貴音「すいっちを押すのです……」

https://ex14.vip2ch.com/news4ssnip/kako/1490/14900/1490084573.html
1 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします[saga]:2017/03/21(火) 17:22:53.87 ID:ZTvK0l7x0


貴音「さぁ……このすいっ」

響「いやだ」

貴音「」




2 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします[saga]:2017/03/21(火) 17:23:40.45 ID:ZTvK0l7x0


貴音「響……?」

響「なーに貴音」

貴音「すいっちですよ」

響「それは見れば分かるさー」

貴音「押してみま」

響「い や だ」

貴音「」


3 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします[saga]:2017/03/21(火) 17:25:42.84 ID:ZTvK0l7x0


貴音「なにゆえ、なにゆえ拒むのですか。わたくしがこんなにも」

響「貴音がすっごいうきうきしながら勧めてくるからこそ、押したくないんでしょ」

貴音「なんと」

響「どう考えても怪しすぎだぞ。むしろスイッチだけ置いておくとかしたほうが、つい押しちゃうかも」

貴音「……しかしそれでは、他の者にまで被害が及ぶ可能性が」

響「ほら被害って言ったぁ!! やっぱり危ないモノなんじゃないか!」

貴音「違います! 断じて違います! 危険などありません!」

響「……ほんとに?」

貴音「…………用法用量を守る限りは」

響「……」

貴音「……」



響「やっぱりやだ」

貴音「」


4 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします[saga]:2017/03/21(火) 17:27:07.46 ID:ZTvK0l7x0


響「せめてなにが起きるのか教えてくれたらさぁ」

貴音「それでは面白みが……」

響「貴音を面白がらせるための犠牲になんてなりたくないぞ」

貴音「違うのです! 響、絶対に、絶対響も喜ぶことなので!」

響「えぇー……」

貴音「一回! 一回だけ押してみませんか?」

響「だいたいその一回が取り返しのつかない一回なんだよね……」

貴音「お願いです! 生涯の頼みです! どうか! どうかぽちっと……!」

響「ちょっ、やだってば! こんなことに一生のお願いを使わないでよ!」

貴音「響っお願いします……! わたくしをあわれだと思って……どうか一度だけ、このすいっちを……」

響「うぅん……さすがにそんなにすがりつかれると、ほんとにあわれになってくるぞ……」

貴音「! ではっ」



響「押さないけど」

貴音「はやぁ」


5 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします[saga]:2017/03/21(火) 17:28:13.52 ID:ZTvK0l7x0


貴音「さきっちょだけ! さきっちょだけでも!」

響「やだっ! やだってば! ……さきっちょってなに!?」



未来「あ、響さん貴音さん、おはようございまーす! ……あれ? このボタンなんですか?」ポチッ

響「えっ」

貴音「あっ」




未来「うわぁあああああ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!!!」ガクガクガクガク

響「みらぃいいいいいいいい!!!」


6 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします[saga]:2017/03/21(火) 17:29:09.20 ID:ZTvK0l7x0


未来「あ、……ぁ」

響「未来! 大丈夫か!? しっかりしろぉ!!」

未来「ひ、ひびきさん……わ、わたひ……」



未来「らーめんを、食べてます……」

響「!?」


7 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします[saga]:2017/03/21(火) 17:30:35.03 ID:ZTvK0l7x0


未来「らーめん、食べてますよね……!?」

響「お、落ち着いて! 未来はなんにも食べてないぞ!」

未来「そんなことっ……そんなはずはっ、あぁ! 食べてる!! 私やっぱりらーめん食べてれぅ!!!」

響「な、なにを言ってるんだ未来ぃ!」

未来「味がっ味がするんですっ……濃ぉいトンコツしょうゆの、らーめんの味がっ……!!」

響「なっ……」

未来「食感もっ……めんを、めんをすすっています……あぁっ、スープも飲んでます! ごく、ごくって!!!」

響「う……うそだ……うそだぁ! だってラーメンなんてどこにもっ……」

未来「あぁああ!! めんまも食べてます! しゃきしゃきの野菜の歯ごたえも!! ああぁ!」

響「未来…………」



響「貴音ェ!!!!」

貴音「はて」


8 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします[saga]:2017/03/21(火) 17:31:31.33 ID:ZTvK0l7x0


響「これはどういうこと!?」

貴音「なんのことでしょう」

響「あのスイッチのせいなんでしょ!? あれを押したせいで未来は……」



未来「あぁ……おいしぃ……らーめん…………おいしいなぁ……あはは」ポロポロ


響「うっ……未来…………」

貴音「……なんといたましい」

響「貴音のせいでしょ!!!!」


9 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします[saga]:2017/03/21(火) 17:32:42.24 ID:ZTvK0l7x0


響「はやく治して! このままじゃ未来がぱーになっちゃう!」

貴音「致し方ありませんね……未来」

未来「らーめん……うま……」

貴音「未来、気を確かに。このスイッチを、もう一度押すのです」

未来「カタメンさん……」

響「タカネな」

未来「とまらない……とまらないんです……ずっと…………ずっと食べてるんです、わたし、わたし……らーめんこんなに、わたしの意志とは関係なくっ、めんがっ、めんが……!」

貴音「未来!!」

未来「おいしいのに……おいしいけどっ……! 口を閉じても、どんどん入ってきてる……喉へスープがどんどん流れていってる…………あは、あはあは……わたし、おかしくなっちゃった……」

貴音「はやく!! はやくこのすいっちを!!」

未来「だめですよ……わたし……片手にどんぶり、片手におはし持ってるんですよ……? もう押す手が残ってない……」

響「なんにも持ってないってばぁ!!! しっかりしてよ未来ぃ!!」

貴音「未来……逆に考えるのです」



貴音「食べちゃってもいいさ、と」

響「!?」


10 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします[saga]:2017/03/21(火) 17:34:06.88 ID:ZTvK0l7x0


未来「たべちゃっても……いい……?」

貴音「そうです。胃袋がぱんぱんになるまで。血液がとんこつに、髪が麺になるまで」

響「なに言ってるんだ……!?」

貴音「実体のないらぁめん……ならばいくら食そうと、体型に影響を与える心配はない」

響「精神にはめっちゃ影響きてるけどな」

未来「…………確かに」

響「えぇ……?」



未来「太るわけじゃないし……胃もたれもしない……」

響「そうかもしれないけど……」

未来「けど、…………けどっ!!」

貴音「……!」


未来「わたしはっ…………静香ちゃんのうどんの味が分からなくなるのはいやだ!!」

響「!! 未来っ」

未来「美奈子さんのギョーザやチャーハン……事務所の冷蔵庫にあるプリン……春香さんの作るお菓子だって……」


未来「みんな……らーめんの味になっちゃうのなんて…………やだよ……」ポロ……

貴音「…………春日未来」


11 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします[saga]:2017/03/21(火) 17:34:58.23 ID:ZTvK0l7x0


響「こうなったら……自分が未来の手を掴んで強引に押させるしかっ」

貴音「それでは響に対してすいっちが作動するだけです」

響「そんなっ……」

貴音「それに」



貴音「すいっちをもう一度押しても、効果が消えるわけではありません」

響「…………は?」


12 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします[saga]:2017/03/21(火) 17:35:53.86 ID:ZTvK0l7x0


響「じゃあなんでもっかい押すように勧めたんだ……」

貴音「すいっちを押すごとに、らぁめんの種類が変わるのです」

響「なんで!?」

貴音「同じ味だけでは飽きると思い」

響「そうじゃなくってぇ!!!!」


響「ならどうすれば効果が消えるんだ!」

貴音「…………うぅん」

響「……まさか」



貴音「うぅん」

響「貴音ぇえええ!!!!」


13 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします[saga]:2017/03/21(火) 17:37:45.54 ID:ZTvK0l7x0


響「止める方法を用意してなかったんだな!?」

貴音「素晴らしい効能ゆえ、止める必要があるなどとは微塵も……。まさかこのようなことになるとは……」

未来「ぁ……あは…………ごめんね……静香、ちゃ……わらひ……もぅ…………」ジュルジュル

響「なにもないのに……すすってる……エアラーメンをすすってるぞ……」

貴音「真、申し訳ありません……わたくしのせいで…………」



「ふっふっふ……」

響「!?」

貴音「なにやつ!」


14 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします[saga]:2017/03/21(火) 17:38:49.52 ID:ZTvK0l7x0


美希「話は聞かせてもらったの」

響「美希!! いつからそこに!」

美希「最初からだよ。そこのソファーで寝てたの」

貴音「なるほど……」

美希「けど響と貴音がうるさいから起きちゃった」

響「ご、ごめん。……って、今はそれどころじゃ」

未来「美希さん……わらひぃ」ジュルジュル ズズーーッ

美希「未来……美希に任せるの」

響「! 美希っ……まさか」

貴音「……」ゴクリ





美希「おにぎり波ぁああああああああああああああ!!!!!!」

未来「ああああああああああああああ磯臭ぇえええええええええ!!!!!!!」


15 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします[saga]:2017/03/21(火) 17:39:41.66 ID:ZTvK0l7x0


未来「」ハッ

響「未来! だいじょ磯くさっ!!」

貴音「真、磯臭いですね……」

未来「あ、味が……らーめんの味がっ」

美希「……」



未来「のりをトッピングされましたっ……!!」

響「」ズコーッ

美希「…………あふぅ」


16 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします[saga]:2017/03/21(火) 17:40:46.85 ID:ZTvK0l7x0


美希「じゃーミキ、寝るね」

響「待てぇ!!」

美希「んーなぁに響、耳元でうるさいの……」

響「なんにも解決してないじゃないかぁ!!」

貴音「……事務所が磯臭くなったのみです」

未来「あああのりがうわあごにくっつくー」

美希「でもおにぎり波で無理なら、ミキに出来ることはもうないって感じだよ?」

響「そう言わずに力を貸してよぉ……美希ぃ」

貴音「響、美希に頼らずとも、わたくしがきっとなんとか」

響「は?」

貴音「」


17 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします[saga]:2017/03/21(火) 17:41:30.12 ID:ZTvK0l7x0


響「貴音は肝心なとこで役に立たないからなー」

貴音「ひどい」

響「それに、コトの主犯なんだから責任を負うのは当然でしょ。……自分も、危険だと思ってたのにスイッチから目を離したことは、悪かったけどさ」

美希「……そのスイッチが原因なんだよね?」

響「ん? そうだけど……」

美希「じゃあさ」



美希「それを壊してみたら?」

響「!!」

貴音「!?」


18 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします[saga]:2017/03/21(火) 17:42:33.50 ID:ZTvK0l7x0


響「そうか……その手があったか」

貴音「いけません! いけません響!! すいっちを破壊するなど!!」

響「もう他にないでしょ! こっちによこして!」

貴音「いやです! いやです! これを製造するのにどれだけの苦労があったことか……!」

響「後輩の頭がぱぽーになってもいいのか!?」

貴音「そ、それは…………」

響「いまだぁっ!!」ガシッ

貴音「あああ! おやめなさい! おやめなさい!!」グイグイ

響「そっちこそ離してよ! こんなものがあるからっ……!!」グイィイー




ポチッ



響「あ」

貴音「あぁ」


19 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします[saga]:2017/03/21(火) 17:43:04.72 ID:ZTvK0l7x0


響「う……うぅ……あっさりしながらも、しっかりとした塩味……おいしい……おいしいぞ……」

貴音「海鮮も、まこと美味ですね……魚介すぅぷのうまみが……うま……ゆみ」

美希「うわぁ……」




……


20 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします[saga]:2017/03/21(火) 17:43:43.22 ID:ZTvK0l7x0



……



未来「はぁ、はぁ……のど、かわいた……ずっと……らーめんの味する……つらい……」フラフラ……



静香「……未来」

未来「!! …………静香、ちゃん……?」

静香「ほら……これ」

未来「これはっ……」


コトッ



静香「うどんよ」


21 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします[saga]:2017/03/21(火) 17:44:30.58 ID:ZTvK0l7x0


未来「うっ、うう゛っ……静香ちゃぁあぅう」

静香「よしよし、大変だったわね。もう大丈夫だから、泣かないの」

未来「う゛んっ……だべでいいのぉ?」

静香「えぇ、いっぱい食べて。おかわりも用意いてあるから」

未来「ありがどぉお」チュルチュルチュル



未来「!!?」

静香「……」

未来「う……」



未来「うどんだ!!!!」

静香「うどんね」


22 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします[saga]:2017/03/21(火) 17:45:29.36 ID:ZTvK0l7x0


未来「うどんっ……うどんの味だよぉ……!」チュリュチュルチュルチュル

静香「ふふ、当たり前でしょ?」

未来「うんっ……! うんっ!!」チュルーーーンッ





こうして、うどんが一人の少女を、アイドルを救ったのです

うどん最高。うどんばんざい!

最後に必ずうどんは勝つ!

うどんフォーエバー!

うどん、ありがサンキュー!





ピュルッ

未来「あっ鼻からうどんがー」

静香「こら」





おうどん。




23 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします[saga]:2017/03/21(火) 17:46:12.97 ID:ZTvK0l7x0


響「おぇえええええええ」

貴音「……うっぷ」

響「きもちわるぃい……もう吐きそうなくらいラーメン食べたのに……止まんないぞ……なんで、なんで自分はこんなにラーメンを食べつづけてるんだぁーっ……!!」

貴音「あぁ……神よ…………らぁめん」



美希「あふぅ。実に響と貴音らしいの……ミキはおにぎり食べるね」


美希「うーん、おいしい」


美希「やっぱりお米が一番って感じ♪ あはっ☆」






おしまい。


24 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします[sage]:2017/03/21(火) 17:56:57.16 ID:swklYd58o
乙です
25 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします[sage]:2017/03/21(火) 19:23:05.19 ID:KDQ4mkKdo
やっぱりお米がナンバーワン!
おつ
26 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします[sage]:2017/03/21(火) 19:39:15.58 ID:V3t3cu0/O
なんでもやしが出てこないのかなーって
27 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします[sage]:2017/03/21(火) 20:42:37.94 ID:LVGIpvAJo

なんか懐かしいノリ
28 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします[sage saga]:2017/03/21(火) 20:59:27.49 ID:vu956TTu0
おにぎり食べないと、乙です

>>1
四条貴音(18)
http://i.imgur.com/4HBfx1Q.jpg
http://i.imgur.com/3FqUcm8.jpg

我那覇響(16)
http://i.imgur.com/YPwfugO.jpg
http://i.imgur.com/WJpqxwb.jpg

>>5
春日未来(14)
http://i.imgur.com/PVO0n4P.jpg
http://i.imgur.com/vahU53m.jpg

>>14
星井美希(15)
http://imgur.com/5BAPUc0.jpg
http://imgur.com/Jj4fmLe,jpg

>>20
最上静香(14)
http://i.imgur.com/elElgN9.jpg
http://i.imgur.com/BE1XQSj.jpg
29 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします[sage]:2017/03/22(水) 00:37:06.53 ID:VeX6fGWvo
いいカオス具合
30 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします[sage]:2017/03/22(水) 00:39:01.31 ID:j5sPwSzoo
pityじゃない静香だと!?
31 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします[sage]:2017/03/22(水) 01:00:24.89 ID:jluxMdzN0
とっても面白かった
32 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします[sage]:2017/03/22(水) 01:25:31.18 ID:cOmLdjUvO
>>10
まーた茜ちゃんのプリンが犠牲になってしまったのか…
33 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします[sage]:2017/03/22(水) 10:08:45.98 ID:5E1ya0M1O
さりげなく狙われる茜ちゃんのプリンが
そして愛とうどんは未来を救うんだなって

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