【ミリマス】765学園物語HED √SSL(N)

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1 :BSP ◆p7PT31uvn8zf [sage]:2017/05/04(木) 00:29:24.04 ID:w82N8b0Ao
朝、目を覚ます

夢を見ていた

女の子と一緒に同じ夢を掴む夢

俺達はあの夢の向こうへ辿り着けたのだろうか

体を起こして伸びをする

そのまましばらくぼーっとしていると腹の虫が鳴った

普段は特に考えないのだが、何故か今日はだけは

うどんが食べたかった

2 :BSP ◆p7PT31uvn8zf [sage]:2017/05/04(木) 00:41:17.46 ID:w82N8b0Ao
志保「戸締まり、出来ました」

P「よし、行くか」

海美「ゴーゴー!」

従妹の北沢志保、幼なじみの高坂海美と一緒に家を出る

少し早めで、ゆったりとした朝だ

海美「しほりんとこうやって一緒に学園に行くってなんか新鮮!」

志保「そうですね、私もです」

楽しそうに話す2人を見ながら歩く

しばらく歩いているとどこかから声が聞こえてきた
3 :BSP ◆p7PT31uvn8zf [sage]:2017/05/04(木) 00:44:55.08 ID:w82N8b0Ao
「おはよう静香ちゃん!」

「おはよう未来」

「あれ?なんだか眠そう」

「ちょっと変わった夢を見たから寝不足なのよ」

「変わった夢?」

「ええ、変わってるけど…その夢は私に勇気をくれたの」

「なんか良くわかんないけど良かったね!」

「ええ、あの温もりがあれば私は頑張れる…そんな夢だったわ」
4 :BSP ◆p7PT31uvn8zf [sage]:2017/05/04(木) 00:51:08.89 ID:w82N8b0Ao
P「…」

海美「P、どうしたの?」

P「いや、何でも無い」

海美に呼ばれ意識を逸らす

聞き覚えのある、とても懐かしい気持ちになる声だった

誰の声だったかな…

海美達と通学を再開する

声はもう聞こえなかった
5 :BSP ◆p7PT31uvn8zf [sage]:2017/05/04(木) 00:57:02.93 ID:w82N8b0Ao
昼休み

冬馬「珍しいな、うどんなんてよ」

P「今日は妙に食いたくてな」

翔太「そういうときあるよね~」

海美「私にも一口ちょうだい!出来ればあーんして!」

P「阿呆」

冬馬、翔太、海美の三人と学食に来ていた

この三人とはクラスが離れてしまったので少し残念だ

「あ、海美ちゃん海美ちゃん」

海美「あ、美奈子先生!」

P「ん?」
6 :BSP ◆p7PT31uvn8zf [sage]:2017/05/04(木) 01:01:42.80 ID:w82N8b0Ao
今年のクラスメイト、佐竹美奈子さんが海美に近付いてきた

美奈子「今日ならうちが使えるけど、どうする?」

海美「うん!行く!」

美奈子「わかった、じゃあ待ってるね?」

海美「あ、そうだ、Pも連れて行って良い?」

美奈子「周防くんを?うん、私は構わないよ!」

海美「P!と言うわけだから!」

P「いやどういうわけだよ」
7 :BSP ◆p7PT31uvn8zf [sage]:2017/05/04(木) 01:07:21.83 ID:w82N8b0Ao
美奈子「実は海美ちゃん、うちで料理の練習してるの」

P「そうなのか」

海美「うん!」

美奈子「最近上手になってきたよね」

海美「たまに焦がさなくなったからね!」

P「ほう」

それは確かに凄い進歩だ

海美「と言うわけでPにも食べさせてあげたいから来て欲しいな~」

P「仕方ないな」

それくらいなら付き合ってやるか
8 :BSP ◆p7PT31uvn8zf [sage]:2017/05/04(木) 01:19:06.50 ID:w82N8b0Ao
美奈子「じゃあ今日の放課後、佐竹飯店で待ってるね?」

海美「うん」

佐竹さんはそういうと厨房へ戻っていった

翔太「海美ちゃん、料理出来たんだ」

冬馬「マジかよ…2年前までは炭の錬金術師だったのにすげぇな」

海美「私だって成長してるからね~」

海美が得意そうに胸を張る

P「何でも良いけど、そろそろ食わないと昼が終わるぞ」

冬馬「っとやべえな」

海美「いそご!」

騒がしい昼食を楽しんだ
9 :BSP ◆p7PT31uvn8zf [sage]:2017/05/04(木) 01:24:44.02 ID:w82N8b0Ao
放課後、俺達は約束通り佐竹飯店に来ていた

海美「美奈子先生!来たよ!」

P「お邪魔します」

美奈子「いらっしゃい海美ちゃん、周防くん」

制服の上からエプロンをつけた佐竹さんが出て来た

よく似合っている

海美「今日は何を作ろっかな~」

美奈子「ちょっと難しめのものでも良いかもしれないね」
10 :BSP ◆p7PT31uvn8zf [saga]:2017/05/04(木) 01:26:32.84 ID:w82N8b0Ao
一旦ここまで
11 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/05/04(木) 01:28:37.99 ID:sUeTf0g60

そういや主人公の名字 周防だったな
12 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/05/04(木) 01:43:51.05 ID:S+Nnj85Oo
乙乙
美奈子Pだから期待してる
13 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/05/04(木) 01:45:51.96 ID:NIpzBakr0
せやかて周防

更新お疲れ様です
今回も楽しみです
14 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/05/04(木) 07:31:10.33 ID:/LcO/a0Qo
美奈子ルートだわっほーい!
15 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/05/04(木) 08:27:34.08 ID:Togh6M2Io
食べるとジャリジャリ音がしたり2つに1つはまともな味がするマドレーヌだったっけか、ゲームだと
16 :BSP ◆p7PT31uvn8zf [saga]:2017/05/04(木) 22:40:21.52 ID:w82N8b0Ao
美奈子「時間も時間だし、お菓子とかどうかな?」

海美「お菓子作り!女子力修行の基本だね!」

美奈子「うん、修行かどうかはわからないけどね」

海美「実は私マドレーヌ作ったことあるんだ~」

海美「Pにも食べて貰ったよね?」

P「あれマドレーヌだったのか」

何を作ったのか言わないし何をどうやったのかわからないが炭だったからわからなかったぞ

…全部食べたけど
17 :BSP ◆p7PT31uvn8zf [saga]:2017/05/04(木) 22:59:23.49 ID:UFOMaRJ8O
美奈子「あはは…じゃあ準備しよっか」

海美「うん!」

美奈子「あ、周防くんは適当に寛いでて?」

P「ああ」

エプロンをつけている佐竹さんと海美を眺める

やはりエプロン女子は良い物だ

キッチンへ向かう2人を見送った後、俺はソファに座った

特に深く考えずに着いてきたがよく考えると知り合ったばかりの女子の家にあがってるんだよな…

そう考えるとあまり落ち着かない
18 :BSP ◆p7PT31uvn8zf [saga]:2017/05/04(木) 23:42:22.02 ID:w82N8b0Ao
P「けど…」

何だろう、懐かしい匂いがする気がする

昔、ずっと昔にもこんな匂いを感じたことがあったような…

なんだったかな

記憶を辿ってみるも思い当たらない

やがて頭痛がしたので考えるのをやめた

P「ん?」

ふとテレビの方を見ると写真が飾ってあった

そこには楽しそうに笑う男性と女性、そして小さな女の子が写っていた
19 :BSP ◆p7PT31uvn8zf [saga]:2017/05/04(木) 23:51:52.98 ID:w82N8b0Ao
小さい頃の佐竹さんだろうか

眩しい笑顔が可愛らしい

海美「P!出来たよ!」

P「もう出来たのか?」

海美「もうって一時間は経ってるけど」

P「なん…」

記憶を探ってる間にそんなに時間が経っていたとは

海美「さ、さ、食べて食べて!」

海美が皿をテーブルに置いた

P「お?ちゃんとマドレーヌの形してるじゃないか」

海美「でしょ!?ほめてほめて!」

P「味を見てからな」
20 :BSP ◆p7PT31uvn8zf [saga]:2017/05/05(金) 00:20:09.03 ID:h/lrUtBeo
P「佐竹さんは?」

海美「なんか作ってるみたいだよ?だから先に食べててって」

P「そっか…じゃあいただこうかな」

海美「うん!」

マドレーヌを一つ手に取る

海美「ちゃんとマドレーヌの味がするはずだよ!」

P「楽しみだ」

海美「…二つに一つは」
21 :BSP ◆p7PT31uvn8zf [saga]:2017/05/05(金) 00:37:05.17 ID:h/lrUtBeo
口に入れる直前に不吉なことを言われたが体の反応は止められず、マドレーヌを口に入れてしまう

P「…かふっ」

しょっぱくてぱさぱさしていて形容しがたい味が

P「…海美」

海美「な、何?」

P「…何入れた?」

海美「砂糖!」

P「嘘つけ!これ絶対塩入れただろ!」

海美「入れてない入れてない!…多分、きっと!」

P「はあ…」
22 :BSP ◆p7PT31uvn8zf [saga]:2017/05/05(金) 00:47:45.88 ID:h/lrUtBeo
海美「うーん、ちゃんと作ったのになー」

P「余計なアレンジ加えてないだろうな?」

海美「…」

P「…」

海美「…うん!」

P「はいダウト」

P「全く、最初は基本通りに作れば良いのに」

海美「だってPに美味しいって言って欲しかったし…」

P「…」
23 :BSP ◆p7PT31uvn8zf [saga]:2017/05/05(金) 00:56:03.29 ID:h/lrUtBeo
もう一つマドレーヌを口に入れる

こっちは普通にマドレーヌの味がした

P「…ん、美味い」

海美「ほんと!?」

P「ま、お前が作ったにしてはな」

海美「えへへ~♪」

嬉しそうにはにかむ海美

P「やれやれ」

なんだかんだで俺は海美に甘い気がする
24 :BSP ◆p7PT31uvn8zf [saga]:2017/05/05(金) 00:59:42.08 ID:h/lrUtBeo
美奈子「わっほ~い!お待たせしました~!」

佐竹さんが皿を持ってキッチンから出て来た

海美「あ、来た来た!」

佐竹さんが胡麻団子や大学芋の乗った皿をテーブルに置いた

P「美味しそうだな」

海美「美奈子先生のお菓子美味しいんだよ!」

P「俺も学食行くからな、知ってるよ」

…しかし

P「…相変わらず大きいな」

大学芋はともかく胡麻団子は明らかに大きい

美奈子「やっぱり食べて貰うなら大きい方が良いなって思うから」
25 :BSP ◆p7PT31uvn8zf [saga]:2017/05/05(金) 01:00:27.27 ID:h/lrUtBeo
一旦ここまで
√SSLは砂糖山盛り、ちょっぴり塩の予定
26 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/05/05(金) 01:21:44.13 ID:Zx5rViq2o
乙乙
27 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/05/05(金) 08:08:20.07 ID:iUIgj0tzo
あの
カードのゴマ団子はエロい(確信)
28 :BSP ◆p7PT31uvn8zf [saga]:2017/05/05(金) 23:16:16.45 ID:h/lrUtBeo
美奈子「さあさあ、2人とも遠慮せずに食べてね」

海美「いただきます!」

P「いただきます」

野球ボールサイズの胡麻団子を手に取る

P「あちち…」

美奈子「あ、出来たてだから気をつけて」

P「ああ」

海美「P、胡麻団子ふーふーして?」

P「自分でやれ」
29 :BSP ◆p7PT31uvn8zf [saga]:2017/05/05(金) 23:30:44.12 ID:h/lrUtBeo
熱い胡麻団子を一口囓る

香ばしい胡麻の香りに柔らかな団子、そして中のさらりとしたこしあんは何というか

P「…美味い」

それ以外の感想は出てこなかった

海美「うーん!やっぱり美奈子先生のお菓子美味しい!」

美奈子「ありがとう海美ちゃん、周防くんはどうですか?」

P「何というか、美味い以外の感想が出て来ない」

美奈子「ふふ、ありがとうございます」

P「普段は学食で佐竹さんが作ったものを食べることもあるけどそれとはまた違った美味さだ」

美奈子「学食はスピード優先だからどうしても省いちゃう工程とかあって」

美奈子「だから少し味が落ちちゃうんですよね…」

P「そうなのか」
30 :BSP ◆p7PT31uvn8zf [saga]:2017/05/05(金) 23:47:24.34 ID:h/lrUtBeo
美奈子「でもやっぱり美味しいって言って貰えると嬉しいなぁ」

海美「私も早くPから美味しいって言って貰いたい!」

P「ま、海美の方は期待せずに待ってるよ」

海美「むー」

美奈子「2人とも、本当に仲良いね」

美奈子「やっぱり付き合ってるから?」

P「ストップ」

美奈子「?」

P「佐竹さん、今なんて?」
31 :BSP ◆p7PT31uvn8zf [saga]:2017/05/06(土) 01:25:48.28 ID:T/TYX72Io
美奈子「え?海美ちゃんと周防くんって付き合ってるんですよね?」

P「いや、海美「まだ」付き合ってないが…」

海美「い、いひゃいいひゃい」

美奈子「あ、そうだったんだすね、私てっきり…」

P「俺と海美はそういう関係じゃないよ、ただの幼なじみだ」

海美「うー…」

海美が隣で不満そうに唸る
32 :BSP ◆p7PT31uvn8zf [saga]:2017/05/06(土) 01:26:14.43 ID:T/TYX72Io
一旦ここまで
33 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/05/06(土) 02:21:33.42 ID:l8MakhNIo
乙乙
うみみかわいいなちくしょう!
34 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/05/06(土) 08:35:47.65 ID:9Y+NOqAPO
これは外堀埋めるのにせいをだすうみみですね
いやこの子の場合は天然でやってるだけだな
35 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/05/06(土) 12:50:08.25 ID:fB8yVRwKo
これ美奈子他のルートでもうみみと付き合ってると思ってたのかな
36 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/05/06(土) 22:29:03.17 ID:+xYhQdy0O
そういや√Cはいつ頃再開とか考えてる?
37 :BSP ◆p7PT31uvn8zf [saga]:2017/05/06(土) 23:16:44.58 ID:2IBdEeNLO
>>36
気が向いた時としか言いようが
基本的にモチベ低下すると他に逃げる性格なので
ただエタらせる気は無いのでご安心を
38 :BSP ◆p7PT31uvn8zf [saga]:2017/05/07(日) 01:06:46.38 ID:fCPyaCxMo
美奈子「海美ちゃん、滅茶苦茶膨れてますけど…」

P「いつものこといつものこと」

海美「むー!」

美奈子「あはは…」

佐竹さんが苦笑いしていた




P「ご馳走でした」

海美「ご馳走さま!」

美奈子「お粗末さまでした」
39 :BSP ◆p7PT31uvn8zf [saga]:2017/05/07(日) 01:16:23.48 ID:fCPyaCxMo
P「いや、ほんと美味しかったよ」

美奈子「ふふ、喜んでくれて嬉しいです」

海美「美味しいもの食べた後は体動かしたくなるよね!」

P「ん、まあそうだな」

美奈子「」ピクッ

海美「じゃあ帰りは走って帰ろ!」

P「良いぞ、たまには」

美奈子「駄目です」

P「えっ」
40 :BSP ◆p7PT31uvn8zf [saga]:2017/05/07(日) 01:24:14.74 ID:fCPyaCxMo
美奈子「駄目ですよ食後の運動なんて」

P「さ、佐竹さん?」

美奈子「そんなことをしたらカロリーが逃げちゃいますからね」

P「カロリーが逃げる…?」

なんだろう、全く意味が分からない

美奈子「帰るときは歩いて帰る!そうしたらカロリーもほんの少ししか逃げませんから」

美奈子「それに食べてすぐ走っちゃったらお腹が痛くなっちゃいますからね!」

P「お、おう」
41 :BSP ◆p7PT31uvn8zf [saga]:2017/05/07(日) 01:46:05.51 ID:fCPyaCxMo
一旦ここまで
42 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/05/07(日) 04:31:21.97 ID:+yYMXQSU0
あかんPが生活習慣病になる
43 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/05/07(日) 08:37:17.17 ID:Z+gT1ihno
カロリーは味方だよーーーっ!!
44 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/05/07(日) 12:23:40.90 ID:AFal+zdD0

これ砂糖だけじゃなくてカロリーも多めだよね。絶対に
45 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/05/07(日) 12:45:42.17 ID:zJBZCCzg0
ミリシタPVが発表されて1年ぶりに復帰
>>1のSSが一番好きだったから探してみるとまだ執筆していたんだね,お疲れ様です
知らない√がいっぱいあるよやったー!

46 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/05/07(日) 13:36:47.04 ID:3WDOfm1s0
おや、出戻りさんか
完結したやつは14作ぐらいあるから読むの頑張ってね
http://www32.atwiki.jp/imasss/pages/996.html#98
47 :BSP ◆p7PT31uvn8zf [saga]:2017/05/07(日) 23:56:17.84 ID:fCPyaCxMo
P「まあ腹が痛くなるのは困るし歩いて帰るとするか」

美奈子「うんうん!周防くんは痩せすぎな気がするからもうちょっとがっしりしてる方が良いと思う!」

P「痩せすぎか…?」

正直平均的なぐらいだと思うんだが

海美「あ、じゃあ私と一緒に鍛えようよ!そしたら私もPと一緒にいられるし、汗を流すのに一緒にお風呂入ったり出来るし!」

P「ないない」
48 :BSP ◆p7PT31uvn8zf [saga]:2017/05/08(月) 00:13:57.10 ID:vwOtXcR4o
P「ま、なんにせよそろそろ帰るぞ」

海美「うん!」

P「美味しかったよ佐竹さん、ご馳走さま」

美奈子「またいつでも来てくださいね!」

P「うん、機会があればまた」

佐竹さんに玄関まで見送られ、俺達は帰路に着いた

P「美味かった」

海美「私のマドレーヌは?」

P「…ま、良かったんじゃないか?」

海美「えへへ…」

嬉しそうにはにかむ海美の頭を撫でてやる
49 :BSP ◆p7PT31uvn8zf [saga]:2017/05/08(月) 00:39:42.09 ID:vwOtXcR4o
海美「私もっともっと上手になるから、期待しててね!」

P「そうだな、期待してるぞ」

海美「うん!」

海美と並んで二人で帰る

P「…」

しかし佐竹さんが言っていたようにもうちょっとがっしりしたほうが良いんだろうか?

良くわからないな

まあ筋肉があって困るわけじゃ無いし今日からトレーニングでもしてみるか
50 :BSP ◆p7PT31uvn8zf [saga]:2017/05/08(月) 00:58:13.43 ID:vwOtXcR4o
翌日の昼休み、学食から帰ってくると佐竹さんに声をかけられた

美奈子「あ、周防くんちょっと良いですか?」

P「ん?どうしたんだ、佐竹さん」

美奈子「海美ちゃんから聞いてるかも知れないんですけど今日うちで新作メニューのコンベみたいなことをやるんです」

P「へー…初耳だな」

美奈子「それで知り合いに声をかけてて、せっかくなので周防くんもと思いまして」

P「そういう事なら喜んで」

美奈子「ありがとうございます!あ、周防くんのお友達も誘ってくれるとありがたいです!」

P「わかった、人数とかは?」

美奈子「多い方が嬉しいですね、たくさんの人の意見が聞きたいですから」

P「了解」
51 :BSP ◆p7PT31uvn8zf [saga]:2017/05/08(月) 01:15:51.28 ID:vwOtXcR4o
そして放課後、みんなを連れて佐竹飯店へ向かう

恵美「やー楽しみだね」

エレナ「ミナコのご飯は美味しいからネ!」

琴葉「私も、楽しみ」

P「ああ」

冬馬「新作メニューか…量はともかく味は間違いないだろうな、量はともかく」

翔太「そうだね僕もそう思うよ、量はともかく」

海美「どんな料理だろうね、しほりん」

志保「さあ…ただもし兄さんのお口に合うなら必ずモノにします」
52 :BSP ◆p7PT31uvn8zf [saga]:2017/05/08(月) 01:24:15.20 ID:vwOtXcR4o
佐竹飯店の扉を開ける

P「お邪魔します」

美奈子「いらっしゃいませー!お待ちしてましたよ周防くんとお友達の皆さん!ささ、こっちの席にどうぞ」

P「どう座ろうかな」

冬馬「適当で良いんじゃねえの」

海美「じゃああまとうはあっち!」

冬馬「隅っこじゃねえか!」

翔太「適当で良いとか言うから…隅っこが嫌ならここでも良いよ」

そういって翔太が地面を指差した

冬馬「殺す」

翔太「じょ、冗談だから!」
53 :BSP ◆p7PT31uvn8zf [saga]:2017/05/08(月) 01:31:49.11 ID:vwOtXcR4o
海美「私はPの隣!」

恵美「あ、じゃあアタシもPの…」

志保「では私も兄さんの隣に座ります」

恵美「…」

エレナ「メグミ、次があるヨ!」

恵美「うん…」

琴葉「恵美はどうして落ち込んでるの?」

恵美「何でも無い…」

琴葉「???」
54 :BSP ◆p7PT31uvn8zf [saga]:2017/05/08(月) 01:42:54.26 ID:vwOtXcR4o
全員が席に着くと佐竹さんがお冷やを持ってきた

そして全員に配っていく

美奈子「すぐに出来ますから、待っててくださいね!」

お冷やを配った佐竹さんは厨房へ戻っていった

P「良い匂いだ」

冬馬「この匂いは…味噌か?味噌を使った料理みてえだな」

恵美「わかんの?」

P「なんだかんだで料理するからな、冬馬は」

冬馬「味噌…中華料理で味噌か…何が出てくるか楽しみだぜ」
55 :BSP ◆p7PT31uvn8zf [saga]:2017/05/08(月) 01:46:10.70 ID:vwOtXcR4o
匂いのせいで腹が減ってくる

楽しみで仕方ない

海美「お腹空いてきたね!」

P「ああ」

俺の隣で小さくお腹が鳴る音がする

そっちを見ると志保が顔を赤くしていた

P「楽しみだな、志保」

志保「そ、そうですね」

ちょっと早口に志保が言う

恥ずかしかったようだ
56 :BSP ◆p7PT31uvn8zf [saga]:2017/05/08(月) 01:50:01.31 ID:vwOtXcR4o
美奈子「お待たせしました!」

しばらく雑談をしていると佐竹さんが料理を持ってきた

これは…ラーメン?

冬馬「ほう…」

味噌ラーメンにネギ、ワンタンが乗っている、味噌ワンタン麺だろうか

P「味噌ワンタン麺?」

美奈子「はい、だけどワンタンが特殊なんです!」

P「特殊?」

美奈子「はい、実はこのワンタンの中身は北京ダックなんです」

冬馬「やっぱりか」

P「北京ダック?」
57 :BSP ◆p7PT31uvn8zf [saga]:2017/05/08(月) 01:56:07.34 ID:vwOtXcR4o
冬馬「北京ダックってのは餃子の皮に似た皮で味噌ダレ、ネギ、アヒルの肉を包んで食う料理だ」

P「へー、そんなのがあるのか」

恵美「あー、そう言えばベーミヤンにもあったっけ」

美奈子「その通り!これは北京ダックの皮よりも少し薄くして食べやすくしたものにアヒルの肉を細かく刻んだものを包んでワンタンにしました」

美奈子「味噌ダレはスープに、ネギは具にしてあります」

美奈子「このどんぶりそのものが北京ダックになっているんです」

美奈子「名付けて、北京ダックラーメン!」

P「まんまだ…」
58 :BSP ◆p7PT31uvn8zf [saga]:2017/05/08(月) 01:58:35.89 ID:vwOtXcR4o
一旦ここまで
59 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/05/08(月) 06:40:41.94 ID:cmB2rviG0
旨そう(小並感)
60 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/05/08(月) 08:31:02.22 ID:bFzip/ruO
素人意見なんだけど北京ダックってそんなにがっつり肉食べたっけ?
61 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/05/08(月) 12:37:21.78 ID:tNVEXPCAO

P このルートで胃袋壊さないかな
今まで腕の骨とか脚の骨とかはどっかのルートで確か折ってたよね
62 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/05/08(月) 13:09:17.01 ID:dKtY58DK0
確か√Pnで骨は折ったね…
63 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/05/08(月) 20:56:07.90 ID:aWDKY1hE0
あとは√HWかな
64 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/05/08(月) 23:02:20.24 ID:tB/NNg2+O
HWの介護琴葉はよかったな
65 :BSP ◆p7PT31uvn8zf [saga]:2017/05/09(火) 01:15:37.08 ID:s0I3R+mQo
翔太「とにかく食べてみようよ」

P「だな」

いただきます

まずはスープを飲む

エレナ「このスープ美味しいヨー」

琴葉「ネギもシャキシャキしていて気持ち良い」

冬馬「麺は見事な縮れ麺だな、スープによく絡んでて美味え」

美味い、本当に美味い

P「このワンタン、滅茶苦茶美味い…」

北京ダックは食べたことが無かったけど、こんなに美味しいとは
66 :BSP ◆p7PT31uvn8zf [saga]:2017/05/09(火) 01:25:03.87 ID:s0I3R+mQo
美奈子「北京ダックって実は結構お値段するんです」

そういって佐竹さんがメニューを見せる

P「確かに、高いな」

割といいお値段だ

美奈子「だからお手軽に北京ダックが楽しめたらって、そう思って作ったんです!」

佐竹さんがニコッと笑う

その笑顔はとても可愛らしくて

どこかで見たような、そんな感じがして

胸がギュッと締め付けられるような感覚がした
67 :BSP ◆p7PT31uvn8zf [saga]:2017/05/09(火) 02:17:35.34 ID:s0I3R+mQo
恵美「あー食べた食べた!」

琴葉「私も、ちょっと食べ過ぎちゃったかも」

エレナ「コトハ、珍しくいっぱい食べてたもんネ!」

琴葉「だ、だって美奈子ちゃんの料理美味しかったからつい」

美奈子「ありがとう琴葉ちゃん!」

冬馬「あー、腹一杯だ」

翔太「僕も」

P「量が普通だったのには驚いたけどな」
68 :BSP ◆p7PT31uvn8zf [saga]:2017/05/09(火) 02:36:02.72 ID:s0I3R+mQo
美奈子「周防くん」

P「ん?」

美奈子「どれが美味しかったですか?」

P「そうだな…餃子とか、どれも美味しかったけど…一番は北京ダックラーメンかな」

美奈子「それは、どうして?」

P「なんて言うか、一番気持ちがこもってる気がしたんだ」

P「食べてくれる人のためにって、そんな気持ちが」

P「だからどれか一つを選ぶなら、俺は北京ダックラーメンを選ぶかな」

佐竹さんは俺の言葉を聞いた後

美奈子「うん、わかりました!ありがとうございます、周防くん」

そう言った
69 :BSP ◆p7PT31uvn8zf [saga]:2017/05/09(火) 02:40:56.96 ID:s0I3R+mQo
琴葉「ごちそうさまでした、美奈子ちゃん」

美奈子「ううん、こちらこそ!色々聞けて良かったよ!」

琴葉「新メニューがちゃんとしたメニューになったら、また食べに来るから」

美奈子「ふふ、それなら次はすぐに来そうだね!」

琴葉「うん、楽しみにしてる」

恵美「じゃあ帰ろっか」

P「ああ」

俺達は店を出る

美奈子「またのご来店お待ちしてますね!」
70 :BSP ◆p7PT31uvn8zf [saga]:2017/05/09(火) 02:45:57.92 ID:s0I3R+mQo
冬馬「この後どっか行くか?」

恵美「んー、アタシはパス」

海美「私はPの家!Pの部屋!」

志保「駄目です」

海美「えー…」

翔太「何でも良いけど、今日課題出てるの忘れてない?」

恵美「さーてアタシはカラオケいこ」

エレナ「ワタシも行くヨー」

琴葉「二人とも、ちゃんと課題はやらないと」

騒がしい仲間連中を眺めながら歩いていく
71 :BSP ◆p7PT31uvn8zf [saga]:2017/05/09(火) 02:48:06.95 ID:s0I3R+mQo
そしてふと佐竹飯店の方を振り返ると

美奈子「…」

まだこっちを見ていた佐竹さんと目が合った

美奈子「…」

佐竹さんは俺に向かって笑顔で小さく手を振った

俺はその笑顔にドキッとしながらも、手を振りかえしたのだった
72 :BSP ◆p7PT31uvn8zf [saga]:2017/05/09(火) 02:48:33.31 ID:s0I3R+mQo
一旦ここまで
73 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/05/09(火) 04:41:05.74 ID:NJRAz4goO
おいおい、料理の量が常識内の美奈子とか非の打ち所がない俺の嫁じゃないか
74 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/05/09(火) 13:53:55.67 ID:lFvyMbZuO
そう、P達は気付いていなかったのだ
先ほど試食で食べた量はすでに普通の飲食店なら三人前はあることに
75 :BSP ◆p7PT31uvn8zf [saga]:2017/05/10(水) 00:16:52.81 ID:5ibJ+Oylo
GWが近付いてきたある日のこと

俺はこのみ姉さんに呼び出されていた

P「は?」

このみ「だからゴールデンウィーク、私の代わりにボランティアに出て欲しいのよ」

P「なんで俺が」

このみ「暇そうだから」

P「失礼な、俺はこう見えてもゴールデンウィークは予定がぎっしりなんだ」

このみ「へー」

このみ姉さんがジト目で俺を見る
76 :BSP ◆p7PT31uvn8zf [saga]:2017/05/10(水) 00:37:26.81 ID:5ibJ+Oylo
このみ「ま、予定があるなら仕方ないわね」

P「そうだ、仕方ないんだ」

このみ「ボランティアに出てくれたらいつもの倍くらいのお小遣いをと思ったけど、忙しいなら仕方ないわね」

P「任せてくれこのみ姉さん、きっちりボランティア活動してくるから」

予定なんて無かった

このみ「あんた、ほんと現金よね…」

何とでも言ってくれ
77 :BSP ◆p7PT31uvn8zf [saga]:2017/05/10(水) 01:02:17.94 ID:5ibJ+Oylo
そしてあっという間にゴールデンウィークがやって来た

このみ「それじゃあお願いね」

P「任せてくれ」

このみ姉さんはゴールデンウィーク中は研修があるらしく、泊まりがけで言ってしまった

P「さてと」

となると我が家には志保と桃子しかいないわけだが…ゴールデンウィーク中毎日志保に作って貰うのも申し訳ない

それにこのみ姉さんは食費を置いて行ってくれたので佐竹飯店に行くのも良いかもしれない

P「ゴールデンウィーク、どう楽しむかな」
78 :BSP ◆p7PT31uvn8zf [saga]:2017/05/10(水) 01:12:44.64 ID:5ibJ+Oylo
ゴールデンウィーク初日

この日は約束通りボランティアに出ることにした

P「志保、ほんとに良いのか?」

志保「はい、一人でいても退屈なので」

志保が退屈だからとボランティアに付き合ってくれることになった

せっかくだしこのみ姉さんから金を貰ったら志保に何か買ってあげよう

ボランティアは町の清掃だった

学生は小中高大で別れることになっており、志保とは離れ離れになってしまった

グループ訳を聞いた時の志保はとても落ち込んでいるように見えたが、大丈夫だろうか?
79 :BSP ◆p7PT31uvn8zf [saga]:2017/05/10(水) 01:24:21.99 ID:5ibJ+Oylo
高等部グループの場所として指定された箇所向かい、掃除を開始する

…五分程箒を動かしたところで飽きてきた

一人でやる掃除は退屈だ

せめて誰か一人知り合いでもいればと思わずにはいられない

そんな時だった

「あれ、周防くん?」

誰かに声をかけられた

その声に振り向くと

美奈子「こんにちは!」

佐竹さんが立っていた
80 :BSP ◆p7PT31uvn8zf [saga]:2017/05/10(水) 01:24:48.58 ID:5ibJ+Oylo
一旦ここまで
81 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/05/10(水) 02:04:18.26 ID:H3c493y7O
乙です
82 :BSP ◆p7PT31uvn8zf [saga]:2017/05/10(水) 23:58:56.83 ID:5ibJ+Oylo
P「こんにちは、佐竹さんもボランティアに?」

美奈子「はい、町の人達にはいつもお世話になってますから」

美奈子「周防くんは今まで参加してましたっけ?」

P「いや、俺は今回代理で参加は初めてだよ」

美奈子「そうだったんですね」

美奈子「あ、それなら私と一緒にやりませんか?一人でやるより二人でやる方がきっと早く終わりますよ!」

P「じゃあご一緒しようかな」
83 :BSP ◆p7PT31uvn8zf [saga]:2017/05/11(木) 01:21:09.46 ID:Sju00O5ro
佐竹さんと一緒に町を清掃する

もうずっと住んでいる町なのに、掃除をしているだけでなんだか新鮮だ

美奈子「袋いっぱいになっちゃいましたね」

P「そうだな」

ゴミは滅多に落ちてはいないが公園なので落ち葉が大量だ

それらをかき集めると簡単にいっぱいになる

美奈子「やっぱり二人でやると早いですね、普段よりも早く終わりそうです」

P「俺も、佐竹さんと話ながらだからかな、退屈しないで済んでるよ」
84 :BSP ◆p7PT31uvn8zf [saga]:2017/05/11(木) 01:36:46.67 ID:Sju00O5ro
美奈子「周防くんは面白い人ですね!」

P「そう?」

美奈子「はい!昔近所に住んでいた男の子みたいです!」

P「俺、子供っぽい?」

美奈子「いえいえ、ただなんとなく雰囲気が似てるなと思って」

美奈子「あの子、元気にしてるかなぁ…」

佐竹さんが懐かしそうに目を細める

P「仲良かったんだ?」

美奈子「はい、でもかなり昔のことで私、その子の名前憶えてないんです」

美奈子「もし憶えてたら、叶えたい約束があるのにな…」

P「約束…か」

俺も昔海美と約束したっけ
85 :BSP ◆p7PT31uvn8zf [saga]:2017/05/11(木) 01:41:16.94 ID:Sju00O5ro
美奈子「そろそろ戻りましょうか」

時計を見ると丁度昼時、終わるには良い時間だ

P「そうだな、もう昼時だし」

美奈子「あ、お昼はうちでどうですか?」

P「良いね、志保と一緒に行こうかな」

美奈子「お待ちしてますね!」

二人で並んで歩き出そうとしたときだった

佐竹さんの肩に、木の上から毛虫が落ちてきた

毛虫を見た瞬間、佐竹さんがさっと青ざめる
86 :BSP ◆p7PT31uvn8zf [saga]:2017/05/11(木) 01:45:18.48 ID:Sju00O5ro
美奈子「む、虫!?」

佐竹さんが悲鳴を上げた

美奈子「す、周防くん!お願い、取ってぇ!」

佐竹さんが涙目で虫を指差した

P「わ、わかった」

俺は棘が刺さらないよう軍手をはめ、毛虫を掴んで草むらに放り投げた

P「よし、取れたよ」

美奈子「あ、ありがとうございます…」

涙目で俺を見上げる佐竹さんに思わずドキッとする
87 :BSP ◆p7PT31uvn8zf [saga]:2017/05/11(木) 03:26:27.50 ID:Sju00O5ro
P「虫、苦手なんだ?」

美奈子「得意な人いませんよぉ…」

P「それもそうか」

佐竹さんが落ち着くのを待ってから再び歩き出す

佐竹さんは明らかにさっきよりも辺りを警戒していた

P「大丈夫、また落ちてきたら追い払うから」

美奈子「は、はい、お願いします」
88 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/05/11(木) 09:27:26.25 ID:9a4afDcNO
美奈子にも弱点があるとわかり安心した田舎暮らしである
89 : ◆Jnlik0MEGA [sage]:2017/05/11(木) 15:23:11.88 ID:KNNtCNeq0
あれは意外だったな
一旦乙です

佐竹美奈子
http://i.imgur.com/bXBzKSX.jpg
http://i.imgur.com/IvjaW1Y.jpg
http://i.imgur.com/ZUzO9Qf.jpg
http://i.imgur.com/i7RkOLA.jpg

>>2
高坂海美
http://i.imgur.com/b4czrgi.jpg
http://i.imgur.com/10nAsBg.jpg

北沢志保
http://i.imgur.com/artGmvD.jpg
http://i.imgur.com/nICa4or.jpg

>>51
所恵美
http://i.imgur.com/a2Ghj4r.jpg
http://i.imgur.com/Jf6k63e.jpg

田中琴葉
http://i.imgur.com/XvIG0ge.jpg
http://i.imgur.com/5cGQanJ.jpg

島原エレナ
http://i.imgur.com/ltGah4K.jpg
http://i.imgur.com/I4216Oy.jpg

>>75
馬場このみ
http://i.imgur.com/vczu8xc.jpg
http://i.imgur.com/NztyppI.jpg
90 :BSP ◆p7PT31uvn8zf [saga]:2017/05/11(木) 22:50:24.25 ID:Sju00O5ro
結局最後まで虫が落ちてくることは無かった

美奈子「良かったぁ…」

ホッとしたように胸をなで下ろす佐竹さん

P「お疲れ様」

美奈子「あ、周防くんもお疲れ様です」

P「さっきも言った通り佐竹飯店で昼を食べるよ」

美奈子「わかりました!腕によりをかけて作りますからね」

P「楽しみだ」

志保に連絡を入れるとすぐに終わらせてきたので三人で佐竹飯店へ向かう
91 :BSP ◆p7PT31uvn8zf [saga]:2017/05/11(木) 23:02:07.18 ID:Sju00O5ro
志保「兄さんと二人でこうして外食というのは新鮮です」

P「そうだな」

志保とメニューを見ながら雑談する

確かに志保とこうやって二人で何かするのは始めてかも知れない

志保「兄さんは何にしますか?」

P「俺は…そうだな」

メニューを見ているとふと目に止まったそれを指差す

P「…エビチリにしようかな」

何故かはわからないが、妙に心が惹かれる
92 :BSP ◆p7PT31uvn8zf [saga]:2017/05/11(木) 23:08:06.71 ID:Sju00O5ro
志保「では私は…そうですね、小籠包定食にします」

P「それじゃあ決まりだな」

卓上のボタンを押す

ボタンには何故かMKボタン連打禁止と書いてあった

美奈子「はい!お待たせしました!」

P「小籠包定食と、エビチリ定食」

美奈子「…エビチリ」

P「?」

美奈子「エビチリは無料で並盛りか大盛りか選べますけど、どうしますか?」

P「あ、それなら大盛りで」

美奈子「はいかしこまりました!」

佐竹さんはエビチリ大盛りに対して何故か嬉しそうにしながら厨房へと入っていった
93 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/05/11(木) 23:14:49.18 ID:oNKDT6ZmO
大盛り…あっ(察し)


救急車待機させておきますね(精一杯の優しさ
94 :BSP ◆p7PT31uvn8zf [saga]:2017/05/11(木) 23:28:23.52 ID:vRj3+iSDO
志保「佐竹先輩、嬉しそうでしたね」

P「志保にもそう見えた?」

志保「はい、もしかしたらエビチリが得意料理なのかもしれませんね」

P「それは楽しみだな」

志保「私も、少しいただいて良いですか?」

P「もちろん」

志保「ありがとうございます、兄さん」
95 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/05/11(木) 23:33:55.56 ID:h88tTxZqo
わっほ…わっほ…
96 :BSP ◆p7PT31uvn8zf [saga]:2017/05/11(木) 23:48:19.45 ID:Sju00O5ro
美奈子「わっほーい!小籠包定食とエビチリ定食大盛り!お待たせしました!」

志保の前にコトッと音を立てて小籠包定食が置かれた後

俺の前にドンっと音を立ててエビチリ定食が置かれた

美奈子「大盛りはサービスで特盛りにしておきました!ゆっくりしていってくださいね!」

志保「…」

P「…」

佐竹さんが去った後、俺は静かに顔を伏せる

…油断した
97 :BSP ◆p7PT31uvn8zf [saga]:2017/05/11(木) 23:54:45.99 ID:Sju00O5ro
しかしいつまでも目の前の現実から逃げるわけにはいかない

俺は覚悟を決めてエビチリに手をつけた

P「!美味い」

やはり美味い、けどそれだけじゃなくて

P「なんだろう、懐かしいような…」

昔食べた事がある味だ、だけどどこで?

全く思い出せない
98 :BSP ◆p7PT31uvn8zf [saga]:2017/05/12(金) 00:06:20.48 ID:Nj3fRKLho
P「…」

志保「兄さん?どうかしましたか?」

P「いや、なんでもない」

突然手が止まった俺を心配してか志保が声をかけてくる

…まあ、そのうち思い出すだろう

それよりも今はこっちに集中しないとな…

俺は山盛りのエビチリと格闘を開始するのだった
99 :BSP ◆p7PT31uvn8zf [saga]:2017/05/12(金) 00:07:16.56 ID:Nj3fRKLho
一旦ここまで
100 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/05/12(金) 00:17:27.51 ID:zp3AvOCRo
若いんやし、特盛りくらい大丈夫やろ、P。たぶん
101 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/05/12(金) 01:13:03.88 ID:rrg47w870

本当に食えない時って寒気と冷や汗するよね
102 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/05/12(金) 08:51:15.44 ID:Sn6Bv4AYO
記憶と味覚は直結すると聞いたな
おつ
103 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/05/12(金) 13:14:27.52 ID:mL7JGjufO
さりげなく無料にする美奈子好き
104 :BSP ◆p7PT31uvn8zf [saga]:2017/05/12(金) 23:23:37.24 ID:Nj3fRKLho
P「…」

最初は美味かった、絶品だった

山も崩れてきた、目に見えて減っている

しかし…

P「飽きてきた…」

ずっと同じ味だからか飽きてきた

最初こそ良いペースで進んだものの今はかなりペースダウンしている

P「…ふう」

思わず箸を置きそうになるがここで置いてしまうと間違いなくそのまま帰ってしまいそうなので箸を置くわけにはいかない
105 :BSP ◆p7PT31uvn8zf [saga]:2017/05/13(土) 00:26:51.26 ID:ib+mx9fZo
まだ満腹な訳じゃないので何かしら味に変化があればまだ食べられるのだが…

志保「…兄さん」

P「どうした?」

志保「ずっとエビチリだけだとお辛いと思うので、口直しに小籠包は如何でしょうか?」

P「良いのか?」

志保「はい」

P「ありがとう、それじゃあ一つ」

志保「あ、待ってください兄さん」

小籠包に箸を伸ばそうとした所、志保に制止される

志保「小籠包は熱いですから、ちゃんと冷まさないと火傷してしまいます」

P「ふむ」

志保「ですから」
106 :BSP ◆p7PT31uvn8zf [saga]:2017/05/13(土) 00:50:54.77 ID:ib+mx9fZo
志保が小籠包をレンゲに乗せ、息を吹きかける

志保「ど、どうぞ…あ、あーん」

顔を赤くしながらレンゲを差し出してくる志保

P「し、志保」

志保「さ、冷めすぎると美味しく無くなりますからなるべくは、早めにどうぞ」

P「わ、わかった」

志保が恥ずかしがっているので俺も恥ずかしくなってくる

しかし志保の好意を無碍にするのもあれなので俺はレンゲに食い付いた
107 :BSP ◆p7PT31uvn8zf [saga]:2017/05/13(土) 01:02:48.77 ID:LFAeI6WeO
志保「ど、どうですか?」

P「…うん、美味い」

熱いスープが美味くてたまらない

P「良い口直しになるな」

志保「それなら良かったです」

そういって志保が微笑む

志保「それで…兄さん、その」

志保「私も、エビチリを食べたくて」

P「ああ、そういうことなら好きに持って行って良いんだぞ?」

そういって志保の方に皿を押し出す

志保「…」

しかし志保は俺を見るだけで手をつけない

P「志保?」
108 :BSP ◆p7PT31uvn8zf [saga]:2017/05/13(土) 01:16:28.94 ID:LFAeI6WeO
志保「兄さん、私は兄さんにレンゲを差し出しました」

P「差し出されたな」

志保「なのでここは兄さんが私にあーんをするべきでは無いでしょうか」

P「そうかな?」

志保「そうです」

P「そうか」

志保「はい」

P「…」

志保が何を言っているのかわからない
109 :BSP ◆p7PT31uvn8zf [saga]:2017/05/13(土) 01:36:07.16 ID:LFAeI6WeO
だけどまあ、今日付き合ってくれているしそれくらいは構わないか

P「わかった、ほら志保、あーん」

エビチリを掴み、志保に差し出す

すると志保さん顔が赤みを増した

志保「そ、その、いざやると恥ずかしいですね」

P「なんだそりゃ」

恥ずかしがる志保が可愛らしくなり思わず笑ってしまう

志保「な、なんで笑うんですか!」

P「いや、志保が可愛いなと思ってさ」

志保「か、かわっ…もう、からかわないでください!」

照れ隠しか志保が箸に食い付いた
110 :BSP ◆p7PT31uvn8zf [saga]:2017/05/13(土) 01:51:34.23 ID:LFAeI6WeO
P「どうだ?」

志保「お、美味しいです」

P「そっか」

志保のおかげで最後まで美味しくエビチリを食べることが出来た




P「うぷっ」

志保「兄さん…大丈夫ですか?」

P「まあ、なんとかな…」

美味しく食べられたても苦しいことに変わりは無かった
111 :BSP ◆p7PT31uvn8zf [saga]:2017/05/13(土) 01:52:10.01 ID:LFAeI6WeO
一旦ここまで
誰の√書いてたんだっけな
112 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/05/13(土) 01:59:05.87 ID:FLqCgeCYo
√LRよりもいちゃいちゃしてる気がするぞw
113 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/05/13(土) 07:31:34.46 ID:zReNMbktO
数ヵ月後には余裕の完食になってるのかな……
乙でした
114 :BSP ◆p7PT31uvn8zf [saga]:2017/05/14(日) 00:47:26.11 ID:F7GLy9ENo
美奈子「デザートにバケツプリンは如何ですか?エビチリのおまけで無料ですよ!」

P「無理です…」

水を入れすぎた水風船と同じ末路を辿るのが目に見えている




結局小さめの杏仁豆腐が運ばれてきたのでそれを食べる

美味いが苦しい

志保はというと

志保「♪」

デザートに御満悦だった
115 :BSP ◆p7PT31uvn8zf [saga]:2017/05/14(日) 00:56:01.96 ID:F7GLy9ENo
美奈子「お会計○○円になります!」

P「はい」

レジで会計を済ませる

P「美味しかったよ、ご馳走さま」

美奈子「ありがとうございます!お釣りは○○円ですね」

お釣りを渡されるときに手を握られドキッとする

美奈子「また…来てくださいね?」

P「あ、ああ…」

少しひんやりした手の感触にドキドキしながら、また来よう、そう思うのだった
116 :BSP ◆p7PT31uvn8zf [saga]:2017/05/14(日) 01:07:47.13 ID:F7GLy9ENo
美奈子「またのご来店お待ちしてます!」

周防くんと志保ちゃんが帰るのを見送る

…まさか今日会えるなんて思わなかった

しかもエビチリを頼んでくれて、しかも大盛りだった

憶えててくれたのかな?

もしかしたら偶然かも知れないけど、とても嬉しくなった

…お父さんに聞いたとき、本当に驚いた

周防くんと私と海美ちゃんが昔良く遊んでいたことに

なんで忘れてたんだろう

約束はしっかり憶えていたのに
117 :BSP ◆p7PT31uvn8zf [saga]:2017/05/14(日) 01:16:56.95 ID:F7GLy9ENo
私達の約束

いつかお腹いっぱい食べさせてあげるって、あの日約束した

でもそれはお店でお腹いっぱいにしたいわけじゃない

私が佐竹美奈子として作った料理で、二人にお腹いっぱいになってほしい

そしてまた、美味しいって言って欲しい

それが私が料理を作る理由だから

まだ手に周防くんの温もりが残っているような気がして、自分の手をキュッと握る

…またあの時みたいに三人で、一緒にいられたら良いな

そんなことを思いながら、私は厨房へ戻った
118 :BSP ◆p7PT31uvn8zf [saga]:2017/05/14(日) 01:18:30.12 ID:F7GLy9ENo
一旦ここまで
いつものようにGWの出来事募集
119 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/05/14(日) 01:31:33.17 ID:gQKCJOpmo
動物園にでもいく?
美奈子がアライグマに乳飲ませてるカードあったし
120 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/05/14(日) 01:40:38.15 ID:Q+wM+eV5O
いなか暮らし展開は夏休みまで取っておくか

キャンプに美奈子が参加した場合のBBQの惨劇は見てみたい
あと出番がすぐ消えるお姫ちんをお腹いっぱいにさせてあげたい
121 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/05/14(日) 02:26:00.03 ID:EZsbwg3So
佐竹飯店臨時アルバイトとかどうだろう
122 :BSP ◆p7PT31uvn8zf [saga]:2017/05/15(月) 02:21:21.35 ID:53vvA5Hho
感謝感謝
123 :BSP ◆p7PT31uvn8zf [saga]:2017/05/15(月) 02:32:32.46 ID:53vvA5Hho
P「…キャンプ?」

冬馬『おう』

GW二日目、俺はのんびりと眠っていたのだが冬馬からの電話で叩き起こされてしまった

P「お前去年は恵美にGWにキャンプ行くなんて自殺行為だとか言ってたじゃねーか」

冬馬『実は山場を見つけてよ』

P「山場?」

冬馬『山の中で海の幸が食えるって評判の山、知ってるか?』

P「ぷっぷか山だろ、知ってるよ」

冬馬『あそこ、キャンプを始めたらしい』
124 :BSP ◆p7PT31uvn8zf [saga]:2017/05/15(月) 02:51:10.97 ID:53vvA5Hho
P「へえ?」

冬馬『しかも利用出来るのはこの町に住んでる人間だけらしいから混むこともねえだろ』

P「ま、それはそうかもな」

冬馬『と言うわけでキャンプ行こうぜ』

P「良いぞ、いつからだ?」

冬馬『そりゃ明日からだろ』

P「急だな…わかった、海美とか恵美に声掛けとく」

冬馬『おう、頼んだ』
125 :BSP ◆p7PT31uvn8zf [saga]:2017/05/15(月) 02:55:07.52 ID:53vvA5Hho
P「と言うわけでキャンプに行くんだが」

海美「Pが行くから私も行く!一緒のテントで寝る!」

P「寝床は別々だバカタレ」

P「まあ誰か連れてきたい友達がいるなら連れてきても良いぞ」

海美「じゃあ響と貴音さんと美奈子先生に声掛けるね!」

P「ん、了解」
126 :BSP ◆p7PT31uvn8zf [saga]:2017/05/15(月) 03:00:13.05 ID:53vvA5Hho
恵美達にも声をかけたところエレナと琴葉は用事があるらしく、来られないそうだ

恵美もあまり乗り気では無かったようだが、面子を伝えると急に行くと言い出した

海美か響と遊びたかったんだろうか?

志保は話をする前から何故かキャンプに行く準備が出来ていたので話は簡単に終わった

そして次の日
127 :BSP ◆p7PT31uvn8zf [saga]:2017/05/15(月) 03:00:40.02 ID:53vvA5Hho
一旦ここまで
128 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/05/15(月) 03:09:40.63 ID:bp7QhKkL0
乙っす
ついに麗花さんが山にまでなったか
129 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/05/15(月) 12:10:15.08 ID:UugYpVcLO
麗花さんのお山に登れると聞いて
130 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/05/15(月) 14:16:05.78 ID:GtoTMsQHO
ぷっぷかさん…
寝る前に枕元に和三盆用意しなきゃ…
131 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/05/15(月) 19:10:14.89 ID:SYnOfx4xo
わーいわーい♪
132 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/05/15(月) 20:52:19.45 ID:sR2HSp/f0
エクソシストカレン呼んでこなきゃ
133 :BSP ◆p7PT31uvn8zf [saga]:2017/05/16(火) 00:03:27.04 ID:xKnPPBcmo
冬馬「ぷっぷか山に着いたぞ!」

翔太「(周りに誰もいない)」

P「翔太-、変な人がいるよー」

翔太「しっ、見ちゃいけません!」

冬馬「てめえら…」

海美「うーん!空気が気持ちいい!」

恵美「ウチらの町からも近いし最高だね」

響「ここならみんなとピクニックに来るのも悪くないね!」

貴音「響、ばーべきゅうはまだでしょうか」

美奈子「すぐ用意しますね!」
134 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/05/16(火) 00:06:24.88 ID:eocRTWfjo
貴音るぅとはまだでしょうか
135 :BSP ◆p7PT31uvn8zf [saga]:2017/05/16(火) 00:09:11.96 ID:xKnPPBcmo
P「よーしじゃあ俺らはテント張るか?」

冬馬「ログハウス借りるってのも手だが」

翔太「ログハウスかー、それも良いね」

P「けど男子三人に対して女子6人だぞ?三つくらい借りることにならないか?」

海美「じゃあじゃあ私Pと寝る!」

P「馬鹿言うな、冬馬も翔太もいるだろ」

海美「うん、だから2人はテント!」

翔太「え、ひどくない?」
136 :BSP ◆p7PT31uvn8zf [saga]:2017/05/16(火) 00:19:21.01 ID:xKnPPBcmo
P「それなら男三人テントで女子がログハウス使えば良い」

海美「えー、Pと一緒が良い」

志保「海美さん、兄さんを困らせないでください」

海美「うー…」

P「とりあえずテント張ろうぜ」

響「道具借りてきたぞ!」

P「サンキュー響」

恵美「手伝ったげるね」

P「悪いな」

海美「私も!」
137 :BSP ◆p7PT31uvn8zf [saga]:2017/05/16(火) 00:25:28.05 ID:xKnPPBcmo
やはりみんなで組むと早い、一時間もせずにテントは組み上がった

志保「兄さん、ログハウスのレンタル、完了しました」

P「お、ありがとう志保」

志保「いえ…」

冬馬「よし、それじゃあテントも出来たことだし、お待ちかねの…」

翔太「バーベキューの準備するねー」

貴音「待っておりました!」

美奈子「もうすぐご飯も炊けますからね!」

冬馬「…」

P「ドンマイ、冬馬」
138 :BSP ◆p7PT31uvn8zf [saga]:2017/05/16(火) 00:34:36.89 ID:xKnPPBcmo
翔太「うーん美味しい!」

冬馬「まだまだあるからな」

恵美「あれ?Pの皿空っぽじゃん、ほら取ったげるから」

P「悪いな」

恵美「にゃはは、気にしない気にしない」

志保「…」

海美「しほりん、まだピーマン苦手?」

志保「…だって、苦いじゃないですか」

海美「お肉と一緒に食べたら大丈夫だよ!」
139 :BSP ◆p7PT31uvn8zf [saga]:2017/05/16(火) 00:39:32.03 ID:xKnPPBcmo
響「お、この肉良い感じに…」

貴音「…」ヒョイパク

響「ああー!貴音また取ったなぁ!?」

貴音「はて」

響「はてじゃないよ!さっきからなんで自分のところから取るんさー!」

貴音「響」

響「な、何」

貴音「この世は弱肉強食、弱きものは搾取されるのです」

響「ま、また取ったぁ!」

美奈子「大丈夫だよ響ちゃん!まだまだあるからね!」

響「うう…美奈子ぉ…」
140 :BSP ◆p7PT31uvn8zf [saga]:2017/05/16(火) 00:48:18.61 ID:xKnPPBcmo
P「佐竹さん」

美奈子「周防くん、どうしたんですか?あ、もしかして足りなかったですか?」

P「いや、佐竹さんずっと焼いてて食べてないみたいだからさ」

美奈子「大丈夫です!貴音さんも響ちゃんも美味しそうに食べてくれますから!」

響の皿は綺麗なままなんだが…まあいい

P「はい、これ」

佐竹さんに肉を掴んだ箸を差し出す

美奈子「これは…?」

P「佐竹さんにも食べて貰おうと思ってさ」

美奈子「えっ…」

佐竹さんの顔が少し赤くなった
141 :BSP ◆p7PT31uvn8zf [saga]:2017/05/16(火) 01:30:35.29 ID:xKnPPBcmo
美奈子「そ、それではいただきます」

佐竹さんが差し出された箸に食い付く

美奈子「う、うん、美味しいですね」

P「うん、それなら良かった」

P「ほら、次」

美奈子「あーん…」



海美「あまとうどいて、私が焼く」

冬馬「は?お前肉の焼き方…」

海美「いいからどいて!」

冬馬「は、はい!」

海美「私もPにあーんしてもらうから!」
142 :BSP ◆p7PT31uvn8zf [saga]:2017/05/16(火) 01:37:42.47 ID:xKnPPBcmo
山のようにあったバーベキューは八割が貴音の胃の中へ消えた

みんながそれぞれ満足した後、山を探索したり湖を見に行ってキャンプを満喫した

夕飯にカレーを食べた後、テントで虫の声を聞きながら寝袋に入って眠りにつく

そして夜中にふと、目が覚めた

P「…」

体を起こす

周囲に明かりは無く、真っ暗だ

携帯を手に取り手元を照らしながら俺はテントを出た
143 :BSP ◆p7PT31uvn8zf [saga]:2017/05/16(火) 01:51:12.60 ID:xKnPPBcmo
P「夜の山も良いな」

月と星の明かりだけが辺りを照らす

少し先に人がいた

P「こんばんは、佐竹さん」

美奈子「あ、周防くん」

P「何してるんだ?」

美奈子「星空を見上げてたんです、綺麗だなって」

美奈子「周防くんは?」

P「俺はちょっと目が覚めてさ」

美奈子「ふふ、私と一緒ですね」
144 :BSP ◆p7PT31uvn8zf [saga]:2017/05/16(火) 10:00:22.50 ID:xKnPPBcmo
俺達の住む町の星空とはまた違う空を見上げる

綺麗な星空だ、これだけでも来た価値がある

P「佐竹さんは今日、楽しかった?」

美奈子「はい!実は私、友達とキャンプって初めてで不安もあったんですけど、吹き飛んじゃいました!」

P「それなら良かった」

楽しんでくれているなら、それが一番だ

美奈子「またこうやってみんなで遊びたいですね…海美ちゃんとも、周防くんとも」

P「そうだな…」
145 :BSP ◆p7PT31uvn8zf [saga]:2017/05/16(火) 10:03:07.24 ID:xKnPPBcmo
隣で佐竹さんが震える

P「寒い?」

美奈子「あはは…流石にちょっと冷えてきますね」

P「まだ5月だし、風邪を引かないようにしないと」

美奈子「そうですね、じゃあ私はそろそろ戻りますね」

P「ああ、おやすみ、佐竹さん」

美奈子「お休みなさい、周防くん」
146 :BSP ◆p7PT31uvn8zf [saga]:2017/05/16(火) 10:07:29.02 ID:xKnPPBcmo
ログハウスに戻り、一息つく

…周防くん、やっぱり憶えてないみたい

でもまだ時間はあるし、ゆっくりと思い出して欲しい

そしてまたあの時みたいに三人で、遊びたい

私たちの約束のために

そんなことを考えていると、ふと誰かの気配を感じて顔を上げる

するとログハウスの中に管理人さんがいた

美奈子「え?管理人さん?」
147 :BSP ◆p7PT31uvn8zf [saga]:2017/05/16(火) 10:09:57.54 ID:xKnPPBcmo
さっきまで誰もいなかったのに…

それにどうしてログハウスに?

疑問ばかりが頭に浮かぶ

管理人さんが急にこちらを振り向き、私は思わずビクッとする

…目が、光ってる…?

管理人の目は妖しく黄色い光を発していた

管理人は私を見ると笑いながら

「みぃつけた♪」
148 :BSP ◆p7PT31uvn8zf [saga]:2017/05/16(火) 10:10:40.32 ID:xKnPPBcmo
一旦ここまで
149 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/05/16(火) 12:15:35.29 ID:AeEB8WfgO
ぷっぷ化されてしまうのか…
150 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/05/16(火) 13:59:07.75 ID:Wa/aU+IKO
これはやばい(確信)
早くエクソシスト呼ばなきゃ
151 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/05/16(火) 15:55:44.12 ID:wJBfavjwo
志保のソルトスプラッシュが火を噴くぜ
152 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/05/16(火) 16:20:34.31 ID:y7U0NJZHo
和三盆盛らなきゃ……
153 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/05/16(火) 23:13:19.51 ID:XPov6uHAO
>>151
ヘ( *´v`*ヘ)))~ お塩おいし~♪
154 :BBP ◆p7PT31uvn8zf [saga]:2017/05/17(水) 00:36:32.26 ID:t8ncdzAlo
その目に見入られた瞬間、全身を寒気が襲い、体が固まって動かなくなった

美奈子「!?」

管理人さんは笑いながら私に近付いてくる

美奈子「ひっ」

美奈子(だ、誰か助けて…!助けて…周防くん…!)

「…うふふ♪そっかぁ」

管理人さんが私に手を伸ばす

私はギュッと目を瞑った



美奈子「…?」

しかし何も起きない

私は恐る恐る目を開けると、そこには管理人さんの姿は無く、体も動くようになっていた
155 :BBP ◆p7PT31uvn8zf [saga]:2017/05/17(水) 00:45:12.34 ID:t8ncdzAlo
美奈子「さっきのは…?」

気のせい…だったのかな?

だけど微かな寒気が残っている

あれは何だったんだろう?

いくら考えても答えは出ない

こんな時は寝てしまおう

私は部屋に戻り、布団に入る

目を閉じるとすぐに眠気がやって来た
156 :BBP ◆p7PT31uvn8zf [saga]:2017/05/17(水) 01:14:11.83 ID:t8ncdzAlo
翌日

P「釣りだ」

冬馬「良し来た」

翔太「ここ海の魚も釣れるんだよねー」

志保「…聞き間違いでしょうか、今海の魚と聞こえた気が」

響「大丈夫だぞ志保、自分もそう聞こえた」

海美「ね、ね、釣った数で勝負しようよ!負けた方が勝った方の言うこと聞くの!」

P「別に良いけど、俺が勝ったら勝手に部屋に入るの禁止な」

海美「やっぱり争いは悲しみを生むだけだからやらない方が良いよね!」
157 :BBP ◆p7PT31uvn8zf [saga]:2017/05/17(水) 01:19:54.85 ID:t8ncdzAlo
貴音「わたくしは釣りが余り得意ではありませんので、見学いたします」

響「貴音ーなんで焚き火してんの?」

貴音「はて…」

恵美「釣りかー、アタシあんまりやった事無いんだよね」

志保「私もです」

海美「じゃあじゃあしほりんとめぐみーには私が教えてあげる!」

恵美「お、よろしくー!」

志保「ありがとうございます」
158 :BBP ◆p7PT31uvn8zf [saga]:2017/05/17(水) 01:32:31.38 ID:t8ncdzAlo
美奈子「ひいぃぃ」

P「あ、そうだった」

釣り餌となる虫に青ざめている佐竹さんに駆け寄る

P「佐竹さん大丈夫か?」

美奈子「うう…ルアーは無いんですか…?」

P「残念ながら」

佐竹さんの釣り竿にささっと釣り餌をつける

そのままキャスティングし、佐竹さんに手渡した

P「これなら大丈夫かな?」

美奈子「あ、ありがとうございます」
159 :BBP ◆p7PT31uvn8zf [saga]:2017/05/17(水) 01:57:43.12 ID:t8ncdzAlo
恐らく一人では出来ないであろう佐竹さんにつくことにした

P「佐竹さん、釣りは?」

美奈子「昔ちょっとだけ」

P「そっか、じゃあ釣ることに関しては大丈夫かな?」

美奈子「はい、リールもついてますし大丈夫だと思います!」

俺も佐竹さんの隣でキャスティングして、腰を下ろした

獲物がかかるまで、のんびりしよう

P「今日は良い天気だな」

美奈子「そうですね、雲も少なくて…」

風も気持ち良いし、とても快適だ
160 :BBP ◆p7PT31uvn8zf [saga]:2017/05/17(水) 02:06:27.02 ID:t8ncdzAlo
美奈子「あ、かかりました!」

P「お」

佐竹さんがリールを引き、魚を釣り上げる

俺は亜美を用意し、釣った魚を引き寄せた

P「これは…」

美奈子「鰺ですね」

P「鰺か」

鰺をクーラーボックスに入れて、佐竹さんの竿に餌を付けた
161 :BBP ◆p7PT31uvn8zf [saga]:2017/05/17(水) 02:12:34.93 ID:t8ncdzAlo
話しながら何匹か魚を釣った

時刻はもうすぐ昼だろうか

冬馬を餌に鮫を釣ろうとしている海美と翔太を眺めていると

美奈子「…」

俺の肩に佐竹さんの頭が乗せられた

P「佐竹さん?」

声をかけてみるが反応は無い

耳を澄ますと微かに寝息が聞こえてきた
162 :BBP ◆p7PT31uvn8zf [saga]:2017/05/17(水) 02:23:39.36 ID:t8ncdzAlo
P「…」

俺は佐竹さんを起こさないように体勢を整え、ゆっくり釣り竿を置いた

この気持ち良い気候なら眠たくなっても仕方ない

しかし…

眠っている佐竹さんから良い匂いがしてくる

これは結構辛いかもしれない

俺は佐竹さんの匂いを気にしないようにし、時間を潰した

結局佐竹さんが目を覚ましたのは一時間後のことだった
163 :BBP ◆p7PT31uvn8zf [saga]:2017/05/17(水) 02:24:42.88 ID:t8ncdzAlo
一旦ここまで
164 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/05/17(水) 02:44:36.24 ID:8bYGspZZO
165 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/05/17(水) 07:41:53.47 ID:7jTLCF2t0
おつ
亜美まで乱入してくるとは
166 :BBP ◆p7PT31uvn8zf [saga]:2017/05/18(木) 01:04:22.42 ID:2jCqx9E9o
冬馬「楽しかったな」

翔太「だねー」

恵美「やー堪能した堪能した」

海美「しほりん、どうだった?」

志保「そうですね…楽しかった、です」

響「なんか散々な目にあってた気がするけど、自分も楽しかったさー!」

貴音「…」

響「貴音?」

貴音「ぷっぷか山…あそこには、何やら面妖な気配を感じました」
167 :BBP ◆p7PT31uvn8zf [saga]:2017/05/18(木) 01:08:36.12 ID:2jCqx9E9o
P「佐竹さんは、どうだった?」

美奈子「はい!すごく楽しかったですよ!」

美奈子「恵美ちゃんや海美ちゃんとも沢山お話して…」

美奈子「やっぱりみんなでお泊まりは良いですね!」

P「ああ」

朝までバカバカしい話をしているだけですごく満たされるし、やっぱり友達とどこかに泊まるのは楽しいものだ

美奈子「ただ…」

P「ただ?」

美奈子「管理人さん、少し変わってましたよね?」

P「ああ、確かに」

独特な雰囲気を持つ人だった
168 :BBP ◆p7PT31uvn8zf [saga]:2017/05/18(木) 01:12:00.61 ID:2jCqx9E9o
美奈子「なんというか、少し恐かったです」

P「恐い?」

美奈子「はい、うまくは言えないんですけど…」

確かに独特の雰囲気はあったがどちらかというとふわっとしてる美人さんだった気がするけど…

美奈子「まあ、私の気のせいかもしれません」

P「まあ人にも合う合わないはあるからもしかしたらたまたま合わない人だったのかもね」

美奈子「かも、しれませんね」
169 :BBP ◆p7PT31uvn8zf [saga]:2017/05/18(木) 01:36:45.91 ID:2jCqx9E9o
P「ま、なんにせよ楽しめたならよかった」

美奈子「はい、次の機会があればまた行きたいですね」

P「俺もだ」

美奈子「今度はカレーを作るのも良いかもしれませんね!」

P「佐竹さんのカレーか、絶対美味いな」

美奈子「ふふ、楽しみにしていてくださいね?」

P「ああ、次のキャンプが楽しみだ」

美奈子「私も、楽しみです」

今回のキャンプは良い思い出になった、佐竹さんとも仲良くなれた気がする

こうして俺達のGWは過ぎていった
170 :BBP ◆p7PT31uvn8zf [saga]:2017/05/18(木) 01:48:09.08 ID:2jCqx9E9o
美奈子「明日から学園かー」

GW最終日、カレンダーを見ながらそんなことを呟く

今年のGWはあっという間だったなぁ…

キャンプも楽しかったし

海美ちゃんや周防くんとお泊まりして

本当に楽しかった

美奈子「…」

不意にキャンプの時周防くんに食べさせて貰ったり、彼の肩に頭を預けて寝てしまったことを思い出して頬が熱くなる
171 :BBP ◆p7PT31uvn8zf [saga]:2017/05/18(木) 02:12:21.63 ID:2jCqx9E9o
周防くん…ずっと昔に一緒にいてくれた男の子

海美ちゃんと周防くんと私と三人で、いつも一緒にいて

だからお父さんの修行のために引っ越すときはとても悲しかった

でも周防くんが言ってくれた言葉が、一人になった私を支えてくれた

…ねえ周防くん

私はまだ約束果たしてないよ

いつか約束を果たせる日が来るのかな…

そんなことを考えていた時だった
172 :BBP ◆p7PT31uvn8zf [saga]:2017/05/18(木) 02:15:18.73 ID:2jCqx9E9o
「美奈子ちゃん」

美奈子「え?」

部屋の中から女の人の声が聞こえた

だけど部屋を見渡してみても誰も居ない

当然だ、今この部屋には私しかいないんだから

美奈子「空耳…?」

「約束…約束…ふふ♪」

空耳じゃない、やっぱり誰かがいる

美奈子「だ、誰かいるんですか!?」

声を上げてみるが、返事は無い

代わりに

美奈子「…歌?」
173 :BBP ◆p7PT31uvn8zf [saga]:2017/05/18(木) 02:19:16.00 ID:2jCqx9E9o
透き通るような綺麗な歌が聞こえてくる

その歌はすっと私の心に溶け込んでいくみたいな、そんな感覚があった

美奈子「綺麗な声…」

私は気が付くとその歌に聴き入ってしまっていた

そして再び声が聞こえた

「周防くん、約束…叶えたい?」

美奈子「周防くん…はい、叶えられるなら」

「じゃあ一緒に頑張ろうね、美奈子ちゃん」

囁くように紡がれる言葉に

私はただ頷いた
174 :BBP ◆p7PT31uvn8zf [saga]:2017/05/18(木) 02:19:42.17 ID:2jCqx9E9o
一旦ここまで
175 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/05/18(木) 02:43:56.79 ID:+RakiRYZ0
これは天啓か悪魔の囁きか……
乙です
176 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/05/18(木) 02:54:18.33 ID:psgYttS+O
可憐を!可憐を呼んでくるんだ!


この世界の可憐ってどこにいたっけ、プロダクションで怪しげな香水作ってたんだっけ?

(そろそろ出番が消える)お姫ちんが満腹になってそうなのはなによりだ
177 :BBP ◆p7PT31uvn8zf [saga]:2017/05/18(木) 22:45:13.53 ID:2jCqx9E9o
P「おはよう」

エレナ「おはようだヨ!」

GWが明けた登校日、休み明け特有の多少の怠さを感じながらも教室に入り、挨拶する

エレナ「GWはごめんネ-」

P「気にしなくて良いよ」

エレナ「お詫びにブラジルでキーホルダー買ってきたからお土産!」

P「サンキューエレナ」

サッカーボールのキーホルダーを貰った
178 :BBP ◆p7PT31uvn8zf [saga]:2017/05/18(木) 22:55:44.33 ID:2jCqx9E9o
美奈子「おはようございます、周防くん!」

P「うおっ!お、おはよう佐竹さん」

さっきまで誰もいなかった筈なのだがどこからともなく現れた佐竹さんに驚いてしまう

美奈子「GW、楽しかったですね!」

P「ああ、楽しかった」

美奈子「また、行きたいですね!」

P「そうだな…」

美奈子「それはさておき周防くん、一つお願いがあるんです」

P「お願い?」
179 :BBP ◆p7PT31uvn8zf [saga]:2017/05/18(木) 22:59:56.31 ID:2jCqx9E9o
美奈子「実はまた新メニューを作ることになって、試食してくれる人を探してるんです」

P「俺はそれを探す感じか」

美奈子「いえ、周防くんに試食して欲しくて」

P「俺に?」

美奈子「はい、駄目ですか?」

P「駄目じゃ無いけど…どうして俺に?」

貴音でも大丈夫だと思うけど…

美奈子「周防くんが一番美味しそうに食べてくれたから」

P「え?」
180 :BBP ◆p7PT31uvn8zf [saga]:2017/05/18(木) 23:09:29.38 ID:2jCqx9E9o
俺を見つめる佐竹さんの瞳には温度が無く、冷やっとするような眼だった

美奈子「私の中で一番信頼出来る周防くんにお願いしたくて」

P「あ、ああ…まあ構わないけど」

美奈子「ありがとうございます!それじゃあ放課後、お待ちしてますね!」

佐竹さんはいつもの笑顔を見せ、自分の席へ戻っていった

…さっきの眼は気のせいか?

「…」
181 :BBP ◆p7PT31uvn8zf [saga]:2017/05/18(木) 23:13:37.48 ID:2jCqx9E9o
昼休み、今日は学食の手伝いが無いので私は屋上に来ていた

美奈子「ねえぷっぷかさん、周防くん誘えたよ」

「そうだね、美奈子ちゃん頑張った!偉い偉い」

美奈子「誘った後、どうすれば良いのかな」

「美奈子ちゃんのお料理で周防くんを虜にしちゃおう?」

美奈子「出来るかな…」

「大丈夫、美奈子ちゃんなら出来るよ」

美奈子「…うん、頑張るね」
182 :BBP ◆p7PT31uvn8zf [saga]:2017/05/18(木) 23:17:48.60 ID:2jCqx9E9o
美奈子「周防くんを誘って、一緒にご飯を食べて」

美奈子「そのままずっと一緒が良いな…♪」

「美奈子ちゃんなら周防くんとずっと一緒にいられるよ」

美奈子「ぷっぷかさんがそう言うなら心強いです」

美奈子「じゃあ教室に戻りますね」

「うん、じゃあ私はしばらく学園をうろうろしてるね」

美奈子「はい」
183 :BBP ◆p7PT31uvn8zf [saga]:2017/05/18(木) 23:25:09.09 ID:2jCqx9E9o
放課後、靴を履き替えて帰ろうとした時だった

美奈子「周防くん」

P「うわぁ!」

急に後ろから声をかけられてビビってしまう

P「さ、佐竹さんか」

美奈子「一緒に行こう?」

一瞬で靴を履き替えた佐竹さんが俺に手を差し伸べる

俺は何かに誘われるように手を取ると、佐竹さんは俺の手を握った

美奈子「じゃあ、いきましょう」
184 :BBP ◆p7PT31uvn8zf [saga]:2017/05/18(木) 23:28:28.60 ID:2jCqx9E9o
新メニューの試食が理由だった筈なのだが、特に新メニューらしきものは出て来ず、チャーハンや餃子などが振る舞われた

やはりどれも美味い、そして多い

P「ふう…」

何とか食べきり、箸を置く

美奈子「良い食べっぷりでしたね!」

P「どうも」

美奈子「今日の料理、どうでしたか?」

P「ああ、美味しかったよ、流石は佐竹さん」
185 :BBP ◆p7PT31uvn8zf [saga]:2017/05/19(金) 00:36:43.14 ID:GvKlXSbWo
美奈子「ありがとうございます」

P「ところでこれ、新メニューは…」

美奈子「また試食、お願いしても良いですか?」

佐竹さんが笑顔で身を乗り出してくる

P「あ、ああ」

俺はその笑顔に気圧され、頷く事しか出来なかった
186 :BBP ◆p7PT31uvn8zf [saga]:2017/05/19(金) 00:42:11.65 ID:GvKlXSbWo
その後も佐竹さんに何度か誘われてお邪魔する

そのたびに佐竹さんは大量の料理を振る舞ってくれた

最近は誘われることに何の疑問も抱いていない

そんなある日のことだった

学園の下駄箱に一通の手紙が入っていた

差出人の名前は無く、ただ俺に宛てただけのシンプルなものだ

P「なんだ…?」

開封し、中身を確認すると

今日、オカ研へ来るべし-真壁瑞希-

と書かれていた
187 :BBP ◆p7PT31uvn8zf [saga]:2017/05/19(金) 00:42:38.05 ID:GvKlXSbWo
一旦ここまで
188 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/05/19(金) 00:44:59.64 ID:1MWb8Lrjo

ぷっぷかさんこえぇ…
189 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/05/19(金) 01:53:34.18 ID:TC0RIyQiO
乙乙
TA03だこれー!
まかべーは初出演だっけ?
190 : ◆Jnlik0MEGA [sage]:2017/05/19(金) 02:48:21.91 ID:znzSQ2A70
魅裏怨すきだったわ
http://i.imgur.com/6P203EL.jpg

>>133
我那覇響
http://i.imgur.com/yXZyTa0.jpg
http://i.imgur.com/CDCvZHh.jpg

四条貴音
http://i.imgur.com/aMmdtNl.jpg
http://i.imgur.com/iC03pSy.jpg

>>189
翼ルート334レス目が初かな?
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1459499527/334
191 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/05/19(金) 07:47:35.03 ID:aTBG0qhEO
おつー
異色のルートになってきたな
192 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/05/19(金) 07:57:18.02 ID:IajrhjJ3o
まさかのぷっぷかホラールート…
可憐と可奈も絡んでくるのかな
193 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/05/19(金) 09:43:30.60 ID:/I+82+2lO
スマイル一番!の歌詞がこんなに恐くなろうとは
胃薬わたさなきゃ(使命感)
194 :BBP ◆p7PT31uvn8zf [saga]:2017/05/19(金) 23:43:03.93 ID:94h83iAlO
P「オカ研?」

まさかオカルト研究部のことか?噂に聞いたことはあるがまさか実在していたとは

P「真壁…瑞希」

この名前には見覚えがある

うちのクラスにいる女生徒だ

一度も話したことない筈なんだが…一体真壁さんが俺に何の用なのだろう

まあ、行ってみれば分かるか
195 :BBP ◆p7PT31uvn8zf [saga]:2017/05/19(金) 23:49:51.70 ID:94h83iAlO
放課後

美奈子「周防くん」

最近は気配を消して俺の後ろに立つ佐竹さんにも慣れてきたので驚くことも無くなった

P「どうした?」

美奈子「今日もね」

P「あーごめん、今日は用事があるんだ」

美奈子「…じゃあ私、待ってるね」

P「どのくらい時間かかるかわからないし大丈夫だよ、佐竹さんは先に帰ってて」

美奈子「…わかった、でも」

P「?」

美奈子「あんまり遅いと、迎えに来ちゃうかも」
196 :BBP ◆p7PT31uvn8zf [saga]:2017/05/20(土) 00:18:57.96 ID:UOgoxzv4O
佐竹さんと別れた俺は手紙に同封されていた地図を元にオカ研を探していた

P「この辺りの筈なんだが…」

地図に書かれた教室の前に辿り着くも特に部活動であることを示すものは何も無い

しかし地図は確かにこの教室を示している

P「…ここで良いのか?」

何にせよ確認しなくては始まらない俺は扉に手をかけ、スライドした
197 :BBP ◆p7PT31uvn8zf [saga]:2017/05/20(土) 00:24:31.94 ID:UOgoxzv4O
P「…」

扉を開けると暗幕に包まれた部屋が視界に入る

…ビンゴか

辺りを見渡すと如何にもな雰囲気の小物が沢山ある

どうやらここがオカ研で間違いないようだ

P「すいません、真壁さんいますか?」

声をかけてみるが返事はない

P「いないのかな?」

鍵をかけていないのは不用心だな

誰も居ないなら帰ろう、俺はそう考え踵を返そうとした時だった

「…お待ちしてました、周防さん」

女の子の声が聞こえてきた
198 :BBP ◆p7PT31uvn8zf [saga]:2017/05/20(土) 00:29:38.00 ID:UOgoxzv4O
P「真壁さん?」

瑞希「はい、私が真壁瑞希です…すみません、少し着替えをしていました」

P「あ、着替えてたのか」

迂闊に奥に行かなくてよかった

P「早速本題なんだけど」

瑞希「呼び出された件ですね」

P「ああ、なんでオカ研に呼ばれたのか分からないんだ」

瑞希「それを説明するには役者が足りません、もう少し待っていてくだい…すぐ来ます」

真壁さんの言葉のすぐ後に

「ご、ごめんなさい、お、遅くなっちゃって…」

P「君は…」

見覚えのある人物がオカ研へやってきた
199 :BBP ◆p7PT31uvn8zf [saga]:2017/05/20(土) 00:30:29.91 ID:UOgoxzv4O
一旦ここまで
200 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/05/20(土) 02:44:54.57 ID:5Km90XVXO
201 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/05/20(土) 06:38:50.56 ID:XEIzQLgGO
こっちだとプロダクション体験入学してるんだっけ?
乙でした
202 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/05/21(日) 21:22:20.92 ID:7F1R9/QrO
乙、今さらだけど√CでもPがエビチリ食べてたのって伏線だったんだな
203 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/06/04(日) 02:16:54.69 ID:iNF2PRt9O
ほす
204 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/06/19(月) 01:00:52.04 ID:mSZahpDE0
ほ?
205 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/07/03(月) 23:03:29.41 ID:fsrTe9Tp0
ほっしゅほっしゅ
206 :LIP ◆p7PT31uvn8zf [saga]:2017/07/06(木) 00:46:51.50 ID:oDUNjkZqo
P「可憐?」

可憐「あっ、Pさん、き、来てくれたんですね」

オカ研に来たのはかつての同僚で今のクラスメイト、篠宮可憐だった

俺がプロダクションを辞めて以来疎遠になっていたのだが…

P「どうして可憐が?」

可憐「そ、その…実は…」

瑞希「篠宮さんには霊感があります」

P「霊感って…幽霊とかが見えるっていう?」

可憐「は、はい、わ、私は見えるわけでは無いんですけど…に、匂いが…」

P「匂い?」

可憐「は、はい、幽霊の匂いがわ、わかるんです」
207 :LIP ◆p7PT31uvn8zf [saga]:2017/07/06(木) 00:52:09.08 ID:oDUNjkZqo
P「それは普通に凄いけど…一体俺と何の関係が?」

可憐「それは…その…」

瑞希「篠宮さんは周防さんから霊の匂いを感じたそうです」

P「えっ、俺なんかに取り憑かれてるの?」

可憐「い、いえ、匂いの元はPさんでは無いです」

瑞希「匂いの元となる霊は巧みに匂いを消しているようで、篠宮さんにも察知できないそうです………強敵」

P「ただ、俺からは霊の匂いがすると?」

可憐「はい…それも非常に強力な悪霊の匂いです」

P「悪霊か…」
208 :LIP ◆p7PT31uvn8zf [saga]:2017/07/06(木) 01:36:57.20 ID:oDUNjkZqo
なんかイマイチピンとこない

あまり現実味が無いからかな

ただ真壁さんや可憐が本気なのは伝わってくる

P「えーっと、結局俺はどうすれば良いんだ?」

瑞希「そうでした、では、本題に入ります」

瑞希「最近変わったことはありませんでしたか?」

P「変わったことか…」

記憶を辿ってみるが思い当たらないな

P「いや、特には」

瑞希「…そうですか」
209 :LIP ◆p7PT31uvn8zf [saga]:2017/07/06(木) 02:11:01.36 ID:oDUNjkZqo
可憐「な、何かあったら知らせてください」

可憐「その…と、とても恐い匂いがするので、心配です」

P「わかった、ちゃんと伝えるよ」

可憐「お願いします…」

瑞希「周防さん」

P「?」

瑞希「私の方でも色々と調査しますので」

P「ありがとう真壁さん」

瑞希「いえ…では周防さん、お気をつけて」
210 :LIP ◆p7PT31uvn8zf [saga]:2017/07/06(木) 02:14:05.41 ID:oDUNjkZqo
オカ研を出てスマホを確認する

そんなに時間は経っていないものの佐竹さんからの着信が37件あった

どうやら心配させてしまったらしい

P「早く行かないとな」

俺は靴を履き替えて佐竹飯店へ向かう

最近聞こえるあの歌…結構スキなんだよな

佐竹さをの料理と最近佐竹さんの家で聞こえる綺麗な歌に期待しながら、俺は歩いて行った
211 :LIP ◆p7PT31uvn8zf [saga]:2017/07/06(木) 02:14:32.61 ID:oDUNjkZqo
一旦ここまで
212 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/07/06(木) 02:33:59.92 ID:p77DaWGjO
乙です
213 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/07/06(木) 10:52:45.42 ID:NlAYsWsOO
37件に違和感を覚えないあたり普段どれだけ海美と電話してんだ?ってなる
214 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/07/08(土) 08:45:40.05 ID:zUcyZJoco

というよりすでに憑りつかれてるのでは?

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