美希「ねえハニー」
P「なんだ?」
美希「赤ちゃんってどこから来るの?」
P「これやるよ、音無さんの机に置いてあった保健体育の教科書だ」
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美希「授業で読んだよ? でも、あんまり詳しく書いてなくてよく分からなかったの」
P「それでどうして俺に訊くんだよ。もっと他にいるだろ? 訊くべき相手が」
美希「だって、学校の先生は男の人だし、友達とか事務所のみんなとかには訊きにくいし……」
P「律子に訊いたらどうだ?」
美希「律子はこんなこと答えてくれないの。どーせ『はいはい、いいからさっさと仕事に行きなさい』とか言うに決まってるの」
P「そんなことないと思うが……じゃあ音無さんとか」
美希「小鳥が知ってるはずないって思うな」
P「なんでだ?」
美希「小鳥ぐらいの年なら普通子供がいるはずなの。いないってことは、作り方を知らないってことなの」
P「色々突っ込みたいが……ま、いいや」
P「だからってな、流石に俺も答えにくいんだが」
美希「そこは大丈夫だよ。口で言わなくても、ミキで実演してくれればいいの」
P「いや大丈夫じゃねーじゃん。子供できちゃうじゃん」
美希「大丈夫だよ。今日は安全日だから」
P「待て。お前絶対知ってるだろ? 知ってて実演求めてるだろ?」
美希「知らないのー」
P「大体、いつ誰が事務所に来るか分からないってのに、そんなことできるわけないだろ?」
美希「最近はあんまりみんな事務所に来ないからヘーキなの」
P「いや、それでも万が一ってことが……」
美希「ミキは見られても問題ないよ?」
P「俺は見られたら助からないの」
美希「むぅ……ゴージョーなの」
P「当たり前だろ……他をあたってくれ」
美希「でも大丈夫だよ!」
P「話を聞いてくれ」
美希「こんなこともあろうかと、仮眠室に鍵を付けておいたの!」
P「誰か助けてくれ」
美希「さあさあ」
P「やめろ、引っ張るな」
美希「ここでするか、あっちでするか。二つに一つなの」
P「もうこれ絶対知っててやってるよね」
美希「早くその子種をミキの中にどぴゅどぴゅ注いで孕ませるの」
P「なんとなく情報源が分かってきたぞ」
P「さては音無さんの本を読んだな」
美希「バレたの」
P「薄い本を読んで変な知識を身につけちゃったというわけか」
美希「バレバレなの」
P「薄い本を読んで性について学ぶ美希か……」
美希「バレンタインなの」
P「興奮してきた……服を脱げ」
美希「大好きファニー!」
P「待て! 冗談だ! 本当に服を脱ぐんじゃない!」
美希「えー」
P「ほんとどうしたんだ美希。今日はなんかおかしいぞ」
美希「…………」
P「何かあったのか?」
美希「……ミキ、知ってるの」
P「知ってる? 何をだ?」
美希「この前、ミキが事務所に来ないのをいいことに春香といちゃいちゃしてたの!」
P「……はい?」
美希「とぼけても無駄なの! しっかり見たの!」
P「見たって、何を?」
美希「春香とずっとおしゃべりしてたの! 楽しそうに!」
P「それの何が悪いのか俺には理解できないが……じゃあ、それをどうやって見たんだ?」
美希「小鳥がパソコンで見てたのを見せてもらったの」
P「美希。その映像、どこから撮られてた?」
美希「あっち」
P「よし」
P「あったよ……まさか事務所にカメラ仕込んであるとは……ある意味すげえなあの人」
美希「いつからあったのかな」
P「さあな……あんな所、普段だれも触らないからなぁ。やよいがたまに掃除するくらいだろ」
美希「ってことは、やよいはこれがあるのを知ってたのかな?」
P「……知ってた、かもしれないな。でもまあ、たぶん、見つけた時に音無さんにうまいこと誤魔化されたんだろう」
美希「どう誤魔化されるの? いくらやよいでも、あんな所にカメラが設置されてたら不審に思うはずなの」
P「…………」
美希「もしかして、黙ってるのを条件に小鳥から何か貰って……?」
P「やめてくれ。俺の中のやよい像が音を立てて崩れそうだ」
P「まあ音無さんは今度問い詰めるとしよう。それじゃ、俺は仕事に戻るかな……ええと、たしか美希はもう帰るだけだったな?」
美希「うん」
P「じゃあ、気をつけて帰るんだぞ」
美希「わかったの」
P「…………」
美希「…………」
P「……帰らないのか?」
美希「さすがに誤魔化されないの」
P「やっぱり?」
美希「うん」
美希「さあハニー、説明してもらうの」
P「なんのだ」
美希「この間の浮気について」
P「担当アイドルとのコミュニケーションを浮気と言われてもなぁ……そもそも別に美希とは付き合ってないし」
美希「ハニーはミキのハニーなの! 他の女と仲良くしちゃヤ!」
P「でもそういうのが避けられない仕事なわけで……いやそもそも美希とは付き合ってないけど」
美希「そういうことじゃないの! 問題は、ハニーがミキには見せたことのない表情で春香と話してたことなの!」
P「気のせいだろ……それに俺と美希は別に付き合ってないし」
美希「そんなに強調しないでほしいの!」
P「……で? 結局美希は俺にどうして欲しいんだ?」
美希「ミキと付き合って」
P「ダメだ。その願いは私の力を超えている」
美希「じゃあミキ以外の女の子と仲良くしないで」
P「あ……ごめんなさい。それ、無理なんですよ」
美希「むぅ……」
P「ごめんなさいね」
美希「じゃあ、せめて春香と仲良くしないで」
P「ですからごめんなさい、それも無理なんですよ。そういう仕事でしてどうも」
美希「じゃあどうすればいいの!!」
P「笑えば?」
美希「ハニーのバカ! もう知らない!」
P「あらら」
P「えーと……これは、響向きの仕事だよな」
美希「…………」
P「じゃあこっちは真にまわして……と」
美希「…………」
P「これは……やよい……いや……うーん」
美希「……ハニー」
P「うーむ……」
美希「……っ!」
P「……やはりやよいか」
美希「ハニーッ!!!」
P「うおっ!?」
P「なんだいたのか……外に出てったからもう帰ったかと思ったよ」
美希「…………」
P「なんだ? どうかしたのか?」
美希「ねえ……ハニーにとって、ミキはなんなの……?」
P「担当アイドル」
美希「っ……じゃあ、春香は?」
P「……さっきから、なんでそんなに春香にこだわるんだよ」
美希「答えて!!」
P「……春香もお前も変わらない。二人とも俺の担当アイドルだよ」
美希「ウソだよ……ミキにはわかるもん」
P「…………」
美希「だってハニー、春香と話してる時、すごく楽しそうにしてるもん」
P「…………」
美希「春香のこと見るとき、いつも優しい目してるもん……」
P「…………」
美希「春香のクッキー……美味しそうに食べるもん……」
P「だって……ほんとに美味しいもん……」
美希「ミキもそう思うの……」
P「じゃあいいだろ……?」
美希「うん……」
美希「違うの!」
P「なにが」
美希「ミキが言いたいのは……!」
P「美希が言いたいのは……?」
美希「言いたいのは……!」
P「板なのは……?」
美希「千早さんなの」
P「そうか」
P「じゃ、おつかれー」
美希「待って! ちょっと待って! 今のはズルいって思うな!」
P「俺さ、仕事しないといけないんだよ」
美希「ハニーはミキと仕事、どっちが大事なの!?」
P「ぶっちゃけ美希も仕事のうちだし……」
美希「……それ、は……担当アイドルに言ってもいいことなの……?」
P「……駄目かも」
美希「だよね」
美希「ミキ、今ので傷ついたの」
P「うん、俺も今のはちょっと言い過ぎたと思う」
美希「ハニーにとって、ミキはただの商売道具なんだね……」
P「それは違う!」
美希「違わないの」
P「そうか?」
美希「そうなの」
P「じゃあそうかもしれない」
美希「待って。納得しちゃヤなの」
P「わがままだなぁ」
美希「ねえ、どうして春香なの?」
P「…………」
美希「春香よりもミキの方がスタイルいいのに」
P「俺はスタイルの良さで相手を判断しないよ」
美希「春香よりもミキの方がお仕事多いのに」
P「仕事の量は関係ないだろ?」
美希「ミキの方が……ミキの方がハニーのこと好きなのに!」
P「……美希。相手を愛していれば、相手も自分を愛してくれるってわけじゃないんだ」
美希「……!」
P「そもそもいつの間に俺が春香のこと好きな設定になったんだ……」
美希「違うの?」
P「んー……あんまり違わないかも」
美希「ほらやっぱり」
P「でも、どうせ春香もお前もアイドルなんだし、俺が付き合ったりすることはないよ」
美希「じゃあミキ、アイドルやめる」
P「ここでアイドルやめる美希は好きになれないなぁ」
美希「じゃあ、トップアイドルになるの。そしたらハニー、結婚してくれる?」
P「そんな約束はできないなぁ」
美希「むー……じゃあ、春香を殺したら結婚してくれる?」
P「できるのか?」
美希「できないの」
P「じゃあ言うなよ」
美希「ハニーのバカ」
P「…………」
美希「バカ」
P「…………」
美希「……カバ」
P「なんでだろう、そっちの方がダメージあるんだけど」
美希「お腹出てきたからじゃないの?」
P「出てない」
美希「出てるの」
P「やめてくれよ……美希がそう言うと、本当にそうなんだって思われちゃうじゃないか」
美希「誰に?」
P「…………」
美希「ハニー?」
P「…………」
P「あ、そろそろ帰らないといけない時間じゃないか?」
美希「送って」
P「いや、俺まだ仕事あるし」
美希「送って?」
P「いや、だから仕事が……」
美希「告って?」
P「はいはい、早く帰ろーねー」
美希「むー、押さないでほしーのー」
美希「……わかったの。今日のところは大人しく帰ってあげるね」
P「そりゃよかった」
美希「でもねハニー、これだけは覚えておいて?」
P「なんだ?」
美希「ハニーが春香のことをどれほど好きだったとしても! ミキはぜったいにハニーを諦めないの!!」
P「だから俺は別に……」
美希「わかった!?」
P「……ああもう、わかったわかった。わかったから早く帰れ」
美希「うん! また明日ね、ハニー!」
P「ああ、また明日な」
P「……まったく。美希も、もうすこっ……!」
春香「…………」
P「…………」
春香「…………」
P「いつからいた?」
春香「ついさっき来たばかりですよ?」
P「……そうか」
春香「…………」
P「…………」
春香「……好きだったんですね」
P「ごふっ、げふっ」
P「言っとくがな、さっきのは美希の勘違いにのってやってただけで」
春香「でも否定しませんでしたよね?」
P「いや、あれはだな……」
春香「でも否定しませんでしたよね?」
P「だから、その……」
春香「でも否定」
P「もう帰れよお前」
春香「ガーン」
春香「冷たいー、プロデューサーさんが冷たいー」
P「うるさい、とっとと帰れ」
春香「えー。送ってくださいよー、私のことが大好きなプロデューサーさーん」
P「ぜってー送らねーからな」
春香「……へー、そうですか」
P「……おい、なんでスマホを取り出したんだ。まさかお前……!」
『そもそもいつの間に俺が春香のこと好きな設定になったんだ……』
『違うの?』
『んー……』
P「わかった、送る。駅まで送ってやるからそれを消せ」
春香「えー」
P「えーじゃない」
P「ほら、着いたぞ」
春香「よろしい」
P「…………」
春香「それじゃ、ご褒美に録音した音声を消してあげましょうかね」
P「……いやに素直だな」
春香「おや? 消さない方がいいですか?」
P「全然。さっさと消してくれ」
春香「はーい」
春香「……よし、削除完了」
P「本当だろうな?」
春香「本当ですって。ほら」
P「……たしかにここには無いが、ファイルを移動した可能性も……」
春香「疑り深いですね。ちゃんと消しましたよ」
P「……お前がこんなにあっさり消すわけがない」
春香「あれ? 私って意外と信用されてない?」
P「当たり前だろ」
春香「ガガーン」
春香「まあでも、ちゃんと消しましたよ? 冗談抜きで」
P「ふーん……」
春香「……あれ? もしかして、あっさり消されちゃってちょっと残念ですか?」
P「ばか言え、消したならとっとと降りろ」
春香「ふふ、大丈夫ですよ。ちゃーんと頭の中に永久保存してありますから」
P「……聞いてねえよ」
春香「それじゃ、電車ももうすぐ来ちゃいますし、ここらでお別れですかね」
P「既に1本逃してるけどな」
春香「ありゃ、ばれてました?」
P「ああ」
春香「ま、いーですけど。それじゃ、お疲れ様でした」
P「おう、お疲れ」
春香「……あ、そうだ、プロデューサーさん」
P「ん?」
春香「私がトップアイドルになるまで、美希に目移りしないでくださいね?」
P「…………」
春香「それじゃ今度こそ。おやすみなさい、プロデューサーさん」
P「……ああ。おやすみ、春香」
見てくださった方、ありがとうございました
こういう雰囲気好き
過去作あったら教えて欲しい
春香「プロデューサーさんとだらだら雑談」
春香「寝ているプロデューサーさんと」
過去作だとたぶんこのあたりが似たような雰囲気だと思います
ありがとう
読むわ
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