という妄想のSSです。
わたし春日未来、14歳!
好きなものは髪留めとアイドル、嫌いなものは国語と数学と理科と社会と英語と…… あれ? 全部?
まぁそれは置いといて、夢はアイドルになること! テレビで見た765プロの天美春香さんみたいなトップアイドルにきっといつかなる!
で…… 今日はその夢の第一歩、765プロのオーディションの日なんだけど……
未来「遅刻だ~!!!!!!」
未来「あっ! 見えた、あれがオーディション会場!」
会場が見えてちょっと油断したのか、わたしは曲がり角から来る『影』に気付けなかった……
???「はいほー!」
その『影』はあまりに大きくて、雄大で、人ではないみたい…… ていうか馬だった
ルミちゃん「ヒヒーン」
夢中で走っていたわたしはその馬の猛進をかわせるはずもなく……
未来「うわー!」
アイドルマスターミリオンライブ 完
???「ほ? 誰かぶつかってしまったのです? ごめんなさいなのです~」
馬からとっても可愛い女の子が降りてきました
???「うちのルミちゃんがごめんなさいなのです、ほらルミちゃんも一緒に謝るのです」
ルミちゃん「ヒヒーン……」
未来「ううん、怪我無いから大丈夫だよ…… ってあー!」
???「ど、どうしたのです?」
未来「このままじゃオーディション間に合わないよ~……」
未来「そうだけど…… もしかして」
???「姫も同じく765プロのオーディションに向かっているところなのです」
???「そうなのです! ぶつかっちゃったお詫びに貴女も一緒に行くのです」
未来「えっ? 馬に乗せてもらえるの!?」
???「はいなのです!」
未来「やったー!」
未来「はい!」
???「はいほー!」
ルミちゃん「ヒヒーン!」
???「そうだ、まだ姫の名前を教えていなかったのです」
まつり「姫の名前はまつり、徳川まつりなのです」
未来「わたしの名前は春日未来、よろしくねまつりちゃん!」
これがわたしの、わたし達のアイドル伝説の始まりだった……
律子「はい次の方」
「は、はい……」
律子「お名前を教えていただけますか?」
可憐「はい…… 篠宮…… 可憐です……」
可憐「わ、わたし…… 凄い臆病で、人見知りで…… そんな自分を変えたくて……」
律子「うーん…… でもアイドルって厳しいですよ? いきなりマグロ取りに行かされたり、急に同僚が国家転覆を企ててかつての仲間に引き金を引かなきゃならなかったり」
可憐「そ、そんなことがあるんですか……?」
律子「それでもアイドル 頑張れますか?」
可憐「えぇと…… その……」
律子「えっ!?」
可憐「えっ!?」
社長「君を見ていたら何か感じるものがあってね、是非うちでアイドルを頑張ってくれたまえ」
可憐「は、はい…… よろしくお願いします?」
律子「ていうか今のところ最終審査に来た36人中34人合格させてるじゃないですか!」
社長「いやー やはり最終審査に残るだけあってみんな魅力的だからね」
社長「いっそアイドルを100万人くらい集めて『ミリオンライブ!』なんてどうかね」
律子「はぁ……」
律子「えぇと 『春日未来』さんと『徳川まつり』さん?」
小鳥「あのー」
律子「なんですか?」
小鳥「その二人が今来てて……」
律子「こんなに遅刻するなんていい根性してるじゃない…… 二人まとめて呼んでください」
未来「はーい!」
まつり「はいなのです~」
未来「ん、二人?」
未来「おねーさんもオーディション受けに来たんじゃないんですか?」
??「はい~ プロデューサーのオーディションを受けに来ましたよ~」
??「貴女たちもプロデューサーになりに来たんじゃないんですか~?」
まつり「まつり達はアイドルになりに来たのです」
??「そうですか~ 違うんですか~」
未来「そんなに可愛いのに~」
??「いえいえ~ わたしはアイドルを応援したいので~」
まつり「さ、行きましょう未来ちゃん」
未来「はじめまして!」
社長「ティンと来た!」
律子「もしかして……」
社長「二人から感じるものがある、二人とも合格」
律子「社長!」
こうしてわたし達は『アイドル』になった
未来「やった! わたし達アイドルになれたよまつりちゃん!」
まつり「これからよろしくなのです、未来ちゃん」
未来「二人でトップアイドル、目指そうね!」
まつり「はいなのです!」
??「ふふふ…… そう上手く行くでしょうか~」
未来「えっ! 誰!?」
次回 『ユニット結成!』
??「しーゆー、ねくすとた~いむ」
一旦おつです
>>2
春日未来(14)
http://i.imgur.com/sD0gyGZ.jpg
http://i.imgur.com/z7HCV1c.jpg
>>7
徳川まつり(19)
http://i.imgur.com/NcN69cz.jpg
http://i.imgur.com/kBtVKYP.jpg
>>8
秋月律子(19)
http://i.imgur.com/kofYeNC.jpg
http://i.imgur.com/iCJLoUg.jpg
>>8
篠宮可憐(16)
http://i.imgur.com/8TkTqJy.jpg
http://i.imgur.com/b9bOKXw.jpg
>>12
音無小鳥(2X)
http://i.imgur.com/hFRWAa5.jpg
http://i.imgur.com/ElSKgHB.jpg
関係ないけどゲッサンのプロデューサーも太眉だったな
わたしとまつりちゃんがアイドルになってから3ヶ月、わたし達はあの輝くステージに立って……
無かった
未来「静香ちゃん! またライブやるの!?」
静香「ええ、先輩たちのライブに少し参加させてもらうのよ、まぁ前座みたいなものね」
未来「それでも凄いよ!」
この娘は最上静香ちゃん わたしと同じオーディションで765プロに入ったアイドル
今は『クレシェンドブルー』って5人組のユニットで絶賛売り出し中の売れっ子だ
静香「今行くわ」
未来「ねぇ静香ちゃん! どうしたらわたし達もライブ出来るようになるかな!」
静香「どうしたらって…… 頑張って地道にレッスンするしかないでしょ」
未来「えー、わたしとまつりちゃんだって一生懸命レッスンしてるよ?」
わたしとまつりちゃんのユニットは静香ちゃん達と違って人気は全然、CDも出せてない
未来「あっ! もしかして静香ちゃんたち秘密の特訓とかしてるんじゃないの!? 例えば滝に打たれるとか!」
静香「そんなことしないわよ!」
未来「ずるい! ずるいよ静香ちゃん!」
未来「そうだ! まずクレシェンドブルーって5人組なのもずるだよ! わたし達二人なのに!」
静香「人数でユニットの良さが決まるわけないでしょ!?」
未来「星梨花ちょうだいよ! わたしとまつりちゃんと星梨花で3人ユニット組むから!」
静香「ダメよ! 星梨花は絶対ダメ!」
未来「静香ちゃんのけち!」
静香「けちって…… 星梨花の代わりに志保ならいくらでもあげるわよ」
志保「は?」
未来「そうだよ! わたし達も5人、ううんせめて3人ユニットになろうよ!」
まつり「なるほど、それはとってもわんだほーなのです~」
未来「早速声をかけに行こー!」
まつり「ごー! なのです~」
風花「わっ!? み、未来ちゃん!?」
未来「わたし達のユニット入ってもらえませんか?」
風花「えーっと、まつりちゃんと未来ちゃんのユニットに?」
未来「はい!」
風花「ま、まずそんなに密着されたら話しにくいし少し離れてもらえるかな~?」
未来「あ、はい」
風花「う、うーん…… 私で大丈夫かな~……?」
未来「大丈夫ですよ!」
風花「でも未来ちゃんもまつりちゃんもとっても可愛いし、私じゃ……」
未来「大丈夫です!」
風花「う、うん…… プロデューサーさんと話し合って考えてみるね……」
未来「はい! お願いします!」
未来「あっ! ジュリアさーん」
ジュリア「ん、なんだ未来」
未来「わたし達のユニットに入ってもらえませんか?」
ジュリア「はぁ? なんであたしが?」
未来「ジュリアさんの歌とってもかっこいいじゃないですか! わたし達にも曲作ってくださいよ~」
ジュリア「……」
ジュリア「おいやめろ! 一瞬2人に混ざって歌うあたしの姿想像しちゃったじゃねーか!」
ジュリア「いや絶対変だろ…… て言うかお前ら2人に混ざれる奴なんてこの事務所にいねーだろ……」
未来「わたしも静香ちゃんとかジュリアさんとかみたいにかっこいい曲歌いたいです!」
ジュリア「…… あのな、人には向き不向きがあるんだよ、未来とまつりには可愛い曲が似合うだろ、やっぱり」
未来「そうなんですか?」
ジュリア「そういうわけだから、新メンバーは他をあたってくれ」
未来「はーい」
ジュリア(ふう…… 上手いことやり過ごせた……)
ジュリア(あの二人と波長合うのなんてレイくらいじゃないか? いやもう一人…… つってもあいつはアイドルじゃないから無理か……)
まつり「そうだ、あの子が良さそうなのです」
まつり「はいほー」
百合子「あ、杏奈ちゃん…… こ、こんなところで……」
杏奈「杏奈…… 我慢出来ない……」
百合子「杏奈ちゃん……」
杏奈「おうえん…… して?」
百合子「応援…… するよ…… んっ」
杏奈「んっ……」
まつり「……」
まつり「あの二人はダメとして……」
まつり「はいほー」
翼「美希せんぱ~い」
美希「あふぅ……」
翼「起きてくださ~い」
美希「……」
翼「…… 本当に寝てる? つんつん」
美希「……」
翼「つまり今の美希先輩にはなんでもやりたい放題…… あんなことやこんなことも……」
翼「えへへ…… 恋のレッスン中級編お願いしま~す」
まつり「……」
未来「まつりちゃーん」
まつり「未来ちゃん、新メンバーはどうだったのです?」
未来「ジュリアさんには断られちゃったけど、風花さんは『考えておく』って言ってくれました」
まつり「そうなのですか……」
未来「これで3人組になりましたね!」
まつり「そうですねー」
??「未来ちゃーん、まつりちゃーん」
未来「あ、プロデューサーさん」
この人はわたし達のプロデューサーの宮尾美也ちゃん
ぼーっとしてるように見えて実はとっても凄い!
なんと言ってもわたしのお仕事の前に絶対お菓子を差し入れてくれる、しかもわたしたちの好みにちょうど合っている 凄い
美也「新しいお仕事ですよ~」
まつり「ほ? 今度は何の動物と触れ合うのです? コモドドラゴンさん? サーベルタイガーさん?」
未来「それともまた無人島でサバイバル?」
未来「えっ! ほんとですか! ライブ!?」
まつり「ついにまつり達も大人気アイドルになれるのです~」
未来「やった! やったよまつりちゃん!」
まつり「それで、会場はどこなのです?」
美也「イ○ンですよ~」
未来「イオ○?」
美也「はい、○オンです」
美也「未来ちゃん、イオンはとっても凄いんですよ」
未来「え?」
まつり「そうなのです、まつり達は残念ながらまだまだあまりファンの居ないアイドル、単独でライブをやってもお客さんが来てくれるかわからない」
美也「でもイオンならたくさん人が居て、色んな人にふたりのことを知ってもらえますよ」
未来「そっか~ そう考えたら凄そう! 凄い! 凄いよイオン!」
美也「ライブも決まったし、今日もレッスン頑張りましょ~ えいえい」
まつり、未来、美也「おー!」
未来「♪~」
まつり「♪~」
未来「イェイ!」
トレーナー「うん、良い感じよ未来ちゃん、それにまつりちゃんも」
まつり「どうしたのです?」
美也「やっぱり何か足りないですね~」
未来「何か?」
美也「う~~~~~ん~~~~~」
美也「そうだ、もうひとりメンバーを追加するのはどうでしょうか~?」
まつり「その話 さっきもしてたのです」
美也「そうでしたか~」
美也「風花さんが入ってくれるんですか~?」
未来「『考えてみる』って言ってくれました」
美也「なるほど~ それなら今度からは3人居る前提で練習しないと~」
まつり「それなら一旦美也ちゃんが入るのはどうです?」
美也「わたしですか?」
未来「そうだね、風花さんが入った時のために3人で練習しないと、お願いしますプロデューサーさん」
美也「わかりました、一肌脱ぎましょ~」
トレーナー(大丈夫かしらこの子たち……)
未来「キメっ」
まつり「ほっ?」
美也「どやっ……」
未来「プロデューサーさんすごーい! ちゃんと踊れてる!」
美也「いえいえ~ ふたりに比べたら全然です~」
トレーナー「いえ、細かい部分のミスはあるけど貴女本当に優秀よ」
美也「わたしはプロデューサーなので~」
まつり「そうです、美也ちゃんがアイドルになって姫たちと一緒に3人グループになるのです!」
美也「なんと~」
未来「風花さんは?」
まつり「美也ちゃんならまつり達と相性バッチリなのです」
美也「う~ん、でも~……」
美也「う~ん……」
まつり「姫と未来ちゃんと、美也ちゃんで! 一緒に頑張りましょう?」
未来「風花さんは?」
美也「わかりました、今度からはふたりの後ろからだけじゃなくて、横からもふたりを助けます!」
まつり「よろしくなのです~」
未来「これで4人組のグループになったね!」
未来「これで4人組、あとひとり入ってくれたら静香ちゃん達と同じ5人組だね」
風花「えっと…… 未来ちゃん」
未来「なんですか?」
風花「あの…… その…… ね?」
まつり「ほ? まつりの話し方のマネなのです?」
風花「えーっと…… だから~……」
次回『初めてのステージは超……緊張?』
まつり「次回も絶対見て欲しいのです」
まつり「約束…… だよ?」
って思ったら自分で「みやみやペース」って書いてた 反省
それよか百合子が杏奈を「応援」するシーンの描写はよ
らへんも美也の自己紹介文へリスペクトを感じたしね
一旦乙です
>>23
最上静香(14)Vo
http://i.imgur.com/Ptu8skG.jpg
http://i.imgur.com/NhOGuq5.jpg
>>24
北沢志保(14)Vi
http://i.imgur.com/CEu31ZI.jpg
http://i.imgur.com/n2acEO5.jpg
>>28
豊川風花(22)Vi
http://i.imgur.com/0ujJwbl.jpg
http://i.imgur.com/KOEI0aZ.jpg
>>30
ジュリア(16)Vo
http://i.imgur.com/ijqQ0Sk.jpg
http://i.imgur.com/EZZCZqE.jpg
>>32
望月杏奈(14)Vo
http://i.imgur.com/m6Y8Lf2.jpg
http://i.imgur.com/bEyC9bz.jpg
七尾百合子(15)Vi
http://i.imgur.com/CEh5FgW.jpg
http://i.imgur.com/MaIDoUK.jpg
>>33
伊吹翼(14)Vi
http://i.imgur.com/x97n79w.jpg
http://i.imgur.com/vPw1mZ8.jpg
星井美希(15)Vi
http://i.imgur.com/wN2KrGu.jpg
http://i.imgur.com/gxJ9Inf.jpg
>>35
宮尾美也(17)
http://i.imgur.com/4igCYB6.jpg
http://i.imgur.com/roD1T7G.jpg
美也「さて、今のわたし達にはひとつ、とても大切なものが足りて無いですね~」
未来「大切なもの? もぐもぐ」
まつり「今の姫たちはとってもわんだほーなのですよ? ぽりぽり」
美也「わたしはプロデューサーですからね~ ばりばり このグループのことをちゃんと考えているのですよ~ ばりばり」
未来、まつり「それは?」
美也「……」
美也「グループ名です……」
未来「……」
まつり「……」
まつり「姫としたことが…… とっても大事なことを忘れていたのです……」
美也「大丈夫ですよ~ プロデューサーのわたしがちゃんといい名前を考えてきましたから~」
未来「流石プロデューサーさん!」
美也「じゃん、『えむえむえむ』です」
まつり「ほ?」
美也「未来ちゃんのM、まつりちゃんのM、美也のMで『えむえむえむ』」
美也「どうですか~?」
未来「うーん……」
まつり「姫には似合わないのです」
美也「そうですか~ せっかく頑張って考えたんですけど……」
未来「『いちごヨーグルトぽむぽむ』!」
美也「う~ん…… どっちもピンと来ないですね~……」
未来「じゃあ事務所のみんなに聞いてみようか?」
まつり「まつり達3人で考えてるだけじゃ中々決まらないのです」
美也「そうですね~」
未来「まずはもうひとりの仲間の風花さんに聞いてみようよ」
未来「『わたし達のグループ名どうしましょう!?』っと」
美也「あ、百合子ちゃ~ん、昴ちゃ~ん」
昴「ん、未来にまつりにプロデューサーじゃん」
百合子「あ! 聞きましたよ3人でグループ組んだんですよね?」
まつり「はい、だけど姫たちにぴったりなグループ名が決まらなくてとっても困っているのです……」
昴(グループ名か……)
そうだ、ロキにちなんで『レーヴァテイン』なんてどうですか? とってもかっこいいですよね? 炎属性最強の剣でその一振りは炎を薙ぎ、業炎を喰らうとされていて……」
昴「タウラス」
百合子「タウラス……? そっか、なるほど! 牡牛座の中にあるプレアデス星団、その神話にある美しき姉妹をなぞらえたんですね! 流石昴さん!」
昴(今日の星座占いの1位牡牛座だったなー)
そんなわけでわたし達のグループ名は『いちごタウラスwithえむ』略して『タウラス』になりました
風花(グループ名……? そんなのどうでもいいんじゃ……)
風花(でも未来ちゃんは大変って言ってるし……)
風花(グループの話も未来ちゃんを騙すような形になっちゃってまだ正式に断ってないし……)
風花(グループ名くらい一緒に考えてあげないと!)
風花「えっと…… ネーミング、ネーミング…… こういうの百合子ちゃんなら詳しいかな……」
美也「さて、いよいよライブ当日になりました」
美也「わたし達だけのイベントは初めてで、少し緊張するかもしれませんが、お菓子を食べてリラックスしましょ~」
未来「やったー 今日もお菓子だ~」
まつり「ありがとうなのです美也ちゃん」
美也「いえいえ~ わたしはタウラスのメンバーでありプロデューサーでもありますから~ ふたりがリラックスして全力で臨めるようにしないといけないので~」
未来「おせんべいおいし~」
美也「それでは、わたしはちょっと用があるので~」
まつり「……」
まつり「美也ちゃん」
美也「まつりちゃん、どうしました?」
まつり「美也ちゃんこそ、こんな所でひとりで何しているのです?」
美也「少し…… ぼーっとしてました~」
まつり「今日はタウラスにとって初めてのライブで、美也ちゃんのステージデビューでもあるのです」
まつり「だから緊張してるんじゃないかなってまつりは思ったのです」
まつり「もし不安ならアイドルとして先輩のまつりに頼ってもいいのですよ?」
美也「…… 緊張はしてないですよ~」
まつり「そう……」
美也「えっ?」
まつり「まつり達、ずっとバラエティのお仕事ばかりで『正当派アイドルは無理』って言われてたの知ってるのです」
まつり「同期のアイドルでは静香ちゃん達クレブルがとっても売れてるから、まつり達は違う路線で行こうってきっとみんな思ってたのです」
まつり「だけど美也ちゃんはまつり達にこうして歌のお仕事を持ってきてくれた ありがとうなのです」
美也「……」
まつり「先輩のプロデューサーさんがついてるクレブルは売れてるのに、自分のプロデュースが下手だからまつり達は売れてないって」
美也「……」
まつり「タウラスはきっとクレブルにも負けない、とってもわんだほーなグループになれるのです」
まつり「これからも一緒にがんばろ? 美也ちゃん」
美也「…… はいっ」
未来「あー!」
まつり「どうしたのです? 未来ちゃん」
未来「大事なこと、もう一つ忘れてた…… わたし達ってリーダー決めてないよ!」
まつり「リーダー? それなら美也ちゃ」
美也「まつりちゃんですよ~」
まつり「ほ?」
美也「だから、お願い出来ますか? まつりちゃん」
まつり「…… わかったのです」
未来「うん! まつりちゃんなら大丈夫だよね! それじゃあまつりちゃんあれお願い!」
まつり「それじゃあリーダーとしての初仕事、本番前に一発やるのです!」
まつり「せー、の」
まつり、未来、美也「えいえい、はいほー!」
未来「こんちには~」
美也「イオンにお越しの皆さま、わたし達765プロの新人アイドルグループ」
まつり、未来、美也「タウラスです!」
未来「ほんとは4人組なんですけど、ちょっと事情があって今日は3人で歌います」
まつり「お暇な方は是非まつり達の歌を聞いていって欲しいのです」
美也「それでは早速1曲歌わせていただきます」
♪~
未来(う~ん…… やっぱりお客さんあんまり止まってくれないよ~)
まつり(美也ちゃん?)
美也「……」
まつり「美也ちゃん、未来ちゃん、最近何か嬉しかったことはあるのです?」
未来「嬉しかった」
美也「こと?」
未来「う~ん…… わたしは…… 最近学校の授業でダンスがあって、普段ダンスを練習してたから先生に誉められちゃいました! でへへ~」
美也「わたしも誉められました~」
まつり「そう言えばまつりも」
未来「え? まつりちゃんはもう学校行ってないんじゃ?」
まつり「ほ?」
未来「え?」
美也「わたしは…… いつも学校に行く途中にある木が青々と葉をつけたことですね~」
美也「いつも暑い道ですけど、木陰だけは涼しいんですよ~」
美也「お昼寝だって出来ちゃうかもしれません」
未来「えー! 外はこんなに暑いのに!?」
まつり「とってもエコなのです」
美也「マシュマロですか~」
まつり「そう、このイオンで売ってるマシュマロ 一袋に沢山入っているのに安くてとってもわんだほー! なのです」
美也「お~ とっても上手な宣伝ですね~」
まつり「それじゃあ、このマシュマロを未来ちゃんにあげるのです」
未来「ほんとですか!?」
まつり「姫の投げるマシュマロをキャッチ出来たなら、なのです ほいっ!」
美也「おお~! キャッチ成功です~ ぱちぱち~」
まつり「未来ちゃんおめでとうなのです」
未来「ほんとだ! とってもおいしいです!」
まつり「さて、おしゃべりはこれくらいにして、そろそろ姫たちのお歌を聞かせてあげるのです」
未来「わっ! 気付いたらお客さん沢山居る!」
美也「足を止めていただきありがとうございます~」
まつり(さっきまでの美也ちゃん、少し顔が硬かったのですよ?)
まつり(人を惹き付けるのは上手な歌でもダンスでもなくて、やっぱり楽しそうな笑顔)
まつり(美也ちゃん、未来ちゃん、今二人ともとっても良い顔してるよ)
まつり「さぁ、まつり達のわんだほーぱーてぃはまだまだこれからなのですー!」
未来「イオンでのイベント 大成功だったね~」
まつり「小さなお友だちも喜んでくれていたのです」
未来「わたし達って子どもに人気あるんだね!」
まつり「まつり達は親しみやすいアイドル路線でいくのです!」
朋花「まつりさんは子どもみたいな所がありますからね~ 親近感がわくのでしょう♪」
まつり「ほ?」
次回『やっと来た! 私たちのお披露目だい!』
朋花「良い子は12時には寝てくださいね~」
朋花「12時を越えても起きている悪い子には…… お♪ し♪ お♪ き♪ ですよ~♪」
やっぱりみやみやペースになりますがご了承ください。
一旦乙です
>>53
永吉昴(15) Da
http://i.imgur.com/Eeyz5Iq.jpg
http://i.imgur.com/lDnzMKk.jpg
雄牛?知らんな
イオンライブから少しして
わたし達のライブは子ども達にも好評で、見てくれた子どもから親に伝わり、タウラスはじわじわと人気を増してきた
そしてそんなわたし達の最近のお仕事は……
美也「未来ちゃん、まつりちゃん、次の土曜日は亀有のイオンに行きますよ~」
未来「またイオンなのー!?」
まつり「美也ちゃんはイオンの偉い人と友達なのです……?」
桃子「育、お仕事は遊びに行くわけじゃないんだから、イオンに行ったからって遊べるわけじゃないからね」
育「そうなの?」
未来「ううん、イベント終わった後は3人でショッピングしてるよね?」
まつり「沢山お店があって1日じゃ回りきれないのが残念なのです」
美也「ソフトクリームが美味しかったですね~」
桃子「それでいいの……」
未来「なになに!?」
美也「なんと! わたし達のCDデビューが決まりました~」
未来「えっ! ほんとー!?」
育「おめでとう! 未来さん!」
まつり「これで姫もトップアイドルの仲間入りなのです!」
美也「どんとぱふぱふ~」
未来「ミリオンヒットしたら年末の音楽番組とか出られちゃうかな~? 今年は年越しお家で出来なかったりして!? でへへ~」
桃子「全員楽観的すぎない?」
♪~
静香「最後! ここで合わせて!」
レッスン室に5つの足踏みが響き合う、しかしその音はバラバラで、最後のポーズも揃わない
静香「一旦休憩にしましょう」
今、私たちは先輩たちのツアー、そこで務める前座ステージのためのレッスン中だ
前座とはいえ多くの人に私たちのパフォーマンスを見せて、アイドルとしてステップアップするためのチャンスであることは間違いない
だが私たちが下手なステージを見せてしまえば先輩たちの顔に泥を塗ってしまう
歌うのはたった1曲、しかしそれで私たちの今後のアイドル人生が変わると言っても過言ではない
なのに……
志保は振りVを見て自主練習を続けている、熱心なのは良いことなのだが休憩時間にしっかりと体を休めないといつか体には限界が来る
何度も注意してはいるのだけど志保が私の話を素直に聞いてくれたことは今まで一度たりとも無い……
星梨花「はぁ…… はぁっ……」
星梨花は逆に三角座りで壁にもたれかかって肩で息をして、もう立ち上がる余力も無さそうだ
私たちの中で最年少である星梨花は体力不足ももちろんのこと、それを無理にカバーしようとして余計な力が入って、より体力を浪費する癖が抜けきらない
野々原さんはアドリブが多すぎる、ついていけない私たちも悪いのかもしれないが、個を立てて全体の輪を大きく乱しては本末転倒だ
あと脳内に直接言葉を伝えてくるのはやめてください 「ゴメン!」 だからそれをやめてください
麗花さんは…… まぁ…… 多分私のリーダー力不足です……
麗花「あっ、志保ちゃん、わたしこの前お菓子作りに挑戦したんだ~」
志保「えっ、あ、はい……」
麗花「これ何だと思う?」
志保「えっと……」
麗花「正解は~ ひよこでした!」
志保(地獄の具現化かと思った)
もちろん私自身だって課題は山積み、私たちのステージは完璧にはほど遠い
それでも私たちには目指す目標がある、1度だけ、初めてみんなの息が合った、あの『奇跡のステージ』あの感動は私たち全員の記憶に刻み込まれている
あれを奇跡で終わらせないで、常に出来るようになれば私たちはもっと、もっと上へと行ける!
静香「さぁみんな、休憩は終わり 練習行くわよ!」
「うんっ」「オッケー」「はい!」「ええ」
静香「プロデューサー!」
レッスン室に現れたのは私たちのプロデューサー
この事務所に何人か居るプロデューサーのうち最も古株(と言っても年は30手前だけど)で少しぶっきらぼうな印象を受ける人だ
だが、彼の指示はいつだって的確で、彼の高い理想と出来ないことは言わない主義を私はとても信頼している
P「君たちなら本番で最高のステージを見せてくれると信じている」
静香「いえ、私たちはまだ……」
P「必要以上の卑下はしなくていい、君たちは765プロの次世代の主力グループとして期待されている、これがその証拠だ」
静香「これは……」
P「クレシェンドブルー 1stライブだ」
奈緒「聞いたで未来、CD出すんやって?」
美奈子「おめでとう未来ちゃん、ほらこれお祝い!」
未来「ありがとうございます~! おいし~」
美奈子「これからお仕事忙しくなるだろうし、沢山食べて体力つけないとね!」
海美「わたしもたくさん食べてCDデビューするぞ~」
奈緒「わたしらも食べてばっかやなくてそろそろアイドル頑張らんとなぁ…… うまー!」
まつり「ありがとうなのです~」
亜利沙「ありさ、早速DVD付き版、まつり版、未来版、美也版全部予約してきました!」
まつり「わぁ、まつり感激なのです~ そんな亜利沙ちゃんには特別に姫からマシュマロのプレゼントなのです」
亜利沙「えぇー! い、いいんですかぁ~?????」
まつり「もちろんなのです、それ~」
亜利沙「うおおおおお! ありさ、死ぬ気でキャッチしまーす!」
未来「ほんとだ~ プロデューサーさん居ないね~?」
まつり「美也ちゃんならプロデューサーさんに用があるって言ってたのです」
未来「プロデューサー…… あ、静香ちゃん達のプロデューサーさん? 何かあったのかな」
奈緒「まぁプロデューサー同士で話さないといけないこともあるんちゃう?」
美也「こんにちは」
P「何の用だ?」
美也「お話が…… あります」
未来「静香ちゃん! クレブルのライブ見たよ! 静香ちゃんたちの歌がいっちばん良かった!」
静香「ありがとう未来、でも少し照れるわ……」
未来「あんなおっきなステージに立てるなんてなぁ~」
静香「未来も見てるだけじゃなくて、アイドルとして大きな舞台に立てるよう頑張るのよ」
未来「うんっ!」
静香「まつりさんにも美也さんにも迷惑かけちゃダメよ?」
未来「だ、大丈夫だよ~」
次回『激突! タウラスvsクレシェンドブルー!』
静香「えっ!? ちょ、何よこのタイトル! 何で私たちが戦うの!?」
未来「静香ちゃん…… わたし達は争う運命(さだめ)だったんだね……」
静香「未来!? もう! いったいどうなってるのよ!」
静香(ここはくれしぇんどぶるー幼稚園 至って普通の幼稚園、今日も花丸いい一日!)
あかね「びえぇぇぇぇぇぇん!!!!!」
静香「ど、どうしたの茜ちゃん、どこかぶつけたの?」
あかね「れいかちゃんが…… れいかちゃんが…… あかねちゃんのプリン食べたぁぁぁぁぁぁ びえぇぇぇぇん」
静香「本当に? ちょっとれいかちゃん」
れいか「はーい」
静香「あかねちゃんのプリン食べちゃったって本当なの?」
れいか「あ……あれあかねちゃんのだったの……」
あかね「うん…… 二つともあかねちゃんの……」
れいか「2こあったからひとつ食べていいかなー って」
あかね「れいかちゃんと一緒に食べようと思って…… ふたつ持ってきたのに……」
静香「ふふ、あかねちゃんは優しいわね」 ナデナデ
あかね「んん……」
静香「ほら、れいかちゃんも謝って」
れいか「ごめんなさい」
あかね「……」
あかね「今度からは一緒に食べよう?」
れいか「うん!」
しほ「何?」
せりか「なにしてるんですか?」
しほ「えほん…… 読んでるだけ」
静香「凄いじゃないしほちゃん、もう一人で文字を読めるのね」
しほ「別に…… すごくないですよ……」
せりか「いいえ、すごいですよしほさん!」
しほ「そ、そんなこと……」
せりか「いいなぁ…… わたしはまだママに読んでもらわないといけないから好きな本をよめないんです……」
しほ「……」
しほ「それなら……」
せりか「?」
しほ「二人で…… えほん…… ひらがな…… 教えるから……」
美也(ここはばーにんぐがーる幼稚園 至って普通の幼稚園です、今日も花丸毎日平和ですよ~)
美也「今日は公園で遊びますよ~」
たまき、うみ、めぐみ「わ~い!」
ことは「ちょっとみんな! あんまり遠くに行ったらみや先生が困るでしょ!」
たまき「たまきボール遊びしたい」
うみ「よーし、まけないぞ~」
めぐみ「あたしも混ぜて!」
ことは「もう…… みんな……」
美也「ことはちゃん」
ことは「みや先生、みんなが……」
美也「ことはちゃんも向こうで遊んできていいんですよ~」
ことは「でも……」
美也「先生はちゃんと見てますから、大丈夫ですよ」
ことは「いいん…… ですか……?」
美也「はい」
ことは「それなら……」
めぐみ「ことはー! ことはも一緒にやろー!」
ことは「うん! 今行くよー!」
うみ「いいねそれ! みや先生もやろ!」
美也「いいですよ~ それじゃあ先生がオニに」
ことは「いえ、平等にじゃんけんで」
めぐみ「あはは、ことはいいんちょうみたい~」
ことは「平等はだいじなの!」
「じゃんけん、ぽん」
めぐみ「あちゃー あたしがオニかー」
たまき、うみ「かくれろ~!」
ことは(めぐみってばいつもわたしにしつこく構ってきて…… たまには距離を置いた方がいいよね、うん)
ことは(おりがみの時間もやり方聞いてきたり、おえかきの時間も私のクレヨン借りたり)
ことは(おままごとの時だってめぐみはいっつも私のだんなさん役で……)
ことは「……」
ことは「めぐみぃ……」
ことは「うぇぇぇん…… めぐみどこぉー……」
めぐみ「あ! ことは見っけ!」
ことは「めぐみ…… めぐみぃ!」
めぐみ「わっ! どうしたの」
ことは「ひとりで…… さみしかったぁ……」
めぐみ「ほら、よしよし」
ことは「ひとりで…… ずっとこのままなんじゃないかって……」
めぐみ「大丈夫、ことはのことぜったいひとりになんてしないから」
めぐみ「いつだってまっさきにことはのこと見つけてあげる!」
ことは「…… ありがとう、めぐみ」
ということで尺の調整も兼ねて、本編と無関係な番外編をお送りしました。
一旦乙です
>>76
中谷育(10) Vi
http://i.imgur.com/lEiv9kO.jpg
http://i.imgur.com/gMBetJe.jpg
周防桃子(11) Vi
http://i.imgur.com/hnO0MRO.jpg
http://i.imgur.com/1MFCIAU.jpg
>>80
箱崎星梨花(13) Vo
http://i.imgur.com/SW0wYid.jpg
http://i.imgur.com/PGJUcGt.jpg
>>81
野々原茜(16) Da
http://i.imgur.com/rfd5ZlE.jpg
http://i.imgur.com/eTLxQH5.jpg
北上麗花(20) Da
http://i.imgur.com/VtmQJ34.jpg
http://i.imgur.com/holFqdq.jpg
>>84
高坂海美(16) Da
http://i.imgur.com/gmd86vD.jpg
http://i.imgur.com/rzLkPNw.jpg
横山奈緒(17) Da
http://i.imgur.com/q8chmQm.jpg
http://i.imgur.com/jjao8Xw.jpg
佐竹美奈子(18) Da
http://i.imgur.com/ZUzO9Qf.jpg
http://i.imgur.com/XDI4u1A.jpg
>>85
松田亜利沙(16) Vo
http://i.imgur.com/M2I5RBT.jpg
http://i.imgur.com/5aEZqrf.jpg
>>90
大神環(12) Da
http://i.imgur.com/4mOaYhq.jpg
http://i.imgur.com/6KL4MCq.jpg
所恵美(16) Vi
http://i.imgur.com/Jf6k63e.jpg
http://i.imgur.com/RN3cTiy.jpg
田中琴葉(18) Vo
http://i.imgur.com/xUswnEt.jpg
http://i.imgur.com/5BGhhuY.jpg
美也「お話があります」
P「なんだ」
美也「クレブル1stライブ 決まったんですよね?」
P「ああそうだが…… それは静香にしか伝えてなかったはずだが?」
美也「調べました…… わたしもプロデューサーなので」
P「そうか」
P「その通りだ、新人たちのグループの中でもあの5人は頭ひとつ抜けている」
P「特に成長性が凄まじい、1週間経てば別人と言えるほどパフォーマンスが向上している」
P「…… で、何が言いたい? 回りくどい話は嫌いだ」
美也「……」
美也「タウラスにも、ライブをやらせてください」
美也「確かに今までのお仕事はわたしの力で取ってきました…… けど、ワンマンライブを行うには『事務所推し』が必要です」
美也「だから頼みにきました、タウラスをクレブルに次ぐ第二の事務所推しグループにしてください、わたし達 歌いたいんです」
P「ふむ……」
P「確かにタウラスはクレブルを除いた新人たちの中では高い人気、実力がある」
P「さらに営業の効果によりファミリー層への認知度がある程度ある、これは新規層開拓のチャンスと言えるだろう」
P「だが……」
美也「……」
P「まぁ、どちらでもあるのだろう、私はアイドルを兼任してはいないからな、君のことを全て理解出来るわけじゃない」
P「話がそれたな『事務所推し』が欲しければはっきりとした形で証明しろ、タウラスは推す価値のあるグループだと」
P「次の劇場公演の出演は未来 まつり 志保 星梨花 茜だったな、これに君も出ろ 静香と麗花も参加させる」
美也「それって……」
P「次の公演はクレシェンドブルーとタウラスの対バン形式とする」
美也「っ!?」
P「今度、クレブルの1stライブのために用意していた土日の昼夜4公演のうち、ひとつタウラスに渡そう」
美也「……もし」
P「初めから負けた時のことなど考えるなよ?」
P「賽は投げられたのだ、もう君たちに引く選択肢はない」
P「静香たちにも君から説明をよろしく頼む」
美也「…… わかりました」
未来「静香ちゃーん!」
静香「久しぶり未来、ちゃんといい子にしてた?」
未来「もう何それ! わたし子どもじゃないよ!」
星梨花「ふふっ、静香さんって未来さんのママみたいですね」
未来「星梨花まで!」
静香「ふふ、未来はドジだから心配で目を離せないし、確かに私がお母さんかもしれないわね」
未来「し、静香ちゃん……」
茜「おーっとぅ? これはモガミンの新たなる魅力発見か~?」
麗花「静香ちゃんと未来ちゃん、とっても仲がいいんだね」
静香「呼んだのは美也さんなのよね?」
星梨花「美也プロデューサーとお話するの、わたし初めてかもしれません」
未来「プロデューサーさんはとっても優しくていい人だよ!」
静香「いつも未来が迷惑かけているだろうから、ちゃんとお礼を言わないといけないわね」
未来「静香ちゃ~ん!」
美也「お待たせしました~」
未来「プロデューサーさん、まつりちゃん」
美也「今日は未来ちゃんとまつりちゃんと、クレシェンドブルーの皆さんに、美也プロデューサーから大切なお話がありますよ~」
星梨花「大切なお話、ですか?」
美也「はい」
静香「えっ?」
美也「そして、わたしも出ます」
志保「……」
茜「それってそれって…… !」
未来「みんなで一緒にライブってこと?」
まつり「未来ちゃん、確かにみんなで歌うのですけど、それだけじゃないのです」
未来「えっ?」
まつり「ねぇ、美也ちゃん?」
美也「…… はい」
志保「これはクレブルとタウラスの対決、そういうことですよね美也プロデューサー?」
美也「はい、ライブの終わった後来てもらったファンの皆さんにどっちのライブが良かったか、投票してもらいます」
星梨花「た、対決って…… わたし達は仲間じゃないんですか…… ?」
茜「対決!? 茜ちゃん頑張っちゃうよー!」
麗花「えへへ、わたしも次の公演出られるんだ~」
静香「……」
静香(私たちを争わせるということ、それの意味することは……)
静香「事務所にエースは一組で十分、ってことね……」
未来「……」
静香「未来?」
静香(もしかして、未来は私たちと戦うのが嫌なのからしら…… )
静香(でも、アイドルとして生き残っていくにはこういうことも必要なのよ)
未来「楽しみだね、静香ちゃん」
静香「楽しみ?」
未来「わたし、初めて静香ちゃんが歌ってる所見た時驚いたの、同い年でこんなに歌が上手くてかっこいい子がいるんだ、って」
未来「そんな静香ちゃんと同じ舞台に立てるんだよ? とっても楽しみ」
未来「静香ちゃん、わたし…… わたし達絶対負けないから」
静香「……そう」
静香「ふふっ、私たちだって負けないわ」
静香「最高のステージにしましょう!」
未来「うんっ!」
志保「元々のセトリから大きく変えることになりますよね、考えてあるんですかプロデューサーさん?」
美也「はい、大まかには~」
全体曲
MC1
茜ソロ
美也ソロ
麗花ソロ
MC2
志保ソロ
未来ソロ
星梨花ソロ
まつりソロ
静香ソロ
ユニット曲
EC
全体曲
未来「あれ、風花さんは?」
麗花「いいんじゃないかな!」
まつり「まつりはこれで大丈夫なのです」
未来「このユニット曲のところは何を歌うんですか?」
美也「そこはタウラスとクレブルが交互に1曲づつです」
静香「交互に、ですか……」
美也「はい…… 今静香ちゃんが考えてる通りですよ~」
まつり「星梨花ちゃん、お客さんが印象に残るのはやっぱり後にやった方なのです」
志保「だからアンコール前ラスト、この位置で歌った方は票対決で大きく有利 ってこと」
茜「アニメとか漫画とかでも切り札を後に出しした方が勝つでしょ? そんな感じかな」
静香(もっと平等になるセトリもあったはずなのに敢えてこういうセトリにした狙いは……)
未来「で、結局どっちが先にやるんですか?」
美也「それは……」
未来「それは?」
志保「じゃんけん…… ってなんですかそれ」
静香「完全な運なら後腐れないし、私はそれでいいわ、志保は?」
志保「…… 静香がそれでいいなら私は従うわ、貴女は私たちの『リーダー』だから」
未来「じゃあこっちはリーダーのまつりちゃんがじゃんけんする?」
まつり「未来ちゃんがやっていいのですよ」
未来「いいの?」
まつり「はいなのです」
未来、静香「じゃーん、けーん」
ファンの間ではどちらが勝つか、このタイミングでの対バンの意図など様々な意見が飛び交う
下馬評
「クレブルとタウラス、どっちが勝つと思う?」
「いや流石にクレブルだろ、前にクレブルの歌見たけどあれは新人のレベルじゃない」
「こんなん票操作で勝つ方決まってんだろ」
「て言うかそんなわかりやすく投票とかすんの?」
「公式に書いてある」
「志保に蹴られたい」
恵美「ねぇ琴葉、今度のライブどっち応援する?」
琴葉「応援って…… みんな仲間なんだし全員応援するに決まってるでしょ」
エレナ「アハハっ、琴葉っぽい!」
琴葉「どういう意味?」
恵美「『みんな頑張れ 全員でゴール』って感じが琴葉っぽいなって」
琴葉「言い方! ……でもアイドルってみんな仲間で協力するものでしょ?」
恵美「まぁね、そうだと思うよ アタシもそれがいい」
エレナ「でも『負けられない』って気持ち、誰でもあると思うヨ?」
のり子「あはは、面白いじゃん! やれやれー」
紗代子「面白がってる場合じゃないですよ! こんなはっきり勝敗つけるだなんて……」
亜利沙「ありさはどっちか片方だけ贔屓にするなんて出来ません! だから白票を出すことにします!」
可憐「あ、あのー…… 私たちは投票出来ませんけど……」
杏奈「未来も、静香も…… 仲良しなのに……」
百合子「でも二人は凄い楽しそうなんだよね…… 私にはわからないなぁ……」
杏奈「…… 杏奈も、アイドルしてたら…… 百合子さんとたたかう、の?」
百合子「……」
杏奈「杏奈、百合子さんのこと大好きだから…… ライバルになりたくない……」
百合子「うん…… 私も、杏奈ちゃんとはずっと仲良しで居たいな……」
ジュリア「あぁ、あたしも対バンとかしてみたいなぁ……」
ジュリア「なぁ、翼はどう思う?」
翼「そうですねー」
ジュリア「はぁ、興味無さすぎだろ…… あたしが言うのもおかしいけどもっとやる気出せよ……」
翼「だってー アイドルって思ったよりつまんないなーって」
ジュリア「そうなのか?」
翼「美希先輩と同じ事務所に入って、美希先輩の近くに居たらきっとすっごい楽しいんだろうなーって思ってたんだけど……」
ジュリア「……翼に、本気でアイドルやってない翼にアイドルがわかるのか?」
翼「わからないですよ、でも興味もわかないです」
翼「わたしにとってのアイドルは、この髪の毛の跳ねよりもどうでもいいことなんです」
翼「あー早く美希先輩ツアーから帰ってこないかな~」
翼『わたしにとってのアイドルは、この髪の毛の跳ねよりもどうでもいいことなんです』
美希「……」
美希「おかしいの…… 翼はこんなキャラじゃなかったはずなの……」
美希「翼はもっとこう…… 油断したら背後から忍び寄ってきて」
翼「はぁはぁ……」
美希「気付いた時にはもう手遅れで、そのままいただきますされちゃうような……」
翼「はぁはぁ……」
美希「こんな物憂げでアンニュイな子じゃなかったはずなの……」
翼「美希先輩…… いただきまーす!」
美希「ひぃっ!」
次回『最上静香の一計』
翼「あー、退屈だなー、ものうい?だなー、アンニュイだなー」
一旦乙です
>>114
島原エレナ(17) Da
http://i.imgur.com/HNlmTzo.jpg
http://i.imgur.com/sARL4rq.jpg
>>115
福田のり子(18) Da
http://i.imgur.com/LEN8cnH.jpg
http://i.imgur.com/erMHUDP.jpg
高山紗代子(17) Vo
http://i.imgur.com/G3Xvfmo.jpg
http://i.imgur.com/MBb0gBI.jpg
ただ三人とも記憶喪失だけには気を付けてほしいな…
ライブ当日
まつり、静香「ようこそ」
「765プロライブシアターへ!」
まつり「それでは早速、本日の一曲目」
静香「今日は来てくれて、本当にありがとう!」
『Welcome!!』
翼「そうですね」
ジュリア「…… 落ち着き過ぎだろ」
翼「じゃあ亜利沙さんみたいに盛り上がった方がいいですか?」
亜利沙「1!2!3!4! ハァイ!」
ジュリア「いやあそこまでとは言わねぇけど……」
ジュリア「楽しくないのか、ライブ」
翼「…… 普通です」
まつり「まつり達タウラスのわんだほーなライブにお越しくださり、ありがとうなのです~」
静香「今日は私たちとまつりさん達との対バン、という形式にはなりますが、二組とも最高のパフォーマンスを見せようと思います!」
まつり「それじゃあみんな、自己紹介お願いなのです」
風花「あぁ…… 始まっちゃった…… どうしよう……」
千鶴「どうしましたの? 風花」
風花「あ、ううん 何でもない…… けど……」
風花(結局未来ちゃんに曖昧な態度のまま、ここまで来ちゃった……)
風花(昨日も未来ちゃんから……)
未来『今回は風花さんは出られないみたいですけど、いつかタウラス4人全員で歌いたいです』
未来『絶対見に来てくださいね!』
風花(あぁ、私はっきりと言えないまま未来ちゃんに嘘つき続けて…… ずるい大人だなぁ……)
まつり「それじゃあ次に歌うのは?」
茜「はいはーい! 茜ちゃんが会場のみ~んなトリコにしちゃうよ~?」
茜「♪~」
風花「……」
風花(ステージで歌うみんな、とっても綺麗で可愛いなぁ……)
風花「私も…… あぁなりたいからアイドルになったはずなのに……」
未来「『あっふれーるゆーめ』」
亜利沙「いっぱい!!!!!」
未来「『いっつのひでーも』」
亜利沙「ぜったい!!!!!」
未来「みんなありがとー!」
美也(いいですよ未来ちゃん、わたし達の作戦通りです)
未来『作戦?』
まつり『ほ?』
美也『はい~ 今度の対決ライブでは二人にやって欲しいことがあります』
美也『それは、アオリです』
未来『アオリ?』
まつり『お客さんに向けて呼び掛けたり、コールアンドレスポンスをすることですよ』
美也『だから少しでも強く印象に残るため、わたし達の持ち味をたくさんアピールしましょう』
未来『わたし達の持ち味?』
まつり『それがアオリなのです?』
美也『はい、わたし達イオンで数多くイベントを行い、時には興味無い人たちにも振り向いて貰えるよう沢山努力してきました』
美也『だからファンの皆さんを盛り上げる力はクレブルに負けてないと思います』
美也『この勝負…… 絶対勝ちましょう』
未来『はい!』
まつり『なのです!』
まつり「せー、のっ」
まつり「ほっ、ほっ、ほ?」
亜利沙「Ho! Ho! Ho!!」
まつり「ほっ、ほっ、ほっ、ほっ」
亜利沙「Ho! Ho! Ho! Ho!!」
まつり「ほっ、ほっ、ほ?」
亜利沙「Ho! Ho! Ho!!」
まつり「ほっ!」
亜利沙「Ho!」
まつり「ほっ!」
亜利沙「Ho!」
静香(私たちの曲も盛り上がるような曲が多いけど、ここまで激しいアオリがあるようなものは無かった)
静香(あのアオリの上手さはステージ経験が多いからこそ、か……)
星梨花「わ、わたし達この後に歌うんですよね……?」
静香「ええ、そうよ」
星梨花「その……」
静香「…… 安心して、まつりさんに伝えてくるわ」
静香「『会場の暖めありがとうございます』って」
星梨花「静香さん…… !」
静香「私の次は5人での曲、今のうちに円陣いくわよ」
静香「ミラクル起こせ!」
「「「「「クレシェンドブルーッ!!」」」」」
亜利沙「流石のクレブルはソロでもパフォーマンスのレベルすっごく高くて、対するタウラスは会場との一体感が素晴らしい!」
亜利沙「次の静香ちゃんの番が終わったらいよいよグループ曲でしょうか!? 実はありさクレシェンドブルーのライブを生で見るのは始めてなんですよ~~~!」
ジュリア「どうだ翼? 今日のライブは」
翼「凄いと思いますよ」
ジュリア「ほんとにそう思ってんのか?」
翼「……」
翼「みんなの実力を考えたらあんな感じだと思いますよ、特に驚くほどじゃないです」
ジュリア「はぁ……」
ジュリア「天才の見てる景色は酷くつまんなそうだな」
翼「別に…… そんなこと……」
静香「大切な宝物……」
静香「ありがとうございました!」
静香「これでソロ曲のパートは終わり、ということで?」
亜利沙「おおお!」
静香「みんな、来て」
静香(今の私たちなら出来る、あの時の『奇跡』はもう『奇跡』じゃない!)
「あれ…… なんだこのイントロ」
「SSsじゃないのか……?」
「て言うか聞いたことないぞ」
「まさか」
亜利沙「まさか……」
亜利沙「まさかまさかまさかまさか!」
亜利沙「し、新曲ですかぁ~~~~~!?」
志保『新曲、って…… あれは今度の1stライブでお披露目のはずじゃ……』
静香『プロデューサーには許可は取ったわ』
星梨花『でもあの曲はまだ一回も練習してないですし、ライブ本番まで時間も……』
静香『確かに、星梨花の言うことはもっともだと思うわ』
静香『でも、私たちクレブルはタウラスより先に歌うことになる』
静香『この勝負に勝つためには圧倒的なインパクトを与えて、絶対的なパフォーマンスを見せつけるしか無い』
静香『そのためには新曲を歌う必要があるわ』
静香『今回の対バン、勝っても得られるものは無いかもしれない、だけど私は…… 勝ちたい』
茜『茜ちゃんは賛成だよー!』
麗花『それじゃあわたしも!』
志保『それが最善ならそうするわ』
星梨花『……』
静香『星梨花は?』
星梨花『わたしは……』
星梨花『自信が無いです、今だって皆さんの足を引っ張っているのに、これ以上足を引っ張ったらって』
星梨花『でも…… やる前から諦めるのは違うって思います』
星梨花『だからわたし、頑張ります 誰よりも頑張って皆さんに少しでも追い付けるように!』
静香『…… うん、そうね』
静香『一緒に頑張りましょう、私たちは一つのチームなんだから!』
亜利沙「お…… お……」
亜利沙「うおおおおおおおおおお!!!!!!!!」
亜利沙「おーいっ! おーいっ! おーいっ!」
ジュリア「すげぇなシズ達! 個人の技量だけじゃない、5人でひとつの歌を作ってる!」
ジュリア「なぁ翼! ……翼?」
翼「っ……!」
美也「……」
未来「すごい! すごいよ静香ちゃん達!」
まつり「後攻を取ったから有利だと思ってたけど、これは……」
美也「……」
まつり「美也ちゃん?」
美也「あ、はい……」
未来「静香ちゃん達 わたし達より全然上だ…… その静香ちゃんと同じステージに今まで立ってたんだ……!」
まつり「未来ちゃんはやる気たっぷり、ぱわほー! なのです?」
未来「はいっ! 今すぐ歌いたいくらい!」
美也「……」
まつり「……それじゃあ、そろそろ姫たちの舞台だから、掛け声行くのです!」
美也「え、」
まつり、未来、美也「えいえい、はいほー!」
「『Emotional-Flooding!』」
静香「…… っふう」
亜利沙「うおおおおおおおおおお!!!!!!!!」
亜利沙「静香ちゃーん! 志保ちゃーん! 星梨花ちゃーん!」
亜利沙「茜ちゃーん! 麗花さーん!」
亜利沙「クレシェンドブルー さいこおおおおお!!!!!」
静香「ありがとうございました!」
静香(どう未来? これが私たちが魅せる『奇跡』よ)
静香(さぁ、貴女はどんなライブを見せてくれるのかしら?)
未来「すぅ……」
未来「皆さーん! 今のクレブルの歌、どうでしたー?」
未来「さいこー! でしたよねー!」
未来「わたしの親友の静香ちゃんは、あんなにすごくて…… 凄いんですっ!」
未来「わたし、静香ちゃんのことをとっても尊敬していて、あんな歌が上手くてかっこいいアイドルになりたいって、思ってます」
未来「だけどわたしは春日未来で、静香ちゃんみたいにはなれない」
未来「そんなわたしのことを、静香ちゃんが『ライバル』って言ってくれるなら……」
未来「わたしは今出来る最高のわたしで、歌います! 聞いてください」
『Starry Melody』
未来「いぇーーいっ!」
亜利沙「いぇーーいっ!」
ジュリア「おお、未来たちも熱いな!」
翼「…… 未来はここまで歌える子じゃなかった、少なくともさっきまでは」
翼「静香ちゃんの歌が、未来を成長させてるんです……」
翼「……」
翼「わたしは……」
静香「貴女は見た人を惹き付ける 天性のアイドル性を持っている」
静香「未来が頑張る一生懸命な姿、それを見た人は誰もが放っておけない、応援したくなる」
静香「歌の才能でもダンスの才能でもない、『人の才』」
静香「だけど……」
静香(勝つのは私たちなの、それは『決まっている』のよ……)
未来「みんなも歌ってー!」
"rarara-rararara-ra-rara rarara-rararara"
"rarara-rararara-ra-rara rarara-rararara"
亜利沙「らーらーらー らららーららーらー」
未来「今日は」
まつり、未来、美也「ありがとうございましたー!」
静香「未来! 凄かったわよ貴女のステージ」
未来「静香ちゃんも! やっぱり静香ちゃんは、わたしの一番のアイドルだよ!」
静香「ふふ、ありがとう でも……」
亜利沙「あんこーる、あんこーる」
亜利沙「あんこーる! あんこーる!」
静香「呼ばれてるわ」
未来「行こう!」
静香「……」
静香「未来」
未来「えっ、何?」
静香「一緒のライブ、とっても楽しかったわ」
未来「あ、うん……」
まつり「みんなの声援に呼ばれて姫たちの魔法の時間は続くのです~」
静香ちゃん達とのライブはとっても楽しくて、歌っている時にいつものわたしじゃないくらいの力が出せて
こんな楽しい時間が終わってしまうのが悲しかった
隣に居る静香ちゃんも同じこと思ってたら って横を見たら目があって
静香ちゃんは少しだけ、暗い顔になって
「ごめんね」
と呟いた
えっ?
静香「なんと! 先ほど歌った新曲『Flooding』がクレシェンドブルーのCD第二段としてリリースされることが決まりました!」
静香「そしてもう一つ、私たちクレシェンドブルーの1stライブが決まりました!」
やっと見えた背中、今度こそ近付いて触れられると思ったそれは幻で
彼女はわたしの遥か、その先を走っていた
静香ちゃんの発表に会場は更なる盛り上がりを見せ、今回の対バンは静香ちゃんたちクレシェンドブルーの勝利に終わった
星梨花「静香さん!」
静香「星梨花、今日はお疲れさま 星梨花のパフォーマンスとっても良かったわ」
星梨花「ほんとですか!」
静香「ええ、星梨花はあんなに頑張ったんだから、努力が実ったのよ」
星梨花「えへへ……」
静香「でも?」
星梨花「わたし、今回の結果は……」
静香「納得がいかない?」
星梨花「…… はい、未来さんたちの歌もとても良かったです、お客さんたちもすごく盛り上がっていました」
星梨花「わたし達が勝てたのは純粋に歌だけで勝負をしなかったから、もしクレブルの発表が無かったら……」
志保「それでも、勝ったのは私たちよ」
星梨花「志保さん」
志保「もしも、だったら、なんて話をするのは無意味、今起きた結果が全てよ」
静香「志保の言うとおりよ、それに……」
静香「私たちのステージが上だった、発表が無くても勝ったのは私たちよ」
この日、少女たちは初めての『勝利』と忘れ得ぬ『しこり』を手にして、次のステージへと歩き出す
まつり「どこに居るのですー?」
美也「っ……」
まつり「あ、美也ちゃん プロデューサーさんが呼んで……」
まつり「美也ちゃん?」
まつり「泣いて…… いるのです?」
美也「……」
美也「……ごめんなさい」
まつり「ほ?」
美也「この対決ライブには、大きな意味があって……」
美也「この勝負にわたし達が勝てたら、タウラスも単独ライブをさせてもらえるはずだったんです……」
美也「タウラスがもっと売れるためには、単独ライブを成功させる必要があったんです……」
まつり「だからあんなに勝つことに拘って……」
まつり「それは……」
まつり「…… わたし達の実力が足りなかったから」
美也「違うんです、わたしが…… わたしのせいなんです……」
まつり「え?」
美也「クレブルのステージを見た時に『勝てない』って諦めちゃったから…… 未来ちゃんはあんなに輝いていたのに、わたしは……」
まつり「美也ちゃん……」
美也「わたしは二人の、タウラスのプロデューサーだから…… わたしが一番信じてあげなくちゃいけないのに……」
美也「やっぱり、わたしがプロデューサーもアイドルも両方なんて無理だったんです……」
まつり「……」
美也「……」
まつり「美也ちゃんがまつりと未来ちゃんのためにたくさん頑張っていることは知っているのです」
まつり「普段のお仕事以外にも、裏で何かやっていたのでしょう?」
まつり「ライブなら、またいつかチャンスが巡ってくるのです」
まつり「だから…… ね? 少しずつ、また頑張ろう?」
まつり「まつりと、美也ちゃんと、未来ちゃんならきっとどこまでも行けるのです」
美也「まつりちゃん……」
美也「うぅ…… こんなわたしでも、また頼ってもらえますか~?」
まつり「もちろん! なのです」
美也「ん……」
まつり「プロデューサーさん」
P「今日のライブの結果について、話がある」
まつり「今、姫たちは休息中なのです 後にしていただけますか?」
P「アイドルには何も話すことは無い、今は『プロデューサー』に用がある」
まつり「っ…… !」
美也「大丈夫です…… まつりちゃん」
P「今日のライブでタウラスの今の実力はわかった、その上で、だ」
美也「…… !?」
まつり「これ…… タウラス1stライブ……」
P「金曜日とはいえ平日の開催、それにクレブルと比べて会場のグレードは落ちる」
P「だが、必ず成功させろ 君たちなら出来るはずだ」
美也「はいっ!」
美也「わたしが直談判しにくることも、タウラスが負けることも……」
まつり「頑張ろう、このライブ 絶対に成功させよう」
美也「はい…… !」
少女たちは知る、決定的な敗北と自分たちの世界の狭さを、しかし少女たちの瞳は未だ輝く、その先へたどり着く日を夢見て
ジュリア「そりゃもちろん熱かったよ! 二組ともいい刺激になったんじゃないか?」
翼「刺激ならわたしも……」
ジュリア「ん?」
翼「あの、何かわたし今すっごい歌いたい気分なんです! 付き合ってもらえますか?」
ジュリア「…… あぁ、いいぜ」
ジュリア「翼が満足するまでいつまでも付き合ってやるよ!」
翼「あ…… でもちょっとお腹すいてきたんで歌う前にご飯食べに行きましょ?」
ジュリア「おいおい…… せっかくやる気出したかと思ったのに……」
ジュリア(でもわかるぜ、さっきのライブを見て、翼の中で何かが変わったんだろ?)
長かった少女の眠りは終わった、誰よりも綺麗な翼を広げ、果ての無い青空へ羽ばたいていく
未来「つ、ついに来たね! わたし達のワンマンライブ本番!」
まつり「未来ちゃん、緊張してるのです?」
未来「そ、そんなこと無いですよ!」
美也「わたし達が出来る 最高のライブをやりましょ~!」
風花「バラバラだった欠片(ピース)がひとつずつ集まって、完成していくパズル」
風花「だけど『それ』はまだ欠片の足りない不完全パズル」
風花「完成のための最後の1片は……」
次回 『私たちのStarLight!』
未来「もっと…… もっと上手に!」
乙です
>>125
二階堂千鶴(21) Vi
http://i.imgur.com/akNco2n.jpg
http://i.imgur.com/kikIfuP.jpg
>>123
『Welcome!!』
http://youtu.be/mv1UDSZI6kM?t=97
>>137
『Flooding!』
http://www.youtube.com/watch?v=YJKthzf7BUw
>>140
『Starry Melody』
http://www.youtube.com/watch?v=soQU9fSpTC8
美也「未来ちゃん! 髪止めが~」
未来「えっ! あ、ほんとだ!」
美也「まつりちゃんも~ ボタンが~」
まつり「あっ…… 取れちゃったのです」
スタッフ「すいません、ステージ演出の件で」
美也「はい~」
未来「プロデューサーさん大忙しだね……」
まつり「ここ最近の美也ちゃんとっても忙しそうだったのです、アイドルとしてのレッスンに加えてプロデューサーとしての仕事もあって……」
未来「わたし達も何かプロデューサーさんを手伝えることないかな?」
まつり「…… そうですね、まつりたちも美也ちゃんをサポートするのです!」
前回の対決ライブ、わたしは未来ちゃんとまつりちゃんについていくことが出来ませんでした
プロデューサーとして二人をトップアイドルにする、そのために必要なことだと思って始めたアイドル
今までは本気じゃありませんでした タウラスは二人が売れるまでの繋ぎで、いつかは終わるものだって
でも、それじゃダメだったんです 二人は…… いいえ静香ちゃん達もみんな全員真剣なのだから、繋ぎもどうでもいいステージも存在しません
本当の意味で、二人の隣に立つために……
わたし自身も目指します、トップアイドルを!
未来「いよいよだね! ライブ!」
美也「はい!」
まつり「お客さんも沢山なのです!」
未来「そうだ、プロデューサーさん あそこの曲のところで……」
美也「……! なるほど~」
まつり「……」
1stライブに向けて今日までみんな全力投球で、その結果今のわたし達のパフォーマンスはクレシェンドブルーにも劣らないほど向上した
未来ちゃんも美也ちゃんも、あの日から完璧なステップに正確な音程を、とレッスンしていた
これで…… いいのかな
わたし達はアイドル、歌とダンスで人を魅了して楽しくさせる そういうものだと思っていた
ねぇ、この場の張り詰めた、とても居心地の悪い空間はいったいなんだろう?
今のふたりは前しか見ていなくて、横に居るわたしの疑問なんて気にも留めないよね
未来「…… あっ! 忘れてた!」
美也「今日は大切なライブですよ~!」
まつり「それじゃあ えいえい」
まつり、未来、美也「はいほーっ!」
あ……
今の掛け声、未来ちゃんは少し早くて美也ちゃんは少し遅れた
みんな…… どこを見ているの…… ?
未来「みんなー! 今日は来てくれてありがとー!」
未来の声に呼応して会場から地を揺らす声援が飛び、『アイドル』を祀り上げる
未来「1,2,3,4,せーのでジャンプ」
まつり、美也「はいっ!」
アイドルは歌い踊り、光り輝く
だが今の彼女たちはまだみっつの小さな輝き、連なってひとつの大きな光になるためには……
未来「えとえと……」
まつり「ねぇ未来ちゃーん! ちょっと飛ばしすぎなのですー?」
未来「えっ! そんなこと無いですー! わたしはいつだって全力でー……」
スタッフ「あと2分です!」
未来「わっ! 急がなくちゃ」
まつり「待って未来ちゃん! 少し落ち着いて水分も取って」
未来「着替えが遅れてお客さんが待って、その間に盛り下がったら大変だから!」
まつり「そうだけど……」
未来「このライブは大切な、絶対に失敗出来ないライブなんです……!」
スタッフ「美也さん終わりました!」
未来「未来、行きます!」
まつり「あっ、まっ……」
まつり「お疲れさま、美也ちゃん」
美也「はい~ 今日はとっても暑いですね~」
まつり「……」
まつり「未来ちゃんも美也ちゃんも飛ばしすぎなのです……」
美也「ふぇ~?」
まつり「未来ちゃんはまだ大丈夫そうだけど、美也ちゃんはもうバテ始めてるのです」
まつり「そうだけど、だからこそ一度クールダウンするのです もしステージ上で事故なんて起こしたら……」
美也「……」
美也「わたしは、頑張りたいです…… この前みたいに後悔したくはないから……」
まつり「っ……」
美也「…… まつりちゃんは頑張らないんですか」
まつり「そうじゃなくて……」
美也「もう時間ですよ」
まつり「…… うん」
ほんの少しの歯車の狂い、それは次々と伝播し、大きな事故となる
未来「あっ!」
まつり「っ!?」
ダンス中未来が軽くフラつく、しかし倒れはせずに踏みとどまり何事も無かったようにダンスを続ける
明らかなミス、しかしステージの上で起きたあまりにも小さな事象を気にするものなど盛り上がった会場に居なかった
風花(未来ちゃん…… 今の足の曲がり方…… !)
……ごく一部を除いて
未来、美也「ありがとうございましたー!」
タウラスの3人は一旦ステージから引き、同時に何処からともなく聞こえる『アンコール』
しかしそのステージ裏では……
未来「アンコールですね! 衣装チェンジして
まつり「未来ちゃん!」
一際大きな声をあげるまつり、場は静まり視線は未来とまつりへ向けられる
未来「な、なんですか……?」
まつり「足…… さっき捻ったところ…… !」
未来「えと……」
美也「未来ちゃん怪我してるんですか…… ?」
未来「だ、大丈夫ですよ! 後3曲なんだしテーピングすればそれくらい……」
美也「ダメです!」
次に声を荒げたのは美也、普段のおっとりしたそれとは180度違う声で未来を止める
未来「っ!?」
美也「そんな無理なんてさせられません…… アンコール後はわたしとまつりちゃんだけで歌います……」
未来「そんな! せっかく3人で頑張ろうって決めたのに最後に歌えないなんて……」
美也「やっぱりまつりちゃんの言う通りでした…… 未来ちゃんは気負いすぎちゃったんです……」
美也「未来ちゃん!」
未来「いくらプロデューサーさんの言うことだって聞けません! わたしは大丈夫です! わたしが言ってるんです!」
まつり「未来ちゃん! そんなテーピングした足じゃ全力のパフォーマンスなんて出来ない…… 姫たちのステージの邪魔なのです!」
未来「っ! なら全力でやりますっ!」
まつり「そういうことじゃ……」
売り言葉に買い言葉、強い言葉で無理矢理押さえ付けようとしたまつりの忠告も聞かない未来
バラバラになりかける3人の気持ち、それを繋ぎ止めるのは……
風花「みんな落ち着いて」
未来「風花さん!?」
『タウラスのメンバー』豊川風花だった
完結させる気はあります。
更新待ってました!
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