雪歩「どこにいたって聞こえる」

https://ex14.vip2ch.com/news4ssnip/kako/1458/14581/1458101797.html
1 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします[saga]:2016/03/16(水) 13:16:37.86 ID:jD/xTHnk0

地の文有り

雪歩とPしか出てきません(多分)

書きため無し、投下速度凄く遅め


https://www.youtube.com/watch?v=WZ6A_Gt4b_Q

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1458101797
2 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします[saga]:2016/03/16(水) 13:25:25.21 ID:jD/xTHnk0

「遠い存在になる、か...」

ファンってこういう心情なのかな、とさっきより少し小さく呟く。

自己中心的だから寂しいとか言うんだ、とか誰かは言うけど、別に自分も迷惑かけたいとかそういう気持ちで居る訳じゃない。

ただ、漠然と喪失感があるだけだから。
3 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします[saga]:2016/03/16(水) 13:33:31.47 ID:jD/xTHnk0

コーヒー買うって言って外出ただけだし、早く戻らないとな。

こう思うと、自分も前に比べたら仕事がだいぶ増えた。
スーツも、最初の頃に比べたら割と似合うし、ネクタイもなんとやら。

コンビニに入ってコーヒーを買う。いつものやつでいつもの価格。

変わらないで居てくれる安心感がきっとあるんだろう。
自分や他人は変わってしまうから。
4 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします[saga]:2016/03/16(水) 13:43:49.55 ID:jD/xTHnk0

「ご来店ありがとうございましたー」


店を出ようとしたとき、丁度曲が終わって次に入る。


『では、本日は最近勢いがあるアイドル、萩原雪歩さんのカバーで...』



ぴくっ、と動いた肩に他の人は気づいたんだろうか。
5 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします[sage]:2016/03/16(水) 14:06:35.08 ID:Nz2VWuNPO
アガペかな
6 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします[saga]:2016/03/16(水) 14:15:40.41 ID:jD/xTHnk0

小鳥さんが仕事をあがると、さっきより事務所は暗く見える。


「テレビかラジオでもつけるかな...」


独り言が空しく事務所に消える。



少し探したがラジオは見つからない。
そういえば、買い換えようとか言ってたような。

捨ててから...きっと、みんな忙しくなっちゃったんだろう。


頭を振ってテレビをつける。

雑音さえ聞こえてくれればいいから、別に中身は気にしない...はずだった。


『この世の果てまで』


本当にもう、どこまでも彼女の声は届くのかもしれないな、なんて思った。
7 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします[saga]:2016/03/16(水) 14:29:43.76 ID:jD/xTHnk0
>>5 
アガペー、と自分は伸ばしていましたが
どうなんでしょう?


アイドルの仕事がいつからか急に増えた。

それでも頑張れるのは、理由がある。

カチッ

『これからも、一緒に頑張ろうな』


どこにいたって、あなたのこの声は聞こえたから。
8 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2016/03/16(水) 14:36:11.75 ID:ZBg74FoPO
ぽぇー♪
9 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします[saga]:2016/03/16(水) 14:48:14.96 ID:jD/xTHnk0

なんだか、この前の歌みたいだなぁ


....あなたの愛は、きっと私一人で受け取ってはいけない物だから。


それでも、私はこのエロースがあなた一人に届いてくれれば構わない。
10 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします[saga]:2016/03/16(水) 15:16:09.94 ID:jD/xTHnk0

タクシーを降りて、久しぶりに事務所に急ぐ。

もう時計は十時半を指そうとしているから、あんまり期待はしていない。


今日も本当は戻る予定じゃなかったし....


みんなもう帰っちゃったかなあ、とか
でも、仕事が長引いてるかも、とか。


自分には処理できない感情が不意に胸を突く。
11 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします[saga]:2016/03/16(水) 16:58:14.67 ID:jD/xTHnk0

この角を曲がれば。


足が段々重くなっていくような感覚も、結局は一瞬で。
12 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします[saga]:2016/03/16(水) 17:43:28.97 ID:jD/xTHnk0


がん



衝撃を感じる。

暗闇で何があったかわからないうちに、聞き慣れた声がした。


「すすす、すみません...はうぅ...」


紛れもない、うちのアイドルの声だった。
13 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします[saga]:2016/03/16(水) 21:45:53.82 ID:jD/xTHnk0

「雪歩?」

わかっていても何となく、語尾は疑問調になってしまう。



「....え?」

顔を上げ、赤面する雪歩は、当然だがかわいい。


「ぷ、プロデューサーさん!」

....こんな時間にそんな大声出して、迷惑じゃないか...?
そんな顔を見て察したのか、雪歩はもっと赤面する。


「ああ、わたしったら、また...あ、あの、本当にすみませんー...」


冷静になるまで、どれぐらいかかるだろうか.....
14 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします[saga]:2016/03/16(水) 21:57:39.01 ID:jD/xTHnk0

雪歩を落ち着けてから、ベンチで二人コーヒーをすする。


「あ、雪....」


どっちが言ったんだろう。二人で笑いあえたから、それでもう満足してしまう。


「天気予報でこんなこと言ってたかな...」

改めてじっくり見ると、街は起きているようで寝ているようで
なんだか不思議な感覚だった。

いつのまにか遅い帰りにもなれちゃってこの、目の前に広がる景色もかすんでしまっていた気がする。
15 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします[saga]:2016/03/16(水) 23:17:49.91 ID:jD/xTHnk0

「綺麗だね」


思わず、呟く。
16 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします[sage]:2016/03/17(木) 00:27:19.56 ID:M6mBZOmuo
乙です
17 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします[sage]:2016/03/22(火) 03:05:43.19 ID:3pHbFr8lO
雪歩はプロデューサーをさん付けしないよ

0 件のコメント :

コメントを投稿