真美「うん! はっきり聞いちゃったんだよね~!」
亜美「ほうほう! それはいつの事だい?」
真美「えっとね~、あれは確かやよいっちと──」
───
─
真美「兄ちゃん! まだ事務所に着かないの~?」
P「う~ん、渋滞で全く車が進まないんだよ……」
やよい「真美! プロデューサーに迷惑かけちゃ駄目だよ!」
真美「うあうあ~! そんなこと言っても亜美と約束があるんだよ~!」
P「ははっ、ごめんな」
prrrr…
P「おっと、電話だ。えーっと……」
P「……」
P「……そうだ! どうせ暫く進まないし、真横のファミレスに入っちゃうか」
真美「お! 真美お腹ペコペコだよ~! 兄ちゃんの奢り?」
P「ああ、もちろんそうだぞ!」
真美「わーい! やったね、やよいっち!」
やよい「いいのかなぁ?」
P「ああ、気にする事ないぞ! 俺もちょっと電話しないといけないからな」
真美「そうだよ! とりあえずファミレスにゴー!」
P「じゃあ行くぞー」
ファミレス
真美「ふぅ~、食べた食べた! あれ? そういえば兄ちゃんは?」
やよい「プロデューサーなら電話しに行っちゃったよ」
真美「ふーん。それじゃあ真美はちょっと手を洗ってくるね!」
やよい「うん!」
真美「えーっと、お手洗いはっと……」
真美「あれ? 兄ちゃん?」
P「────」
真美「確かに電話してる」
P「今日は──なる──」
「────」
P「──、愛してるよ──」
真美「!?」
真美(今、愛してるよって!)
─
──
真美「ってことがあったんだよ!」
亜美「え~? 聞き間違えじゃないの?」
真美「いいや! 絶対に言ってたもんね!」
真美(それにあの声は間違いなく……)
ガチャ
伊織「おはよう。ってアンタ達こんな所で何やってんのよ?」
真美「!?」
亜美「あっ、いおりん! 実は真美が──」
真美「あーあー! なんでもないよ! それより早く行かないとレッスンに遅れちゃうよ!」
亜美「ホントだ! 急がなきゃ!」
伊織「なによ? 相変わらずよくわからない双子ねぇ……」
真美「あはは……じゃあね、いおりん!」
伊織「気をつけなさいよね」
真美「う、うん! ありがとう!」
真美(そう。電話口のあの声は間違いなくいおりんだった……)
次の日 朝
765プロ ビル前
真美「さーて、今日もおしごと頑張るよ~ん!」
真美(って、あれはもしかして兄ちゃん!)
「それじゃあまた後でな」
「頑張ってね」
「ああ、ありがとう」
真美(こ、この声は!)
真美(姿は見えないけど、やっぱりいおりんだったんだ! これはみんなに報告せねば!)
真美(確か、いおりんは今日はオフのはず!また後でという事は、仕事が終わってからデートするに違いないっしょー!)
真美(んっふっふ~! いおりんも隅に置けませんな~!)
765プロ 給湯室
真「プロデューサーに恋人!?」
真美「しーっ! 声が大きいよ!」
真「ご、ごめん」
雪歩「そ、そうなんだ……」
真美「しかも相手はいおりんなんだよ」
真「伊織!?」
真美「だから声が大きいよ!!」
真「だって大きくもなるよ!」
P「伊織がどうかしたかー?」
真美「な、なんでもないよ!」
真「でもこれは誰にも言えないね」
真美「え? なんで?」
真「だって春香や美希、あずささんが聞いたらどうなることか……」
真美「あ~、確かに……」
真「それにボクだって……」ボソッ
雪歩「わ、わたしも……」ボソッ
真美(真美だって……実はそうだよ……)
真「……でも、やっぱり応援してあげようよ! 仲間が幸せになるならボクらも嬉しいことだよ!」
真美「……そうだね! 今度みんなでお祝いしようよ!」
雪歩「う、うん!」
真「みんなにはそれとなく伝えようか。まあ仕事に影響ないといいけど……あははっ」
真美「みんないおりんの事好きだから大丈夫っしょ!」
P「おーい、そろそろスタジオ行くから準備しろー!」
「はーい!」
後日 765プロ
真美「結局全員話を消えて倒れちゃったね……」
亜美「まあ、しょうがないっしょ」
真美「でもみんな祝福してくれる辺りが765プロだね」
亜美「そだね」
真美「そういえば兄ちゃんは?」
亜美「たぶん、たるき亭でお昼ご飯食べてるよ」
真美「そっか」
真美「それにしても、いおりんはいつから付き合ってるんだろうね?」
亜美「まぁ、それを今から聞くんですがね……」
亜美真美「んっふっふ~!」
ガチャ
伊織「おはよう。ってまたアンタ達はこんな所で」
真美「いおりん! かくご!」
亜美「かくほー!」
伊織「きゃっ! 何よアンタ達!」
亜美「一体いつから、兄ちゃんと付き合ってるんだい~?」
伊織「はぁ? 何のことよ?」
真美「とぼけても無駄ですぞ~! ネタはあがってるんだい!」
伊織「ちょっと! なんなのよいきなり!」
ガチャ
P「ただいま戻りましたー。 って何やってるんだお前ら?」
真美「あっ、兄ちゃん!」
亜美「さあ! 兄ちゃんもはくじょーするんだ!」
P「え? 何のことだ?」
真美「兄ちゃんの恋人のことだよ!」
P「え!? お前らどうしてそれを!?」ドキッ
真美「この前、真美は電話の声を聞いちゃったんだよ!」
P「あ、あの時か……」
真美「それに事務所の前でも!」
P「うっ……それも見られてたか……」
亜美真美「さあ! はくじょーしろー!」
P「……実は今日みんなが揃ったら報告しようと思ってたんだよ」
亜美「え? そうなの?」
P「みんなもう一人前になったしな、頃合いだと思ったんだよ。まぁ、とにかくみんなが揃ったら発表するから」
亜美真美「は~い」
P「ところでなんか伊織がグッタリしてるんだが……」
亜美真美「あっ、聞いた時の勢いが強すぎて気絶しちゃった……」
伊織「」
──
─
P「えーと、実はみんなに紹介したい人がいるんだ」
真「ボク達みんなもう知ってますよ!」
P「え? そうなのか?」
美希「うん……ミキ達悲しいけど、おうえんするね?」
P「黙っててごめんな」
春香「仕方がないですよ。言いふらせるものでも無いですし」
P「ああ、そう言って貰えると助かる」
P「ところで伊織は?」
雪歩「まだソファで寝てますぅ」
P「……そうか」
あずさ(恋人の事が気になるのは仕方ないわよね……)
P「それじゃあ伊織には後で紹介しよう」
全員「え?」
P「じゃあ紹介するな。おーい!」
ガチャ
???「こんにちはー!」
全員「え?」
P「えっと、知ってる人も多いと思うけど……」
小川「どうもー」
小鳥「た、たるき亭の!」
律子「小川さん!?」
真美「え? でも真美が聞いた声は確かに!」
亜美「真美、小川さんの声をよく聞いてみ……」
真美「え?」
真美「……」
真美「ああ~!! いおりんにそっくりだ!!!!」
律子「確かに私も昔、伊織と間違えて小川さんを飛行場に……」
小川「あははっ、あの時はびっくりしましたよ!」
真美「それじゃあ真美がいおりんだと思っていたのは……小川さんだったんた!!」
真美(そういえば二回目の時も場所は……たるき亭の前!)
伊織「あ、亜美……真美……アンタ達ねぇ!」ゼエゼエ
P「おっ、伊織起きたか」
伊織「起きたじゃないわよ。一体何の騒ぎ?」
P「いや、みんなに俺のパートナーを紹介していて」
伊織「は? パートナー?」
小川「あっ、伊織ちゃんは初めましてかな!」
伊織「え? え? どういうこと?」
P「実はな──」
全員(でも待ってよ……相手が伊織じゃないなら私たちにもワンチャンあるんじゃ……)
全員(小川さんには悪いけど……仲間うちじゃないなら堂々と奪いとれる!)
伊織「」バターン
P「え!? どうしたんだ伊織!!」
全員(まずは一人!!)
P「ふう……伊織はソファにまた寝かしつけてと……」
小川「伊織ちゃん大丈夫だった?」キラッ
P「ああ、大丈夫そうだ」
全員(え? 小川さんの指に光るのは……まさか!!!!)
P「あっ、指輪付けっぱなしだぞ」
小川「いけない! アルバイト前には外さないと!」
真美「兄ちゃん……その指輪って……」
P「ああ、先日入籍してな!」
全員「」バターン!!!!!!
P「お、おい! どうしたんだみんな!」
終わり
>>15
話を消えて→話を聞いて
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