、大人だからなのか。
「いや~このみちゃん、似合ってますね~」
「ええ、まあ…」
「そういえば最近の子って、おませさんが多いんですかね?なんか大人っぽい下着を…」
女性の担当者は、そこまでで言うのをやめた。
そのあと、何回か着替えては撮影を繰り返し、担当者が写真を選び、プロデューサーがNGショットが無いかをチェックして撮影は終わった。
「お、お疲れさまでした~…」
体力的にも、精神的にも疲れたようで、気のない挨拶だった。
「お疲れさま、このみちゃん。どう?気に入ったのがあったら、持っていってもいいよ?」
「うぅ…私は…私は…」
すかさず、プロデューサーのフォローが入る。
「えっと、このみさん、疲れてるみたいなので、とりあえずこの辺で…」
「そうですか…じゃあ、これ持っててくださいね」
そう言って、半ば強引に、撮影で使った衣装を紙袋に入れて渡された。
「24歳なのに…セクシーでアダルティーなレディなのに…」
「ま、まぁこのみさん、機嫌悪くしないでください。今回の撮影で結構気に入って貰えたし、撮影で使った衣装も、なん着かいただけたんですから。」
「プロデューサー、まさか私に、またその衣装を着ろということかしら?」
まさに、子供のような拗ねかただった。
プロデューサーは、後部座席からの恨み辛みを、劇場につくまで聞かなければならなかった。
「このみさん、見ますか?」
プロデューサーが、このみにカタログを差し出す。
「見ないわよ!」
「でも、アイドルになってから宣材以外の、初めての写真の仕事ですよ。ちょっとくらいは見てもいいんじゃないですか?」
そう言うと、このみは渋々とカタログを手にとった。
カタログを開くと、このみの生き生きとした写真が、カタログに載っていた。
このみ本人にとっては、不本意な仕事ではあったが、アイドルとしての一歩を踏み出せたと、プロデューサーは確信していた。
このみ自身も、カタログを見ているうちにそう感じたらしく、穏やかな表情で言った。
「はぁ、こういうのを見せられるとねえ、悔しいけど…次はアダルティな仕事を頼むわよ、プロデューサー!」
「勿論ですよ、次こそは…」
また、事務所の電話が鳴った。
「すみません、はい、765プロです。…え、このみさんに?…ちょっと待ってください…」
保留ボタンを押して、プロデューサーはため息をついた。
「どうしたの?プロデューサー」
「今度は別のキッズブランドのところから、このみさんにオファーが…」
「そんな…」
このみの望むような仕事が来るのは、どうやらまだまだ先になりそうだった。
そして、カタログのこのみの紹介が、24歳が14歳になっていることを気づくのも…
エロシチュが思い浮かばなかったのが悔しい
乙です
>>2
馬場このみ(24)Da/An
http://i.imgur.com/WEmXfoY.jpg
http://i.imgur.com/oz6p1Po.jpg
ミリオンはサービス開始から1ヶ月でこのみさんにランドセル背負わせたからな…
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