スタッフ「いや~、馬場さんのおかげで番組も大盛り上がりでしたよ!」
このみ「いえいえ、とんでもないです。スタッフの皆さんのおかげです!」
スタッフ「プロデューサーさんも、お忙しいところありがとうございました。またお願いしますね」
P「はい! こちらこそ、よろしくお願いいたします!」
スタッフ「では、気をつけてお帰りください。お疲れさまでした」
このみ「はいっ、お疲れさまでした」
P「お疲れさまでした!」
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P「外ロケが終わるとすぐにスタジオ出演でしたからね」
このみ「私、ちゃんと仕事できてたかしら?」
P「もちろんですよ。スタッフさんも褒めてくれましたし、俺もすごく良かったと思いますよ」
このみ「プロデューサーにそう言ってもらえると安心するわ」
P「いつもより緊張してました?」
このみ「ええ、少しね。地方だと知らないスタッフさんばかりだし」
P「帰りは明日なんで、今日は温泉でゆっくり休んでくださいね」
このみ「ふふっ、もちろんよ。それが楽しみで来たんだもの!」
P「いや、仕事のために来てくださいよ!」
このみ「冗談よ~。温泉、温泉っ♪」
このみ「えーっと、ここが私の泊まる部屋ね」
P「ええ。俺は右隣りの部屋ですから、用があったら呼んでください」
このみ「わかったわ。……それにしても、窓から海が見える部屋って素敵ね」
P「あれは別府湾ですね。それに、街並みの中には白い煙がたくさん上がってますよ」
このみ「これが全て温泉の煙なのよね? さすがは別府市……」
P「すごく有名な温泉街ですからね」
このみ「一度来てみたかったのよね~。ねえ、街へ出て散策しない?」
P「いいですよ。じゃ、隣りの部屋に荷物置いてくるんで、ちょっと待っててください」
このみ「はーい」
このみ「うーん、メジャーな観光地はさっきロケで行ったし……」
P「じゃあ、適当にぶらぶらしましょうか」
このみ「そうねえ、お土産も探しておきたいし」
P「いいですね。こっちで有名なお菓子を買って帰ろうかなあ」
このみ「私は莉緒ちゃんに入浴剤でも買おうかしら。アイドルとして美容は大事だもの」
P「きっと喜びますよ。本当なら今日も一緒に来たかったでしょうし」
このみ「気分だけでも温泉を味わってもらうわ」
このみ「なんだか懐かしくて良い雰囲気ねえ」
P「入りたいお店があったら言ってくださいね」
このみ「はーい……こっちは何かあるのかしら」
P「ちょ、ちょっと! そんな細い路地に入っても何もないですよ」
このみ「いいじゃない。探検みたいで楽しいわよ」
P「人の少ない場所に行くと誘拐されるかもしれませんよ。防犯ブザーちゃんと持ってますか?」
このみ「私は小学生か!」
P「スナックがたくさん……飲み屋街だったんですね」
このみ「昔ながらって感じで素敵な雰囲気ね」
P「まだ営業時間じゃないみたいですけど、夜になったら行ってみます?」
このみ「ううん、行かなくていいわ。今夜はプロデューサーの部屋で飲むつもりだから」
P「それ、初耳なんですけど」
このみ「嫌なの?」
P「嫌なわけないでしょう」
このみ「じゃあ決まりねっ。おつまみも買って帰るわよ~!」
P「えーと、これが大分銘菓の『ざびえる』か。社長にはこれを買って帰ろうかな」
このみ「欲しいものがたくさんあって迷うわね」
P「荷物が多くなっちゃいましたね。持ちましょうか?」
このみ「ううん、このくらい平気よ」
P「じゃ、先に進みましょう。……あれ、あの場所って」
このみ「どうしたの?」
P「このみさん、足湯があるみたいですよ。入っていきませんか?」
このみ「へぇー、いいわね。行ってみましょう」
P「あっ、思ったより熱いですよ。気をつけてください」
このみ「はーい……。んっ、でも気持ちいいわ」
P「ふぅー、癒されるなあ……」
このみ「足湯ならプロデューサーと一緒に入れるのもいいわね」
P「そうですね、話し相手がいないと退屈ですし」
このみ「これも混浴って言うのかしら?」
P「言わないと思いますよ。ちなみに混浴には入らないでくださいね、他のお客さんの目もあるんで」
このみ「分かってるわよ、もうっ」
P「なら安心しました」
このみ「んー? 私と二人きりじゃ不満かしら?」
P「いえ、そういうことじゃないです。俺たちだけ楽しい思いをしちゃって悪いなー、と思って」
このみ「それは確かに……」
P「仕事の都合だから、こればかりは仕方ないですけどね」
このみ「みんなに羨ましがられたものね。……特に奈緒ちゃんには」
P「ははは、奈緒の趣味は温泉巡りですからね」
このみ「仕事で行けない分、家族で温泉に行きたいってねだってやるー、って言ってたわ」
P「ご両親も大変だなあ」
P「そうでしょうね。既婚の同級生を見てると幸せそうですもん」
このみ「それ、すごくよくわかるわ」
P「このみさんも家庭を持ちたいって思います?」
このみ「そういう願望はあるわよ。優しくて頼りになる人と結婚できるなら、ね」
P「具体的に気になる人がいるとか……?」
このみ「案外その人は私のすぐ近くにいたりして……」
P「えっ、何ですって?」
このみ「ふふっ、秘密っ。何でもないわよ~」
このみ「足がふやけちゃったわ」
P「気持ちがいいとつい長居しちゃいますよね」
このみ「宿に戻ったらもう晩御飯の時間かしら」
P「そうですね。俺、旅館の食事って好きなんですよ」
このみ「地元の食材が使われていたりするものね」
P「大分の郷土料理を出してくれるって旅館の人が言ってましたよ」
このみ「へぇー、楽しみになってきたわ」
このみ「うわー、どの料理もおいしそうね!」
P「本当ですね、期待していた以上ですよ」
このみ「これは……何の天ぷらかしら?」
P「とり天って言うらしいですよ。鶏肉の天ぷらだそうです」
このみ「へー、酢醤油とからしで食べるのね」
P「飲み物は焼酎をいただきましょうか。このみさんもどうぞ」
このみ「ありがとう。じゃあ、乾杯しましょう」
P「そうですね、それではー……」
このみ、P「かんぱーい!!」
P「いやー、来てよかったですね~」
このみ「お酒にも良く合うのね。もう一杯もらおうかしら」
P「飲みすぎないでくださいよ。まだ風呂にも入らなきゃいけないんですから」
このみ「それもそうね。湯上りに飲むお酒の分も計算しておかないと……」
P「いえ、お風呂で溺れられたら困るので」
このみ「そこまで泥酔するわけないでしょ!」
P「普段のこのみさんを見ていると心配になるんですよ……」
P「俺は少し休んだら風呂に行ってきます。このみさんも、後は予定もないのでごゆっくりどうぞ」
このみ「じゃあ時間を気にせず楽しむとするわね」
P「俺ものんびりしてきます」
このみ「いくら私がセクシーだからって覗きに来ちゃダメよ~?」
P「そんなことしませんよ……。このみさん、既にかなり酔ってますか?」
このみ「そんな呆れた顔しないでよね。ちょっとした冗談なのに~」
P「はあ……。長く入りすぎてのぼせないようにしてくださいね」
P「ふぅー、いいお湯だった。このみさんはもう出てるかな……んっ?」
P(ゲームコーナーの一角にいる、あの後ろ姿は……)
このみ「もーっ、どうして昇龍拳が当たらないのよー!!」
P「このみさん、一人でゲームしてるんですか?」
このみ「あっ、プロデューサー? ごめんね、今は集中してるからちょっと待ってて!」
P「へぇー、『ストリートファイターⅡ』ですか。俺、筐体でやったことってほとんどないんですよ」
このみ「レバーの操作って意外と難しいのよね……あーっ、負けちゃったわ!」
P「惜しかったですね。でも、結構うまいじゃないですか」
P「あー、美奈子は格ゲー好きですよね。この前も杏奈と対戦してましたし」
このみ「さてと……プロデューサーも来たし、何かゲームでもしない?」
P「まあ、いいですけど。こういうのも旅館の醍醐味ですから」
このみ「じゃあ、ゲームの種類はプロデューサーが選んでいいわよ。どれにする?」
P「うーん、迷うなあ……。レースゲームに太鼓の達人に……あっ、これがいいです!」
このみ「エアホッケーね。よーし、負けた方がコーヒー牛乳おごりでどう?」
P「面白いですね。その勝負、乗りますよ」
P「はい、こっちはこのみさんの分です」
このみ「ふふっ、お風呂上がりのコーヒー牛乳は格別ね」
P「もう少しで勝てたんだけどなあ……。このみさんって勝負強いですよね」
このみ「今の私ならホンジャマカの二人にも勝てる気がするわ」
P「東京フレンドパークですか」
このみ「ええ、番組が続いていたら私も出てみたかったんだけどね」
P(背が低いと不利なゲームが多いと思うけどなあ……壁に張り付くやつとか)
このみ「今、何か失礼なこと考えてなかった?」
P「い、いえいえ全く! そろそろ部屋に戻りましょう!」
P「はい、どうぞー。お酒とおつまみ用意するんで、適当に座っててください」
このみ「うーん……でも普通の机と座布団で過ごすのは面白みに欠けるわねえ……」
P「他に何かあるんですか?」
このみ「二人分の布団を敷いて、その上で過ごさない? 修学旅行の夜みたいに!」
P「楽しそうですけど、行儀が良くないですね……」
このみ「大人だけの時は大人でいなくてもいいのよ~」
P「そんなものなのかなあ……。まあ、今夜くらいはいいか」
このみ「ふふっ、学生時代に戻ったみたいね」
このみ「今日はお疲れさまっ、かんぱーい!」
P「あー、テレビ見ながらダラダラお酒飲めるのって幸せだなあ」
このみ「それに、眠くなったらすぐ横になれるし」
P「いやいや、眠るのはちゃんと自分の部屋に戻ってからにしてくださいよ」
このみ「はーい……ちょっとチャンネル変てもいい?」
P「ええ、なんでもどうぞ。ニュースでもクイズ番組でも」
このみ「お酒飲みながら頭使いたくないわよー」
P「そうですね。じゃあ適当なバラエティで」
P「ええ。温泉たまごも買っておいたんで、よかったらどうぞ」
このみ「わーい、ありがとう。……うん、最高においしいわ!」
P「温泉ならではですねー」
このみ「ほんと、来て良かったわ~」
P「それにしても、この番組って面白いですよね。未来や翼がよく話題にしてるんですよ」
このみ「何だか微笑ましいわね。私も子どもの頃は、昨日見たテレビの話で盛り上がったりしたもの」
P「あー、ありましたね」
P「うーん……バラエティだと『学校へ行こう!』とか」
このみ「ああ、見てた見てた!」
P「やっぱりどこの学校でも人気だったんですね」
このみ「そう言えば、私の学校だと文化祭で『未成年の主張』を真似た催しがあったわ」
P「屋上から自分の主張を叫ぶんですね」
このみ「そうそう」
P「面白そうじゃないですか」
P「いいなあ。なんだか青春っぽいですね」
このみ「それから、全校生徒の前で告白する子なんかもいたわね~」
P「へ、へぇー……」
このみ「ん? 何か動揺してない?」
P「いえ、別に。……ちなみに、このみさんは告白されたりしました?」
このみ「されてないけど? どうしてそんなこと聞くの?」
P「もし告白されてたら、ちょっと妬けちゃうなーと思って」
このみ「な、なによそれっ。もう……」
このみ「そうねえ……オカルト系の番組とかかしら」
P「オカルト系?」
このみ「ほら、実際に体験した怖い話を紹介したりする番組よ」
P「あー、そう言えば最近少なくなりましたねえ」
このみ「子どもの頃は本気で怖くて、しばらくトラウマになったわ」
P「俺にも似た経験はありますよ」
このみ「興味本位でつい見ちゃうんだけど、夜中になってから怖くなるのよね」
P「その気持ち、わかります」
このみ「ちょっとー、やめてよね……。確かに割と古い建物だけど」
P「冗談ですよ。さすがに何も起きるわけ……」
――ガタガタッ!!
このみ「きゃあああっ! な、何の音っ!?」
P「……だ、大丈夫ですよ。強風で窓が揺れただけみたいです」
このみ「もうっ、プロデューサーが変なこと言うから意識しちゃったじゃない!」
P「す、すいません……」
P「そんなことしても意味はないでしょう」
このみ「『一人で部屋にいるのが怖いから、一緒の部屋で寝たいの』って私に言わせようと……」
P「してませんよ」
このみ「あ、やっぱり?」
P「当然ですよ。さすがに男女が同じ部屋で寝るわけには……」
――ガタンッ! ガタガタッ!!
このみ「ひゃあああっ! こ、今度は扉の方から音がっ!!」
P「こ、このみさん。危ないのでこっちへ!」
P(だ、誰かが扉を開けようとしてる!? まさか本当に幽霊……!?)
P「安心してください。鍵もちゃんとかけてますから」
このみ「うぅ……こ、怖いよ、プロデューサー……」
P(このみさん、すごく震えてる……。こういう時は俺が何とかしなければ――)
P「だ、大丈夫ですよ! 何があっても、俺がこのみさんを守ります!」
このみ「ぷ、プロデューサー……」
P「ほら、俺の手を握っててください」
このみ「う、うんっ。……ありがと」
――ドタンッ!
P(つ、ついに扉が開いたっ!?)
P「うわあああああああああっ!!」
奈緒「いやあああああああっ!! なんやねん急にっ!!」
このみ「…………へっ?」
P「…………は?」
奈緒「お、大きな声出さんといてや! びっくりしたやん!」
P「な、奈緒?」
このみ「奈緒ちゃん……? 何やってるの?」
奈緒「何してるって、私はただ――――」
このみ「旅行に行きたいとは聞いていたけど、別府に来てたのね」
奈緒「そうなんですよ。まあ、同じ旅館に泊まってたのは偶然なんやけど……」
P「だけど、どうして俺の部屋がわかったんだ?」
奈緒「それならさっきこのみさんに聞いたんです。『今日ってどこに泊まるんですかー?』って」
このみ「そう言えば、さっきLINEでやり取りしたわね。……部屋番号まで聞くから不思議ではあったのよ」
奈緒「突然現れてびっくりさせようと思ったんやけど、私の方が驚いてもうたわ」
P「三人ともびっくりする結果になるなんてな」
このみ「ほんと、勘弁してよね」
奈緒「それにしても、私を幽霊と間違えて驚くなんて、普通ありえへんやろ~?」
P「ちょうどそんな話をしていたタイミングだったからな」
このみ「それに、まさか鍵のかかっている扉をこじ開けるとは思わないもの」
奈緒「いやー、立て付けの悪い扉やな~とは思ったんですけどね」
P「古くなっていた鍵とは言え、普通壊れるもんかなあ……」
奈緒「そんな、なんでも破壊する女みたいに言わんといてくださいよ~!」
このみ「まあまあ、旅館の人に報告したら、鍵が老朽化してたせいだって言ってたじゃない」
奈緒「仲居さんに逆に謝られてもうたのは、ちょっと申し訳なかったわ」
奈緒「ほんま、ホッとしたわ。私のせいやと思ってましたし」
このみ「安心したらお腹空いたでしょ? よかったら一緒におつまみでも食べていかない?」
奈緒「いや、私はもう戻りますわ。家族も待ってますんで」
このみ「あら、それならしょうがないわね。ゆっくり話でもしたかったんだけど」
奈緒「ホンマにお騒がせしてすいませんでした。ほな、また劇場で~」
P「ご家族の方にもよろしくな」
このみ「ゆっくり旅行を楽しんできてね」
このみ「本当にね。……ところでプロデューサー、さっきはありがとう」
P「えっ? 何のことですか?」
このみ「私が怯えていたとき、『俺がこのみさんを守ります』って言ってくれて」
P「ああ……冷静に考えると恥ずかしいセリフですね。出来れば忘れて欲しいんですけど……」
このみ「ううん、嬉しかったから忘れない!」
P「そ、そうですか?」
P(ここまで真っ直ぐな笑顔で言われると照れるなあ……)
このみ「ねえ、プロデューサー。窓際に来てみて」
このみ「風も気持ちいい……。ねえ、もう少しだけ晩酌に付き合ってくれる?」
P「ええ、もちろんです。季節は春ですけど、月見酒といきましょうか」
このみ「ロマンチックな夜ね。こんな素敵な時間が、永遠に続けばいいのに」
P「大丈夫ですよ。今日が終わっても、まだまだ楽しいことがありますから」
このみ「……そうよね。きっとこれからも、思い出は増えていくのよね」
P「一緒に一歩ずつ進んでいきましょうね」
このみ「ふふっ、ずっと私のとなりにいてね、プロデューサー」
おわり
☆過去作
【ミリマスSS】百合子「耳をすませば」
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http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1456395819/
乙でした
>>1
馬場このみ(24) Da
http://i.imgur.com/hwLRb3H.jpg
http://i.imgur.com/aJ4PhcY.jpg
>>27
横山奈緒(17) Da
http://i.imgur.com/AFBYdwM.jpg
http://i.imgur.com/1nUijnJ.jpg
スーファミの人だったか、毎回楽しませてもらってます
さらっと月が綺麗ですねと
おつ
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