このみ「ふぅ、今日の仕事はこれで終わりね」
P「すいません、雑用を手伝ってもらっちゃって」
このみ「いいのよ、シアターの仲間じゃない」
P「今度お礼をしますよ」
このみ「ふふ、楽しみにしてるわ。さ、帰りましょ」
P「ええ……。あっ、これを休憩室に置いておくんだった」
このみ「あら、その紙袋って何が入ってるの?」
P「子どものころに遊んでいたゲームを持ってきたんです。家の押入れに眠っていたんで」
このみ「ゲーム?」
P「ええ、杏奈が昔のゲームをやってみたいって言ってて」
このみ「あら、これは……『星のカービィスーパーデラックス』?」
このみ「一応ね。へえー、スーパーファミコン本体まで」
P「今の子はもう知らないでしょうけどね」
このみ「そうね。私が小学校低学年くらいにやっていたくらいだし」
P「小学生のこのみさんか……」
このみ「あの頃は若かったわ~」
P(見た目は今とあまり変わってなさそうだけどな)
このみ「……今、なに考えてた?」
P「い、いえいえ何もっ!?」
このみ「ふーん、私はアダルトなレディなんだからね?」
P「わかってますよ」
P「ええ。子どものころにやってたゲームって、久しぶりに遊ぶと楽しいんですよね」
このみ「ねえ、今からちょっとだけやってみない?」
P「えっ? 今からですか?」
このみ「今日の仕事も終わったしいいじゃない、ね?」
P「んー……そうですね、じゃあ少しだけ」
このみ「時には童心に帰りましょう」
P「十年以上ぶりだなあ」
P「えーと、配線をつないで……っと。準備できましたよ」
このみ「はい、このカセットね」
P「あっ、どうも。では早速……」
カチッ
P「あれっ? 電源が入らないな……」
このみ「フーってしなきゃ、フーって!!」
P「ああ、そうでした。ふーっ、ふーっ…………」
カチッ…………ピコーン!!
P「よし、ついたぞ」
このみ「懐かしいわね、この感じ」
――ドンッ!!
P「おっ、これまた懐かしい」
このみ「久しぶりに起動すると絶対にデータが消えてるのよね~!」
P「何度もやり直したなあ……」
このみ「スーファミ世代だけの経験ね」
P「じゃ、最初からやりますか」
このみ「私は2Pでいいわ。プロデューサーがカービィやって」
P「いいんですか?」
このみ「2Pでも楽しめるのがこのゲームのいいところでしょ」
P「まあ、確かに」
このみ「まずは『はるかぜとともに』よ」
P「チュートリアル的なステージですね。ここらで操作を思い出しましょうか」
このみ「くっ……なかなか手ごわい敵ね!」
P「まだ中ボスですよ。一度距離をとってから攻撃してください」
このみ「ああっ、なんか死んじゃいそうなんだけどっ……!!」
P「Aボタン連打しちゃダメですよ! 自爆しちゃいます」
このみ「あわわわ……」
P(このみさんってゲーム音痴なのかな……)
このみ「そ、そんな目で見ないでよ! 久しぶりで勘が鈍ってるだけなんだからっ」
P(先が思いやられるなあ……)
P「今はそれほどでも……杏奈に付き合うくらいですね」
このみ「ふうん、杏奈ちゃんと仲がいいものね」
P「そうですかね? 別に普通ですよ」
このみ「もしもの話だけど、劇場の子たちに好きだって言われたらどうするの?」
P「えっ? そんなことありえませんよー」
このみ(杏奈ちゃんは微妙なところだけど、明らかにプロデューサーに好意を持ってる子もいるのに……)
このみ「鈍感な人ねえ……」
P「んっ? どうかしましたか?」
このみ「……なんでもないわ」
P「大丈夫ですか?」
このみ「プロデューサー、ちゅーして」
P「はーい」
チュッ
このみ「……んっ、ありがと……」
P「口移しで体力が回復するシステムって独特ですよねー」
このみ「はたから聞いてるとアダルトな会話だったかしら」
P「……妙なこと言わないでください」
このみ「あっ、もう次がラストステージね」
P「まあ、まだ最初のゲームなんで」
このみ「えーと、ゲームって全部で六つだっけ?」
P「そうですよ。……六つのゲームでカービィちゃんっ!」
このみ「ああ、あったあった! そんなCM!」
P「でも、さすがに六つ全部クリアする時間はないかなあ」
このみ「大丈夫よ、まだ夜になったばかりじゃない」
P「はあ……遅くなったら駅まで送りますね」
このみ「ふふっ、ありがとう」
このみ「出てくるコピー能力も増えて楽しいわ」
P「あっ、スープレックス取ろう」
このみ「大丈夫? それってボス戦だと戦いにくくない?」
P「あー、確かに。うまく使うと強いらしいんですけど」
このみ「ふうん……プロデューサーはどのコピーが好きなの?」
P「ヨーヨーとかニンジャとかですね」
このみ「へえー、なんだか技巧派?」
P「どうなんでしょうね。単純に使ってて楽しいんですよ」
このみ「これで一段落ね。あー、なんだかお腹すいたわ」
P「そういえば夕飯まだでしたね」
このみ「そういえばって……忘れるようなこと?」
P「いやあ、この仕事してると食事が不規則になっちゃって……」
このみ「ダメよ、そんなんじゃ。体が資本なんだから」
P「そうですよね……反省してます」
このみ「ふふっ、わかればよろしい」
P「お弁当でも買ってきましょうか?」
このみ「ううん、私が適当に作るわ。お姉さんに任せなさいっ」
このみ「今からご飯を炊く時間はないし、パスタでも茹でる?」
P「いいですね、好きですよ」
このみ「えーと、何か食材は……と」
P「冷蔵庫がモノで埋まってはいますけど……」
このみ「ほとんどが中華料理の材料ねえ」
P「美奈子が持ち込んだんでしょう」
このみ「これって勝手に使ってもいいかしら」
P「問題ないと思いますよ」
このみ「じゃあ、にんにくと唐辛子で……」
P「すごい……このみさんって料理が上手なんですね」
このみ「大人のレディとして当然よ。さっ、召し上がれ」
P「いただきまーす! ……うん、すごく美味しいですよ!」
このみ「簡単な料理で悪いわねえ」
P「いやいや、手元にあるものだけで作れるってすごいです」
このみ「ありがとう。今度はもっとちゃんとした料理を作ってあげるわね」
P「楽しみにしてます」
P「飲むんですか? 明日の仕事は……」
このみ「いいじゃない、少しくらい。ね? 付き合ってよ」
P「んー、そうですね。最近は忙しかったんで、こういうのも久しぶりですし」
このみ「いくわよ~。かんぱーい」
P「かんぱーい」
このみ「ふぅ……やっぱり仕事終わりのアルコールはたまらないわ~」
P(まあ、ちょっとだけならいいかな……)
P「このみさんの料理おいしかった~」
このみ「そんなに喜んでもらえるなんて、嬉しいわ」
P「女性の手料理が嬉しくない男なんていませんよ」
このみ「そう言ってくれるといい気分ね。もうちょっと飲もうかしら」
P「まだお酒ありましたっけ?」
このみ「日本酒とビールは買い置きしてあるわよ。棚の上から取ってくれる?」
P「いいですけど……ちゃんぽんですか? 悪酔いしますよ」
このみ「大丈夫よ、飲みすぎはしないから。ね、ゲームしながら飲みましょう」
P「あまり行儀がよくない気もしますけど」
このみ「いいのよっ。大人の特権なんだから」
P「はいはい」
P「ああ、どうも……。じゃ、ゲーム再開しますね」
カチッ
0% 0% 0%
――ドンッ!!
P「」
このみ「」
P「……うん、迂闊でしたね」
このみ「……ほ、ほら、また最初からやりましょう!!」
P「……そ、そうですね。お酒もありますし、のんびりいきましょうか」
このみ「さあ、サクサクっとクリアし直したわ」
P「まだ序盤で良かったですね」
このみ「さあ、今日中に全クリするわよ~」
P「気持ちはわかりますけど、厳しくないですか? 終電がなくなっちゃいますよ」
このみ「うーん、無理かしら。どのくらい時間がかかるのかもう覚えてないわ」
P「『洞窟大作戦』でお宝を集めるかどうか次第じゃないですか?」
このみ「あー、そっか。たしかお城の中が長いのよねえ」
P「ええ。……じゃあ先に『メタナイトの逆襲』からやります?」
このみ「そうね。時間が余ったらお宝をたくさん集めましょう」
このみ「プロデューサー、酔ってるんじゃない? ちょっとプレイが荒いわよ」
P「そうかもしれません……あっ、やられた」
このみ「あー、ちょっとタイム。きゅうけーい……」
P「あーもう、床に寝転んじゃって……。だらしないですよ」
このみ「いいじゃない。大人だけの時くらいは」
P「……言われてみれば、だらーっと気を抜いてるこのみさんって結構レアかも」
このみ「当然よー。普段は年下の子たちの面倒を見なくちゃいけないし……」
P「いつも助かってます。……このみさんは素敵なお姉さんです」
このみ「あはは、若い子たちは学校に通いながら頑張ってるんだもの。このくらい大したことないわ」
P「ささっ、もう一杯どうぞ」
このみ「……ありがとう。美味しいお酒ね」
P「うあー、また負けた! メタナイト強い……!!」
このみ「ごめんね、あんまり役にたてなくて」
P「こんなに強かったっけなあ……」
このみ「ねぇ、ソード以外の、コピー能力で戦ったら?」
P「いやいやいや! ソード同士で戦うのがロマンなんですよ!」
このみ「はあ……。なんて言うか、男の子ねぇ……」
P「次こそ勝てそうな気がします!」
このみ「長かったわねえ。はい、お祝いのお酒」
P「またお酒ですか? まあ、飲みますけど!」
このみ(プロデューサー、珍しくハイになってるわね)
P「あー、ビール美味い……」
このみ「焼き鳥でも欲しいところねー」
P「ここが居酒屋だったら頼んでるんですけど」
このみ「お姉さん宅飲みも好きよ。時間を気にしなくていいもの」
P「ここは自宅じゃなくて劇場ですけどね」
このみ「くつろげるって意味じゃ一緒よ」
P「それもそうですねー。あ、次は『洞窟大作戦』ですよ」
このみ「ワクワクするわよね~。あ、ビーフジャーキーあけていい?」
P「どうぞ遠慮なく」
このみ「ああ、お酒が足りないわ~」
P「俺もまだ飲みたくなってきました。コンビニで何か買ってきましょうか」
このみ「あ、私も一緒に行くわ。ちょっと夜風に当たりたい気分だし」
P「いや、俺ひとりで行きますから」
P(このみさんが夜中に外出してたら補導されそうだしな)
このみ「うーん、じゃあ頼んじゃっていいのかしら。悪いわね」
P「いえいえ、適当に先に進めといてください」
このみ「わかったわ。気をつけてね」
このみ「とは言ったけど、シャワーは浴びておかなきゃ」
このみ「……メイクも落としたいからね、うん」
このみ「ココロは~マーメイドのように~♪」
このみ「あっ、シャンプ―が切れてるわね……部屋に取りにいかないと」
このみ(プロデューサーはまだ帰ってこないだろうし、バスタオルだけでいいか……)
このみ「えーと……あ、あったわ」
ガチャッ
P「ただいま戻りました~。…………えっ?」
このみ「ふえっ?」
P「こ、このみさんっ!? なんでバスタオル一枚で……!?」
このみ「ぷ、プロデューサー!? も、戻ってくるの早いわよ! ……あっ」
パラッ
P(このみさんのバスタオルがはだけて素肌が見えそうに――)
このみ「きゃああああああああっ! あっち向いて! 早く!」
P「す、すいませんっ」クルッ
P「……えーと、見てませんから」
このみ「…………全く?」
P「はい! 全く!」
P(本当は少しだけ見ちゃったなんて言えない……)
このみ「まあ、バスタオル一枚の姿を見られただけで十分恥ずかしいんだけどね」
P「で、ですよねー……」
このみ「……お酒ちょうだい」
P「あっ、はい」
このみ「んっ…………ふぅー」
P「ちょっと飲みすぎじゃないですか?」
このみ「……いいのよ」
このみ(恥ずかしくて飲まなきゃやってられないのよ、もう……)
P「もうやめた方がいいですよ。顔も真っ赤ですし」
このみ(それも恥ずかしいからなのに……)
P(うわあ、酔いが回ってきてる)
このみ「あっ、洞窟クリアしたあ~。うへへ……」
P「……とにかく、最後のゲームですね。『銀河にねがいを』です」
このみ「雰囲気がいいのよね~。私、一番好きかも」
P「コピー能力を集めていくのが楽しいんですよね」
このみ「そうそう、まずタックの星に行ってね」
P「はいはい。えーと、ここでしたっけ」
このみ「ヘルパーのコピーは強いんだからっ。私がいれば百人力よ~!」
P「ははは……期待してます」
P「このみさん、もうお酒は控えたほうが……」
このみ「いーいーのー! ほら、私だけじゃなくてプロデューサーもっ」
P「でも……」
このみ「ん~? 私のあられもない姿を見そうになったこと、みんなに言っちゃおうかしら」
P「それはダメですよっ! ……ささっ、お酒どうぞ!」
このみ「えへへ~、ありがとう」
P(こりゃ早くクリアしないとマズイな)
このみ「うーん……今夜は帰りたくないわ~……」
P「ぶっ……! な、なに言ってるんですか!」
このみ「だってもう電車ないんだも~ん」
P「ええっ? 本当だ、もうこんな時間!? と言うか俺も帰れないし!」
このみ「うふふ、お姉さんここで寝る~」
P(仕方ない、俺は事務所のソファででも寝るか……)
P「ええ、このみさんもほどほどにしないと二日酔いで苦しみますよ?」
このみ「平気よ~、明日の予定は午後からだもの~」
P「俺は朝から百合子と定期ライブの打ち合わせなんです」
このみ「え~、一人で飲んでもつまんな~い。あ、最後の星もクリア?」
P「ええ、次がラスボスです。……急にシューティングになるやつですね」
このみ「ついに最終決戦ね~! 燃えるわ~!!」
P「勝ったらもう休んでくださいね」
このみ「ラスボスのマルクは手ごわいわね~」
P「このみさんが泥酔しててまともにプレイできないからですよ! ほら、画面見て!」
このみ「あ~れ~、ブラックホールに吸い込まれる~」
P(ああ……もう俺ひとりで頑張るしかないか……)
このみ「お酒が足りないから勝てないのよ~。はい、プロデューサー」
P「えーい、こうなったらヤケだ!! いただきます!!」
このみ「ふふふ、いい飲みっぷりね~」
P「絶対勝つ!!」
このみ「やったー! ついにマルクを倒したわよー!!」
P「はぁー……やっと終わった……飲みすぎて頭が回らない……」
このみ「プロデューサー、はいた~っち、いぇいっ!」
P「はい……いえーい……くらくらする……」
このみ「やっとクリアしたわね。素晴らしい達成感だわ~」
P「はぁ……そうですね。あっ、エンディングですよ」
P(頼むから『格闘王への道』が残ってることにだけは気づかないでくれ……)
このみ「カービィが気持ちよさそうに寝てるわ~……ふわぁ……なんだか私も眠く……」
P(そのまま眠るんだ……! 早く……!!)
P「眠ったか……あーあー、お腹まで出しちゃって」
P「このみさーん……? 男の前で無防備すぎますよー……?」
P(俺だって酔ってるんだ、手を出さない保証なんて……)
このみ「……むにゃむにゃ……信頼してるわよ、プロデューサー……」
P「…………毛布をかけてあげよう。おやすみなさい、このみさん」
P(あー、なんだか……俺も……眠気の限界が………………)
百合子「おはようございまーす。打ち合わせにきました…………って」
このみ「……すぅ……すぅ……」
P「…………ふわぁ、もう朝か。……って、百合子?」
百合子(こ、このみさんとプロデューサーさんが寄り添って寝てるー!?)
百合子「ど、どういうことなんですか!? 二人はどういう関係なんです!?」
P「ち、違うんだ! 昨日の夜に色々あって!」
このみ「…………ふにゅ? えっ、ぷ、プロデューサーがなんで私の隣りで寝てるの!?」
百合子「私が聞きたいですっ!」
P「二人とも落ち着いてくれー!!」
P「そういうことだ」
このみ「やましいことはないのよ、百合子ちゃん」
百合子「……まあ、事情はわかりました」
百合子(びっくりした……プロデューサーさんとこのみさんは付き合ってるのかと思っちゃった)
P「じゃ、仕事の準備するから、ちょっと待機しててくれ」
百合子「……はい。あっちの部屋で待ってますね」
バタンッ
P「ふぅ……どうなることかと思った」
このみ「なんとか納得してもらえたわね」
P「カービィで、ですか?」
このみ「うーん、プロデューサーと一緒ならなんでもいいわよ。あ、お酒もあると嬉しいわ」
P「はぁ……嗜む程度でお願いします」
このみ「大人だけの時間もたまには必要ってことよ」
P「可能な限りお付き合いしますよ。俺もこのみさんと過ごすのは楽しいですから」
このみ「ふふっ、また大人だけの秘密の夜を過ごしましょうね、プロデューサー」
おわり
☆前作
【ミリマスSS】百合子「耳をすませば」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1446205360/
乙でした
>>1
馬場このみ(24) Da
http://i.imgur.com/K80ame7.jpg
http://i.imgur.com/1w7cshN.jpg
>>34
七尾百合子(15) Vi
http://i.imgur.com/T0VlWzU.jpg
http://i.imgur.com/LyardK6.jpg
ホイールはヘルパー乗せて星弾撃つ奴だな
タックと並んで高威力だった記憶が
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